読売新聞水戸支局取材班の作品一覧
「読売新聞水戸支局取材班」の「死刑のための殺人―土浦連続通り魔事件・死刑囚の記録―」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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ビジネス・実用
Posted by ブクログ
基本的には死刑には反対。でも…。
「死にたい。でも、自殺は痛いし失敗する可能性がある。確実に死ぬには死刑が一番だ。できるだけ多くの人を殺そう」
そうして通り魔殺人事件を起こした死刑囚に30回以上も獄中面会し、その心の奥を知ろうとした記者のノンフィクション。
青年期に「「子どものための哲学対話」を読んで真理がわかったと豪語する。けれどそれは表面的なもので、真理でもなんでもない。と、普通の人ならわかるはずなのに、なぜ彼はそういう捉え方をしたのか。そしてその考えに固執したのか。
彼の成長過程は確かに不幸なものだったが、だからといってそういった育ち方をした人が全て凶悪事件を起こすわけでもない。
被害者家族たちの思いは、このまま「死刑」にしてしまうことは、彼の希望を叶えることになる。それは罰を与えることになるのだろうかということ。
面会し取材した記者たちは、面会し彼の心に訴えかけるうちに「罪悪感」が生まれてくれないかと期待したが、それも叶わなかった。
果たしてどちらが幸せなのだろう?
刑場に向かう心理として、誤った真理であっても自分の望む死刑を執行される場合と、罪悪感に苛まれ、やっぱり死にたくないと後悔の念を抱いて執行される場合と。
被害者意識としては?
「死刑」という事実は変わらない。反省、謝罪の気持ちを発せられたとしても、亡くなった家族は帰らない。
最期の最期に、足元の床がぱっくりと開き落ちていく瞬間、彼はどう思っただろう?