佐藤恵秋のレビュー一覧

  • 雑賀の女鉄砲撃ち

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    鶴が感嘆の声を上げた。紀州雑賀衆宮郷の重鎮、太田左近宗正の長女である。十五歳、清楚な容貌の奥に、芯の強さを秘めていた。
    二女の梟は十三歳にして艶やかさがあり、十二歳の三女小雀は可憐という形容が似合う。四女の蛍はまだ十歳。愛らしい顔立ちだが、野を駆け回る男児のような形をしていた。
    紀州雑賀といえば、鉄砲の扱いで世に名高い。四姉妹は乳飲み児の頃から、鉄砲に囲まれて育った。
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    本文冒頭すぐ、本作の主役である四姉妹の紹介部の引用です。織田信長が武田騎馬隊を撃ち破った、あの長篠の戦いを、危険も顧みず見物に来た四姉妹が、その鉄砲戦術の威力を目の当たりにするところから物

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    2019年01月10日
  • 雑賀の女鉄砲撃ち

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    紀州の鉄砲集団・雑賀衆の四姉妹の末妹・蛍の活躍を描いた時代小説。鉄砲撃ちとして成長する序盤は楽しく読み進められた。後半、根来寺の炎上や太田城落城はせつなかった。500ページを超える長編だが、読みやすく、楽しく読破できた。

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    2021年10月01日
  • 雑賀の女鉄砲撃ち

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    歴史に忠実な流れの中、フィクションと思われる女鉄砲撃ちを絡めてくる新しい感覚を覚えた作品だった。
    実在の人物は、教科書には書いていないキャラクターに誇張されてるように見えて、それはそれで楽しいストーリーが展開された。
    作者は現代劇の小説家らしいが、どなたかは知らない。そちらの作品にも興味がそそられる。

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    2020年11月26日
  • 雑賀の女鉄砲撃ち

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    戦国時代は群雄割拠している武家が織田を始めとした有力武将により統合される過程であり、武家の誰もが天下取りを夢見て戦に臨んでいるので丹念に探せば面白いストーリーがゴロゴロと転がっている。このテーマは時代を経てもある意味普遍であるから多くの作家が取り上げ、有名武将に関しては語り尽くされた感さえある。ほん小説が異色なのは雑賀の宮郷の長の四女という果たして主人公としての格が出せるか微妙なキャラクターを見事に描いていることに尽きる。雑賀、根来という革新的な武器である鉄砲を使いこなし、尚且つその運用や武器の開発を行う異能集団の中でその腕前を、コツコツ上げたのが四女の蛍がそのヒトである。歴史的な長篠の戦い、

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    2020年01月15日
  • 雑賀の女鉄砲撃ち

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    始めて読んだ作家さんでした。

    雑賀の太田左近に生まれた、4姉妹の話、
    基本が、末っ子の蛍の話で進んでいく。

    始まりは、信長の三段打ちの長篠の戦いから、大阪の陣まで蛍の成長と時の天下人を中心に進んでいきます。

    孫一と秀吉がここまで悪者の作品は初めてで非常に楽しめました。

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    2018年07月22日
  • 雑賀の女鉄砲撃ち 鋼輪の銃

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    女鉄砲撃ちの続編。599ページ。時は関ヶ原の戦い前後。石川五右衛門が登場したり、秀吉の朝鮮出兵絡みで朝鮮に行ったり、関ヶ原の戦いで小早川軍を動かしたりと話は大きく広がる。しかし悲しみや怒りなど蛍の心理描写はあっさり。前作ほど心は動かない。

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    2022年06月23日