青野太潮のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「聖書学」とはこういうものなのか、というのが素朴な感想。聖書のなかのそれぞれのテキストを書いた人物の特定であるとか、それが書かれた状況であるとか、その人物がどのようにものごとを捉える人であるかとか。それらを踏まえた上で、使徒たちの間に見られる、イエスの死に関する、ユダヤ教的(ヘブライ的)・「悔い改め」的・行為義認的(贖罪論的)な見方と、パウロに代表されるヘレニズム的・「弱さの自覚」的・信仰義認的な見方の対立が描かれ、その是非が論じられている。パウロの行動の軌跡を丹念にたどりながら論が展開されているので、パウロがどんな問題に取り組んでいたのかについて、具体的な像を伴って理解できたような気がする。
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Posted by ブクログ
キリスト教はパウロ教と名乗るべきだ、と言う主張を聞いたことがあった。
ユダヤ教のカルトであった「キリスト教」を、ユダヤ人以外にも布教し、受け入れられるように変え、世界的な宗教にした、と。
結局、自分の知っている「キリスト教」はパウロ教なので、
それがどう本来のキリスト教徒と異なっているのかがわからず、難しかった。
ナザレのイエスがキリストだと告白はするものの、律法を遵守し宣教の対象をもっぱらユダヤ人とする「ヘブライスト」から、
律法からの自由を説きエルサレムにおける神殿礼拝を厳しく批判した「ヘレニスト」に主流が代わっていったのは、
70年のエルサレム神殿の破壊をきっかけだったのはわかった。