伊藤典夫・他のレビュー一覧

  • ヒトラーの描いた薔薇

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    1957年から87に書かれた作品が発表順に掲載されている。
    エリスンを読んだのは初めてだけれど、解説にあるように、どれも理不尽なものに対する怒りと絶望が伝わってくる。
    とりわけ古い作品にその傾向が強く、私はどちらかというと、そういった不条理さに満ちた最初の方の作品のほうが好きだ。

    特に、「恐怖の夜」は読んでいて痛く刺さりすぎて目をそむけたくなる激しい衝動に駆られた。
    けれど、こういう作品こそ、読まなければならないんだと思う。

    どれも、祝福や幸せからは程遠く、人間が犯してきた罪悪について書かれているように感じる。

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    2024年02月02日
  • ヒトラーの描いた薔薇

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    ハーラン・エリスン=毒舌な批評家なイメージがあったのだが、いったいどこから入った記憶だったのか???

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    2017年05月05日
  • ヒトラーの描いた薔薇

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    作品全体を通して、風刺や皮肉、怒りや苦悩を感じさせる短編集。

    SFで有名なハーラン・エリスン作品なのだが、あまりSF感は無く、サスペンス色が強かったり、ダークファンタジー風だったりと、飽きさせない。

    特に「バシリスク」は理不尽で暴力的だが、不思議なカタルシスを感じた。

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    2024年10月15日
  • ヒトラーの描いた薔薇

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    60〜70年代の作品はエリスンの社会に対する怒りが強烈にぶつけられています。表題作「ヒトラーの描いた薔薇」では、主人公は理不尽に地獄に落とされ、神様に怒りをぶつけますがそんな中、ヒトラーは地獄の門に黙々とバラを美しく描き続けています。なかなか解釈が難しいですね。

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    2021年11月18日
  • 危険なヴィジョン〔完全版〕 1

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    どんな本かって?
    日本で大森望が編んでるNOVAの様な本。
    米国で半世紀以上前に編まれたもんだけどねー

    曖昧な記憶の中ではエリスンは感じの悪い評論家だった。

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    2019年08月03日
  • ヒトラーの描いた薔薇

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    朝日新聞の書評に掲載されていた。ヒトラーということでドイツでの小説と想定していたら全く異なっていた。短編集の中でのひとつの小説である。最後の地獄の場面で、地獄に落ちたヒットラーが地獄の門にバラを描いているというだけであった。

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    2017年06月01日
  • ヒトラーの描いた薔薇

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    『世界の中心で愛を叫んだけもの』のタイトルがぱくられました!という事で変な風に名を馳せたハーラン・エリスンですが、SFファン、それもオールドSFファンには嬉しい短篇集。
    エリスンの小説はSFというにはちょっとテイストが違って、ロアルド・ダールなどの作品に近いようなところもあると思う。
    今回印象に残ったのは、まず冒頭にある『ロボット外科医』。雰囲気的にはレトロというか、ああ古いな、と思うところもあるけど、機械化による人間排除、それによる影響などが鋭く洞察されているのが面白い。エリスン作品にしては珍しく、ラストが爽快でもある。
    『バシリスク』はかなり痛い。ベトナム帰還兵問題を扱った作品で、この時期

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    2017年05月10日
  • 危険なヴィジョン〔完全版〕 1

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    SF界のカリスマ、ハーラン・エリスンが自ら企画編集した伝説的アンソロジー、「危険なヴィジョン」。すべての作品にエリスンによる紹介文が付される豪華(?)な構成。第1巻となる本書では下記8作品を収録。

    ・夕べの祈り:レスター・デル・レイ
    ・蝿:ロバート・シルヴァーバーグ
    ・火星人が来た日の翌日:フレデリック・ポール
    ・紫綬褒金の騎手たち、または大いなる強制飼養:フィリップ・ホセ・ファーマー
    ・マレイ・システム:ミリアム・アレン・ディフォード
    ・ジュリエットのおもちゃ:ロバート・ブロック
    ・世界の縁にたつ都市をさまよう者:ハーラン・エリスン
    ・すべての時間が噴きでた夜:ブライアン・W・オールディス

