香取照幸のレビュー一覧

  • 教養としての社会保障

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    厚生省の統計問題がわちゃわちゃ言われている今この時期(2019年頭)に自信を持って言う事は出来ないけれども、官僚としての長い実務経験のある著者が、良質なデータを数多く提示した上で、日本の社会保障の現状についてイデオロギーを交えずに歴史背景や他国との比較の上で冷静に分析している。
    「教養としての」という名のついた本には表面的な話を並べ立てるだけで、学びが少ない本も少なくないが、本書は本当の意味で「教養としての社会保障」と言い得る良著である。

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    2019年01月23日
  • 教養としての社会保障

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    社会保障のバイブルと言っても過言ではない基本書。制度のできた背景から始まり、マクロでの課題、ミクロの課題、改革の方向性、未来への提言と、それぞれのパートで豊富な資料、統計を元に丁寧に説明されている。制度が複雑に入り組んでいるので、とっかかりが難しいが、もう現状維持では立ち行かない、改革待った無しという状態にあることはよくわかった。社会保障の課題は、同時に日本の成長に向けての課題でもあると思う。

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    2018年07月02日
  • 教養としての社会保障

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    現在の日本の社会保障を歴史、世界との比較から見ることで勉強になる。
    社会保障は、現代社会とりわけ資本主義社会で競争がある世の中になくてはならない仕組み。なぜなら個人の自由な人生選択とリスクを恐れず挑戦するためのセーフティネットが必要だから。
    長期不況、少子高齢化、人口減少と日本が直面している課題と解決に向き合う必要がある、社会保障は複雑で理解しづらい部分が多いが、少しずつ勉強していこうと思う。

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    2024年05月19日
  • 民主主義のための社会保障

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    前著『教養としての社会保障』から、そこまで大きく内容がアップデートされている感じではない。同様のテーマを同じ人が少し違う視点で書いている、という意味では、続けて読むと勉強にはなる(繰り返しという意味で)が。

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    2024年01月21日
  • 教養としての社会保障

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    人口減少、社会保障費などの詳細データや国際比較などありよくまとまっている。
    後段の施策部分は少し抽象的

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    2024年01月04日
  • 教養としての社会保障

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    社会保障をこれから学び始めるのにいい本はないかと探していたところ、極端に振れていないバランスの取れた良書との評価を見て購入。

    事実、I部、II部では制度理解から位置付け、国際評価など、今後の社会保障を考える準備をするために必要な理解が、端的にできる。正確でコンパクト。
    資料が豊富だったのは客観視できるのでありがたいところだった(国際間比較、資産保有配分の年度比較など)。
    Ⅲ部の今後のあり方について(一般論として)言及し、それを踏まえた付章では提言(具体的政策)する。
    2017年、5年前に初版の本だが、この提言が今実現しているものも多いので、現場で実際に携わった経験値のある人が書いた本なのだな

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    2022年09月29日
  • 教養としての社会保障

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    社会保障というものは、年金、医療、介護、福祉関係かな?という程度の知識しか持ち合わせていなかったのですが、社会保障は経済活動に結構密接な関係にあったのだと知りました。
    確かに、病院や保育園があれば雇用が生まれるし、消費も生まれます。国がやってるんだから、国がやれば良いというのは、合理的無知でした。

    気になったのは、高齢者の預金残高額でしょうか。高齢者に詐欺行為を仕掛けるというのは、的外れでは無かったんですね。

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    2022年02月17日
  • 民主主義のための社会保障

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    前著に増して憂国の感じが強い。最初から世界の市場が一つになっていることに対応した人材かぁ。耳が痛い。

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    2021年12月08日
  • 民主主義のための社会保障

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    社会保障の問題は経済や社会とも関わってくることを分かりやすく解説されています。民主主義を維持するためには中間層を支えて分断を防ぐ必要があるし、国民が作り出した付加価値を分配する手段としての社会保障が重要…と理解しました。

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    2021年11月07日
  • 教養としての社会保障

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    -高齢化で給付は増加、不景気で収入は停滞、公費投入
    -社会保障の二面性
     −社会保障は負担
     +経済成長のエンジンでもある1つの産業
    -過剰貯蓄を防ぐはずの社会保障
    -人口減少、少子高齢化、経済停滞の結果、資金は高齢者と企業に留保、格差拡大
    -経済社会、政治への不安←一億総中流社会の崩壊、グローバル化
    -財政再建経済成長社会保障のために政治への信頼を取り戻すことが肝要
    -今後の社会保障の役割(安心社会基盤、ルール、人口減少社会を乗り切る持続可能な社会実現)
    - 持続可能な制度の構築、制度の簡素化、ITによる効率化が必要
    -社会保障による雇用の創出、地方への所得配分

    想像していた内容とは違った

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    2021年06月23日
  • 民主主義のための社会保障

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    前著『教養としての社会保障』は、厚労省官僚として「社会保障・税の一体改革」をリードした著者が、「社会保障は経済成長のために不可欠」であるということを、
    ・経済成長のためにはイノベーションが必要
    ・しかし、イノベーションはむしろ失敗の方が多いのが現実
    ・そこで、社会保障はセーフティネットとして、失敗しても再チャレンジできる環境を整備することで、イノベーションのようなチャレンジを促進し、経済成長に貢献する
    という論旨で主張した名著であり、個人的にも社会保障の意味合いを再考するきっかけとなった一冊であった。

