ピーター・M・センゲのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
経営の名著ということで購入。
複雑に構成される主張を一方向に流れる「文章」という体裁で解説しているため、論理と論旨を追うには行ったり来たりする必要があった。それはまるで本書で紹介されるシステム思考を彷彿とさせる。
内容は一言でいうと、「いかに自立した組織を創造するか」である。主張はすばらしく、途中で紹介されているように京セラのアメーバ経営のような組織をワークさせるのは本書のディシプリンを身に着けたメンバーのなせるわざなのだろう。
ここまで壮大になると「会社文化」の世界なので、大きな会社が後段適用することを考えるのは非現実的なように思えてしまう。中小の組織のうちに文化として根付かせることが肝要である。ベンチャー企業に関わりがある方、もしくはそれに匹敵するぐらい柔軟な組織構造をもつ会社の経営者なら活かせるかも。 -
Posted by ブクログ
年間で10冊まで読まないビジネス書。簡単にメモだけ。
・「システム思考」がベース。
・「1個人は全体に影響を及ぼすことはない」と考えない。
・行動の結果は、ロールのビューから見えない、時間軸上でずれた所で意外な形で出ることが多い。
・ボトム(全社員)の個々人のビジョンが企業のビジョンに結び付くと強い組織になる。
・トップダウンのビジョンが共有(共感・同意)されることなど有り得ない!
・ビジョンを描くのには練習が必要。間違いを許容できる心理的安全の確保が必須前提。
・全員が個人のビジョンを持つとは限らない。他人のビジョンへの相乗りも有り得る。
・改善のつもりでも、負のループが作用している場合も。自身を分析し、思考に影響しているループ構成を描き出すと良い。 -
Posted by ブクログ
大企業のほとんどは、人間の寿命の半分も生きられない。なぜ組織運営は失敗するのか。その考察と対策。まず、フィードバックのプロセスを、自己強化型とバランス型に分けての説明。広告費を増やしていけば売上は増えていくが、対象顧客層にリーチしつくしたところで平衡する。研究開発費を増やしていけば新商品の開発を進んでいくが、技術の限界、マネジメントの限界、設備の限界、すなわち組織の限界に到達したところで成長は止まり、平衡する。それならばと1人だけ現状維持を貫いたって、社会は進む。社会が進めば生活が変わる。生活が変われば、平衡は崩れる。それを破るのが、イノベーション。イノベーションは稀であり、さも"偉業"かのように語られるが、組織が存続し続けるには絶対に必要な条件なのだ。"偉業"がなければ存続できないというのであれば、会社の平均寿命が短いのも頷ける。よって、組織に必要とされるのは、限界が決定されている状況下での"成長"ではなく、限界の原因を見極め、対処し続けていく力を養う"学習"なのだ。
そして提示される5つのディシプリン。個人の成長、チームでの成長、既成概念の把握、共有ビジョン、全体指向。どれについても納得できるだけの構造が解説されているのだが、どうにも受け入れ難いところがある。どれも正論がすぎるのだ。確かに個人の成長には理想と現実の創造的緊張が必要だし、チームで成長するためには議論する"ディスカッション"でなく、協働するための"ダイアログ"が重要だろう。考えの妨げになっている既成概念を把握し、より広い視点で物事を捉える全体指向がなければ、その場しのぎでない根本解決は果たせない。…しかし、やる気がなければ何もできない。みんなが正論が正しいと分かっているのに従えないのは、やる気になれないのは何故だろうか。
『モチベーション』について勉強するやる気がでてきたので、次はこちらを勉強してみよう。 -
Posted by ブクログ
経営においてディシプリンがどう繋がっているかよく整理されている。
以下、印象的なフレーズ
・学習する組織は「いかに私たちの行動が私たちの現実を生み出すか、そして私たちはいかにそれを変えられるか」ということを人々が継続的に発見し続ける場である。
・ビジョンは具体的な目的地、望ましい未来像である。目的は抽象的で、ビジョンは具体的なものだ。
・失敗とは、単なる不足、ビジョンと今の現実の間に乖離があることを示すものにすぎない。失敗は学びのチャンスでもある。
・否定的ビジョンの根底にあるのは恐怖の力である。肯定的ビジョンを動かすのは大志の力である。恐怖は短期的に驚くべき変化を生み出すこともあるが、大志は学習と成長の絶えざる源泉として持続する。 -
Posted by ブクログ
本書の前提となる5つのディシプリンのうち、志の育成とされる自己マスタリーと共有ビジョンは今日的にはキャリア自律として扱われる領域で、パーパスマネジメントの考えと概念が近い。日本の組織、働く人にジワジワと浸透している。
内省的会話の展開とされるメンタル・モデルとダイアログも1on1やキャリアコンサルティングとして試みが導入されている。
以上の四つは、個人への働きかけによってある程度達成可能な課題に見受けられる。
問題は最後のシステム思考、複雑性の理解であろう。組織的課題は遅行軸であることがこのディシプリンが抱える最大の難しさで、より上位の経営者やリーダーが理解し戦術的に組織や業務に組み込むことができなければ、その浸透は達成し得ない。日本人が苦手な領域でもあり、身近で聞かれるような事業の失敗の典型例のようなケースが本書でも説明される。組織はどのようなアプローチでこの問題を解決し得るだろうか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「学習する組織」とは、持続可能性を導く、まさにイノベーションそのもののことである。この組織を創るには、共有ビジョンの構築とチーム学習が必要と説く。
これについては、以下少し説明を追記する。
持続可能性のある組織について、「目的を達成する能力を効率的に伸ばし続ける組織」とも言い換えられる。
共有ビジョンとは、外発的なものでも内発的なものでもいいのだが、外発的なものの場合、競合と比較したときに、何かを達成することに主眼をおいたほうがいい。
チーム学習について、個々の学習の総和であり、チーム学習が組織の学習につながるということである。
タメになったのはビジョン。
「人類の宇宙探索の能力を進歩させる」は目的で、目的は方角や進行方向を示すもの。「1960年代末までに、人類を月面に立たせる」はビジョンで、目的地や望ましい未来像を示したもの。
多くの企業が、ビジョンを正しく定義出ていないような気がする。できれば、ビジョンを聞いて、光景が見えるといいんだろうな。
次に面白かったのは、環境。
より有意義でやりがいのある職場環境を作ることで、業績は改善するそう。この有意義さは、共通のビジョンが必要なのだが、やる気にさせる唯一のビジョンはあなた自身のビジョンであるという点から、個々のビジョンのすり合わせの結果、共通のビジョンを作るというプロセスがよさそう。ま、協力してできると、単独でやるよりはるかに大きな成果ができるので、こうしたプロセスを経て、協力する関係が作れるといいなと思う。稲盛さんの言葉も出てくるけど、まず組織は物心両面の幸福を従業員に与えられるようにし、本当にしたいことに全力をそそげるようにすることが大切なのかなと思う。これが会社の責任だとして、個々の責任はというと学習をし続けること。学習がリーダーシップの源泉であり、持続可能性の源泉であるので、学習こそが義務であり、チームや組織とすり合わせをすることが求められているのだと思う。