荻田泰永のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
クレイジージャーニーがやらせ騒動で放送しなくなって寂しい限りです。色々尖った人達を見ることが出来てとても有意義な番組でした。僕の大好きな高野秀行さんが出たのは最高にうれしかったし、レジェンド関野吉晴さんが出た時はとうとうここまで・・・。と感無量でした。
角幡唯介さんが出なかったのはとても残念でしたが、外道クライマーの宮城公博さんも出たし、この番組で知ることが出来た冒険家の皆さんもとても素晴らしかったです。
この番組で存在を知った本格派の冒険家、萩田泰永さんは北極を主戦場にしている方で、柔和な表情で全く冒険家に見えませんが、無補給徒歩にこだわる先鋭的な冒険をしています。
クレイジージャーニーの画面で、こんなに荒れた場所をソリを曳いて歩くなんてまさにクレイジーだなと感心しました。本当にすごいんだから。まさにガタガタのグチャグチャです。
彼は角幡さんや高野さんと違って、物書きではないので冒険有りきです。その為メディアへのアピールも少なく、資金は基本自分でアルバイトして貯めたお金で行く。戻ればまたバイトしてお金を貯める。という繰り返しで僻地を歩き続きてきました。
この数年でスポンサーがやっと付くようになったようですが、という事は、本当に極地を旅するために生きているという事なんでしょうね。冒険家大好きですが僕には全く理解できないです。
この本を読んでいてふと思ったのは、目的地が決まっていて辿りつけると分かっている場所に行きたい人と、行けるかどうか知恵を振り絞ってぎりぎり行けるかどうかを攻め込みたい人、この二種類の人が居て後者の尖鋭的な人が冒険家と言われる人なんでしょう。
萩田さんは何度か北極に行って単独行成功していないのに、なんとなく成功までのルートが見えてしまいやる気を失ってしまうんですが、その辺がなんとも偏屈ですよね。成功コレクションを増やすことよりも、新しい冒険をしたいという感じなんでしょうか。でもその偏屈さが素敵。
物書きではない事はよくわかっているので、クレイジージャーニーが無い今姿を見ることはなかなか出来なそうですが、また本を書いて頂いて新たな冒険論を読ませて頂きたいものです。
しかし、つくづくクレイジージャーニーの放送終了は罪深いですね。一度のやらせが一気に信頼の失墜になってしまいました。このままでは出たクレイジーさんたちにも泥をかぶせた形になってしまうので、もう一回きっちり再スタートしてもいいと思うんですよね。 -
Posted by ブクログ
固有の強みがあまり感じられなかった。
同世代の探検家である角幡が野生動物を喰らう、自分の犬をぶちのめす、同行者の命は自分より軽いものとして扱う、キャバクラで騙されたという語りで数ページ使う、といった具合にクズさをふんだんに醸し出しているのに対し、毒があまりにも弱すぎる。
植村直己の話が作中にも出てくるが、あれもおとなしいというか、正の部分にのみ記述していた記憶が。
まぁ小学生と一緒に旅する企画をやっていたりするらしいから、クズの人間性部分は書けないのかもしれんが。
ベルジカ号の記録とか、気球で北極探検行ったけど準備が雑すぎてすぐ終わったやつとかもそうなんだけど、登場人物がカスであればカスであるほど面白いのだよな。
たとえばベルジカ号なんて隊長の素質がないジェルラッシュがいるからこそ、表裏一体すぎるクック、そしてスーパー極地人アムンセンといった面々が輝くのであって、これでアムンセンに最初から焦点当てていたらつまらんこと限りない。
タイトルに「カネ」と入っているから、金の話をもっと主体的にやってくれれば憤怒(と色欲)の角幡に対して強欲の荻田という対比でいけたのではと思ってしまう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ感想
シンプルな色合い。北極の写真や映像は見ることがあるが、この絵本の色合いから自然の厳しさ、命のやりとりが伝わってくる。白の世界に青、赤、黄色のページがはさまれ、北極の動物たちの息吹が聞こえてくるよう。『PIHOTEK』はPANTONE社の特色4色のみで表現された特別な色合いの絵本とのこと。
「空が紫色に染まる一瞬、光は世界に力を与える。夜が明ける」
のページの色合いが素敵だ。
ぜひ手に取って欲しい。カバーを外して、描かれた冒険の足跡を辿ってみるのもいいのでは?
<書籍情報>
日本絵本賞大賞受賞!造本装幀コンクール日本書籍出版理事長賞受賞!
「植村直己冒険賞」受賞の極地冒険家、荻田泰永×「世界で最も美しい本コンクール」銀賞受賞の井上奈奈による絵本。
北極をたった一人で歩く”僕”の一日を描く。
頬を叩く風、北極での生き方を知る動物たち、空から降りる暗闇、そして……。
北極を歩く”僕”を追体験できる、命と死を感じる美しい絵本。
(巻末エッセイより)
イヌイットについて
「彼らにとって自然と自分との境界は曖昧だったのではないだろうかと感じさせる。自分の命は周囲の自然環境と全く同一である。イヌイットもいまでは現代的な生活様式を得ているが、根底に生きている観念は未だ自然の中にある。」
「その土地で生きるということは、その土地から命を得ることだ。」
(中略)
「すべての命も存在も関係性の中に生まれ、死んでいき、また生を形づくる。」
「環境問題とは数字の問題ではない。命の問題だ。自分の命はもちろん、隣にいる大切な人の命であり、会ったこともない遠い土地の誰かの命であり、時代も異なる動物の命のことだ。命を切断して物事を考える思考こそが、最大の問題である」
「北極を冒険することは、生きることだ。そして、死を感じることだ。その死とは、誰かの命であり、いつの日か自分の体も分解されて、空に舞い、風に吹かれて誰かの命にたどり着く。」
「北極に吹く風の中には、きっと誰かの命が舞っている」