読売新聞水戸支局取材班のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
恐らく、かなりの時間を掛けた取材に基づくドキュメントなのだろうが、最後の最後まで金川真大の考えの一片も理解出来なかった。というよりも、余りにも異常な思考に、理解のしようが無いのだ。
2008年に茨城県土浦市で起きた9人もの人びとを無差別殺傷するという凶悪事件。犯人の金川は死ぬために死刑になることを望み、犯行に及んだというのだから唖然とする。犠牲者の方々、その家族の方々も未だに理解出来ず、無念の思いと悲しみの中にいるのではなかろうか。
読んでいて、その異常な思考に、自分までもが感化されるのではないかと不安になり、嘔吐感をも感じるドキュメントだった。 -
Posted by ブクログ
基本的には死刑には反対。でも…。
「死にたい。でも、自殺は痛いし失敗する可能性がある。確実に死ぬには死刑が一番だ。できるだけ多くの人を殺そう」
そうして通り魔殺人事件を起こした死刑囚に30回以上も獄中面会し、その心の奥を知ろうとした記者のノンフィクション。
青年期に「「子どものための哲学対話」を読んで真理がわかったと豪語する。けれどそれは表面的なもので、真理でもなんでもない。と、普通の人ならわかるはずなのに、なぜ彼はそういう捉え方をしたのか。そしてその考えに固執したのか。
彼の成長過程は確かに不幸なものだったが、だからといってそういった育ち方をした人が全て凶悪事件を起こすわけでもない。