亀田達也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
スタンフォードの囚人と看守の実験が非常に興味深く、そして人間の怖さが垣間見れる。人は"与えられた役"をまっとうする。看守の役割を与えられた人は看守役になり、囚人役の人は囚人を演じる。しかし、囚人は精神的な苦痛を伴い実験に耐えられず脱落者が続出。そして日を追うごとに看守の暴力や虐待がヒートアップ。6日間で実験中止となったそう。行動しているうちに、思考すらもその役割に染まっていく。精神科病院での医師らによる患者への恐ろしい虐待が問題となった件は、このような心理的な作用が関係しているのかもしれないと思わされた。環境が人を作る。身にしみて感じる。
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Posted by ブクログ
オビの「いま・ここ・私たち」とある。「いまここ」本であれば読むしかないだろうといい感じで手に取ってみました。
多くの心理学の実験の結果などから「人の心とは大体こういうもの」という定義が長く続き、4章あたりから「いま・ここ・私たち」と功利主義などの解説に入る。
ロールズの無知のベールを実現不可能と断定している点がよい。じつは別の著者の『科学報道の真相:(ちくま新書)』では「弱者に寄り添うことで無知のベールを土台にした報道は可能」と言った感じで書かれていて、そんなんだったらどうしようか、と心配していたが取り越し苦労でした。
本書にある通りに「最適な分配が行われる社会」の構造が、人の直感に反す