遊川和郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
[憂鬱な蜃気楼]1997年に中国に返還され,早くも20年が経過した香港。「東洋の真珠」とも評された都市がくぐり抜けてきたその年月と,それに伴う変化を丹念に追った作品です。著者は,在香港日本国総領事館での勤務経験を有する遊川和郎。
政治や経済に関するケーススタディとしての香港の魅力が存分に堪能できる一冊。中央政府が加速度的に影響力を強めていく中で,それが逆説的かつ必然的に引き起こしてしまう中央・香港間の緊張の様子がよくわかります。20年の節目を迎えて出版された非常にタイムリーな作品でした。
〜香港は国際公共財として存在することこそが重要なのであり,中国のための私有物にしてしまってはその価値