大谷弘至のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレわたしにとっての一茶といえば、
『雀の子 そこのけそこのけ お馬が通る』
『春風や 牛に引かれて 善光寺』
そして、惹かれるのが
『めでたさも ちう位なり おらが春』
達観した一茶を連想していました。
しかし、本書より、想像以上に家庭に恵まれない過酷で孤独な人生と知りました。
義母のいじめ、夫婦喧嘩、相続争い、子どもたちを幼くして亡くし、更に妻・菊も、再婚した雪とは三ヶ月で離婚、中風(脳梗塞)が再発、やたと再再婚するが、大火事により一茶の家も母屋が全焼した年、六十五歳の波乱の生涯を終えました。
『一茶のことばは、平たく、やさしい』とありましたが、格好つけない心地良さを感じます。