    厚労省を2017年に退官した著者による本作は、その主張をさらに推し進めている。具体的には、

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    2021年05月22日
  • 民主主義のための社会保障

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    社会保障の役割は安定的な中間層の形成のための防貧にある。安定的な中間層が民主主義を支える。競走は良い。格差は課題。

    さすがという感じ。勉強せねばと、思った。日々の業務に時間とエネルギーを取られすぎて、何も勉強できてない。経済と英語。社会保障。今年の目標、学ぶ。

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    2021年02月28日
  • 教養としての社会保障

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    国民と政府では見ている視点がミクロとマクロで異なっているためどうしてもギャップが生まれてしまう
    全国民に過不足なく保障を行うことは不可能であることを改めて感じた

    少子高齢化の対策として本著で提案されている対策は非常に興味深かった
    こういった本を書いているようなレベルの方々が役人として働いて、考えた上で現在の社会保障があるのであればちゃんと税金を納めようと思った

    一回さらっと読んだだけなのでもう一度読み直したい

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    2020年06月03日
  • 教養としての社会保障

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    普段当たり前と思っている社会保障。でも、世界を見渡すとこんなに恵まれた国は稀なんだなぁ。日本に社会保障ができた背景、制度の仕組み、充実した社会保障のために私達はこれからどう行動していくべきなのかとても勉強になりました。教養として一度は読んでほしい本です。

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    2020年05月15日
  • 教養としての社会保障

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    誰もがなんとなく知っているけど、明確には答えられない。
    そんな「社会保障」について、これ1冊でみっちり学べる本です。

    社会保障は「あくまで自立して生活することが前提で、もしダメになったらみんなで助けるよ」っていう制度で、だけどそれにはいろんなパターン・ケースが存在することを知りました。
    日本の社会保障は世界一と言われているが、一方で世界一の高齢化の国でもあると言われています。
    そのため、このままのルールでは無理が生じてくるという考察も勉強になります。

    個人的に、この本を読んで、いま契約している生命保険の無意味さに気づいて
    解約できたことが一番の収穫です。

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    2020年04月16日
  • 教養としての社会保障

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    少し表現や記載が冗長な部分もあるが全体を通して楽しんで読めた

    深く考えたことはなかった社会保障の意義、制度設計の重要性など、当事者ならではの視点で描かれていて勉強になる。
    タイトルの通り大人の教養として読んでおきたい本

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    2020年01月22日
  • 教養としての社会保障

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    ネタバレ

    ## 感想
    - 普通に知識の勉強としてよかった。歴史を紐解く、というとあれだが、国民皆保険を作るところから現代までの話をざっと眺められた。
    - 元、内閣官房内閣審議官の人ということで、どこかに寄った話だと嫌だなと思ったが、思ったよりもニュートラルな立場で書かれていた。最後の方はエモさもあったがご愛嬌(定量や戦略ではなく思いが乗っかる文章で終わる、という程度の意味)

    ## メモ
    - 社会保障が理解されづらいのは
     - ①政治・経済・雇用・家族政策・医療・など幅広くまたがるため。
     - ②マクロ経済の仕組みを踏まえなければいけないが、ミクロ経済の感覚が混ざるため(往々にしてマクロにとって正はミク

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    2020年01月03日
  • 教養としての社会保障

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    【ミクロとマクロ】

    福祉の現場にいてミクロの視点で社会保障の物足りなさを感じている。だからこそこの本でマクロの視点を知ることが有意義だった。

    寿命延伸
    医療の進化
    労働力不足
    少子化
    人口減少

    「安心して子供が産めない」社会であるがというが「計画的でない子供」が問題になっている気がする。家計が苦しく両親が働くことによる子供に対する愛着不足。貧困による教育格差。非行化。引きこもり…などなど。
    制度の整備が必要なのは大前提。
    加えて「共助」など心の整備?が必要。
    「自分さえ良ければ」という考えが社会保障制度の最大の敵ではないだろうか。

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    2019年04月23日
  • 教養としての社会保障

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    これは良書。元官僚の著者の上から目線だけ気にしなければ、最良の分析考察を厳密なデータとともに把握できる。

    成長が止まり、税収が減り、社会保障の予算に占める比率が50%を超え、政策的な自由度が限りなく小さい。例えば教育に全く使えない。それが我が国の実態。
    そんな中、日本人の貯金好きは異常。無駄にため込まないために一番大事なのは公的年金への信頼感だが、政争の具になってそれが失われている。

    結果として今、日本は貧困が進んでいる。しかも中間層が減って貧困層が増える二極化。何といっても最大の原因は非正規雇用。同じ会社で働いているのに、非正規は社会保険が自腹。つまり低所得者ほど相対的な社会保険負担が大

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    2019年01月01日
  • 教養としての社会保障

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    ネタバレ

    総論中心で読みやすい。社会保障の問題を考えるきっかけになった。

    ・近代化によって、農民は農村から都市の工場へと移動させられた。社会保障は近代化によって失われた社会=コミュニティーの相互扶助の機能を国家が代替・補完するもの

    ・社会保障は自立を支えることが目的なので、自分で支える自助が大前提で、これに加えて病気などでリスクを防御しきれなかった時に互いに支え合う共助から成る。自助と共助でカバーできない困窮などを公助によって補完する。自助のない共助はない、というのが基本的な考え方。

    ・社会保障給付は120兆円でGDPの22.8%。財源は6割が保険料、3割が公費、1割が保険料を原資とした積立資産の

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    2018年04月22日