廣中雅之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読みやすく、分かりやすい本だった。
ちょっぴりほめ過ぎ?みたいなところもあるにはあるけど、完璧な本なんてないのだし、自分が勉強すればいい話なのだ。
よくある、言いたい方に誘導するためというのがよく分かる軍事ものとは違い、システムの作りや考え方が説明されているから、すっと入ってくる。変に数字化され羅列されるより、納得できるのは、数字遊びを知っているからだろうか(笑)
この本を読むまで、正直なところ、文民統制とはこういうものなのだ、という事が、私も分かっていなかった。
民主主義についても、その一端を垣間見れて、今の日本の民主主義はまだまだなのだと思った。というか、民主主義を勘違いしていた。怖い怖 -
Posted by ブクログ
●:引用
●自衛隊は、創設以来、帝国陸海軍とは全く異なる民主主義国家の国防組織として発展してきた。しかしながら、わが国民、就中、国民の代表である政治指導者は、第二次世界大戦の敗戦の強いトラウマを持ち、自衛隊を帝国陸海軍と同列とみなし、自衛隊による安全の確保よりも、自衛隊からの安全を確保するという意識をいまだに持つ傾向にある。
●民主主義国家である日本の国防組織(自衛隊)に対する文民統制は、強制力を伴うものではなく、自衛隊の指揮官が、政治指導者の最終的な政治決定に、自発的、かつ、徹底的に服従する形を追求しない限り、有効に機能しない。その鍵となるのは、政治指導者と自衛隊の指揮官の間で、強固な信頼 -
Posted by ブクログ
自衛隊の本というと本書でも触れられている田母神さんの極めて右寄りの発言のせいで構えてしまいがちだが、本書では極めて常識的な内容を丁寧に積み上げている。本書を書くきっかけとなったのは、2011年の東日本大震災における自衛隊出動だということだが、論じているのは「民主主義国家における軍事組織としての自衛隊(あるいは軍隊)と政治の関係とはどのようにあるべきか」ということである。また、本課題に対しての著者の結論は明確であり「軍事組織は、組織が専門とする軍事的な問題に注力し、政治的な意思決定は国民によって選択された政治家が行うべき」であるというものだ。ただし、その究極的な結論を実現するためには、政治側と軍
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Posted by ブクログ
憲法改正も視野に入り、いよいよ自衛隊の存在を顕にする時期が近づいているのだと思うが、その際にとても重要なのがシビリアンコントロール。そのシビリアンコントロールも広く言うと「政軍関係」という概念の一環であるらしい。
政軍関係とはこの本によると「専門家集団である軍隊の国家機構の中における明確な位置付け、専門職としての軍隊と軍隊が守るべき国民との一体感、政治指導者と軍隊の指揮官の間の相互理解、政策決定過程における政治指導者と軍隊の指揮官の率直な意見交換、政治指導者による最終的な政策決定に対する軍隊の指揮官の徹底的な服従および政策決定の過程と結果についての国民に対する説明責任の全て包含するダイナミッ