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    2020年12月12日
  • 危険なヴィジョン〔完全版〕 1

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    60年代にハーラン・エリスンが出した全作書き下ろしのアンソロジーが2019年になって全訳が出た。ハーラン・エリスンがやたらとスペキュレイティブ・フィクションを連呼しているのに時代を感じる。収録作の中でフィリップ・ホセ・ファーマーの「紫綬褒金の騎手たち、または大いなる強制飼養」だけは文体の面白さは判るけど、文体に気を取られて内容が全く頭に入ってこずきつかった。

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    2020年03月03日
  • 危険なヴィジョン〔完全版〕 1

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    1983年にハヤカワ文庫から第1巻のみ刊行され、第2巻以降は何故か刊行されないままフェードアウトしてしまった、曰く付きのアンソロジー。
    アメリカSF界の鬼才、ハーラン・エリスンが、1960年代に活躍していた作家(非SF含む)に「危険なヴィジョン」をテーマとした書き下ろし作品を依頼し、それをまとめたもの。第1巻の冒頭にエリスンの序文が入るのはまぁ当然としても、各作品の頭にもいちいちエリスンの序文が入るというエリスンの押し出しの強さ(笑)しかもこの序文が長いのよ、なかなか読み進められないヽ( ´ー`)ノ

    ことほど左様に、編者エリスンの熱気が前面にアピールされて正直鬱陶しいぐらいなんですが、いやそ

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    2019年10月20日
  • 危険なヴィジョン〔完全版〕 1

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    エリスンがうるさい本(笑)でも前書きを読むに費用面の事情もあったんだろうな。
    「紫綬褒金の騎士たち〜」が厳しくてしばらく積んであったんだけど、他の話は比較的読みやすい。
    最初から最後までエリスンはうるさい。

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    2019年09月01日
  • 危険なヴィジョン〔完全版〕 1

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    本編前の解説はいらないかな。
    「紫綬褒金の騎士たち、または大いなる強制飼養」は最初読みづらいが後半はましになる。

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    2019年07月17日
  • ヒトラーの描いた薔薇

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    アメリカSF界の巨匠ハーラン・エリスンの短編集だが、エリスンってこんな情緒的なSFを書く人だっけ…?と違和感を覚えてしまった。ブラッドベリの作風が好きな人には合うと思う。個人的に一番好きな話は「ヴァージル・オッダムとともに東極に立つ」。

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    2018年11月16日
  • ヒトラーの描いた薔薇

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    日本ではエリスンの短編集はハヤカワ文庫からこれより前に2冊出てまして、どちらも傑作です。本邦3冊目の短編集となる本作、通読しての印象は割と玉石混淆な感じ。SFでは無い通俗小説やファンタジーよりの作品も多く、かつ明確な起承転結が無い話もあり、これまでの2冊に比べるとちょっと取っ付きにくいイメージです。

    が、所々にもの凄く純度の高い「エリスン節」が含まれている作品がありまして、なかなか巧く表現できないのですが「神秘性を帯びた暴力」とでも言いましょうか。世間一般の常識とはかけ離れ理屈や道徳は一切通用しない、ある種神話めいた独特の世界観の中で繰り広げられる暴力と怒りの爆発。すっきりした話・気持ちの良

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    2017年08月19日
  • ヒトラーの描いた薔薇

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    短編集。
    SFだけでなく、ホラーやファンタジーぽい作品も多々あり。
    『死の鳥』よりとっつきやすい印象。
    ベストは、よくある設定ながら著者らしい荒々しさが特徴的な「ロボット外科医」。
    次いで、「クロウトウン」か。

    「ロボット外科医」
    ロボットが医師の仕事を奪う、まさにその様子を描いた作品。
    「恐怖の夜」
    人種差別。これを書いた作者は白人というのが良い。
    「苦痛神」
    神が主人公。苦痛の先にあるものは…。
    「死人の眼から消えた銀貨」
    人種差別。SFではないが、主人公が洒落てる。
    「冷たい友達」
    エリスン流ボーイ・ミーツ・ガール。舞台設定が特殊。
    「クロウトウン」
    地下都市。人間の環境への順応力が怖

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    2021年07月11日