六畳のえるのレビュー一覧
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主人公の高校生男子・角野(カドノ)の同級生には、学園の三大美少女・完璧お嬢様の伊澄、明るさ満点歌姫の小夜、クール系人気女優の律花がいる。そんな三人の家庭にハウスキーパーとして、角野が素性を隠し住谷(スミヤ)という名で雇われることになる、ヒロインたちの教室での姿と家での気を抜いた姿を、俺だけが知っているというラブコメですね。今回は伊澄さんに焦点を当てていて、家族の絆を描く人間ドラマ的側面が強かったように思います。そして伊澄さんは攻略完了。とはいえ彼女が気になるのは住谷であり角野ではない。正体を隠したままの主人公とヒロインとのラブコメは成立するのか?今後の展開が大変気になる期待の新シリーズです。
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学校では繋がりが薄いけれど互いが互いを気にしているクラスメイト、通話アプリだと相性の良い何でも話せるお喋り相手。千優と桜にとって、通話アプリでの関係はとても落ち着けるものだから、このままでも良いのかもしれない。けど、桜が学校での千優を気になる相手と考えていて、千優の方も桜と近付きたいと思うなら、必然的に通話アプリ以外での触れ合いも増えるわけで
だとしても、二人きりで映画を見に行くなんて随分と進展したね!
千優はクラスにおいて無口くんというポジション、桜はクラスにおいて人気者の生徒会長。そうした二人が積み重ねの無い状態でお出掛けしても楽しむなんて出来なかった筈。けど、二人は通話アプリでの積み重ねがあるし、それを土台とした学校内での交流も少しずつ発生した
だからか、初めてのお出掛けであろうと何の気不味さもなく楽しめるんだよね。デスティニーランドで二人だけに成った際は少しだけぎこちなさがあったけど、映画を見に行った際は何もかもが滑らかな遣り取りに見えたな
特に予定していたランチが行列状態で入れないと成った時に千優が彼女の為に代案を用意していたのは好印象。他にもちょくちょく好フォローが出来ている場面があったし
そうした関係性を築けるなら、もっと踏み込んだ関係性を望もうとするのは何の不思議もないね
文化祭の出し物決めや諸々の準備において桜に負担が生じているのは前巻時点で見えていたけど、その傾向は2巻でも変わらず
でも、それを見る千優は前巻よりも積極性を手に入れていて。桜の負担や疲労度を敏感に察して彼女のフォローをして、時には桜の新たな負担になりそうな案件を本来の担当者をフォローする事で回避して
千優が無口くんというポジションであるのは変わらないけど、クラスとの関わり方は大きく変わってきた印象
そうした変化が最も現れたのはお客からクレームが掛かった場面だろうね
あの場面は受け答えを間違えたり、そもそも解決に時間が掛かれば、それだけでクラスの出し物に大きなダメージが出るし、誰にとっても楽しい思い出では無くなってしまう。そしてほぼ責任者の桜が余計な責任を感じてしまう未来も想像できて…
それだけに桜と協力する形で問題をなし崩し的に解消できたのはかなり良かったんじゃなかろうか。あの場面で千優の貢献に気付いたり知ったりした者は少ないだろうけど、あのシーンは千優が桜を助ける延長でクラスをも助けたように思えるよ
そうした貢献は奔走してきた桜の頑張りを無にしないものとなるね。千優は多面的に桜を助けられたわけだ
千優がそれだけ桜を助けたい、彼女の力になりたいと思うのはもっと彼女と仲を深めたいと思うからで
彼が桜の特別な日を更に特別にする為にプレゼントを用意するのは当然だし、プレゼントを渡しただけで満足できなくなるのも当然
そのような不満足の存在を考えると、雫って凄いというか超越しているな、なんて感じてしまうわけですが
いや、だって結婚まで考えていた相手から「他に好きな人がいる」と告げられても「何年かかっても私のところに来る」と返せるのは強すぎる……。彼女は千優が自分を好きではないと知っても不満足を抱かない。信じて、行動する事で不満足を取り除けると確信を持っている
雫の姿勢は悩む千優にとって指針となるものだね
雫と同じように千優も信じて、行動する事で現状を変えられるのではないかと思えるようになる。そうして紡がれたあのラストシーンはとても良いものだったなぁ…
これまで通話口でしか交流していなかったという体の二人が通話を開いたまま対面した。それは正体を明かす、というより互いが互いを確認する為の儀式。通話で仲を深めてきたヨッシーとムックが対面しても、桜と千優として学校で深めた繋がりがあるから、お喋りによって築かれた関係性は崩れないし、もっと深められると思える。だから二人は新たなお喋りを約束できる
本当に綺麗なラストシーンでしたよ -
Posted by ブクログ
デジタルの発達により様々なコミュニケーション方法が確立されて久しい現代において、敢えて匿名による音声通話だけに制限された本作で行われるコミュニケーション方法は面白いね
文通よりも情報量は多いがビデオ通話よりは情報量が限られる。おまけに匿名アカウントで通話するから相手が誰かも判らない
本作の場合はよく通話する相手が身近な人である為に破茶滅茶な展開になるのだけどね
「無口くん」とのアダ名を付けられた事でクラスの中で喋らない男子というポジションを不本意ながら手にしてしまった千優が主人公
彼って元々コミュニケーションが得意だったわけでは無いようだけど不得意とまでは行かず。それだけにクラスの空気に迎合する為に「無口くん」を演じ続けるのは納得し難い状況。おまけにそのポジション付けが家庭にも持ち込まれたと成れば周囲とのコミュニケーションはかなり宜しくない状況と言えるね
そんな彼がクラスとは別の空間にお喋りを求めたのは当然の流れか。彼の場合、通話なら普通に喋れるしおまけに声もイケボ扱いされていたのは良かった点
特に千優の目的は出会いを求めているのではなく、ただ話したいだけ。そうして出会った、というか会話が始まった相手がヨッシーこと桜か
桜ってクラスでは優等生ポジションを獲得しているけど、これって千優と似たような話で自分で望んで優等生になったわけじゃないというのが2人を繋ぐ絆となっているね。2人ともクラスで得たポジションに心の安らぎを覚えられていない。だから音声通話空間で誰とも知らぬ相手からの安らぎを求めた。それが千優の側だけヨッシーの正体が桜と知る事で2人の関係はより特徴的なものと成っていくね
通話での相性が良い2人は匿名性や安心感から、対面する関係なら言えないような心の内を話し合っていくね。最初はただの好き嫌い、次第に心の深い部分
デジタル以外での繋がりが無かったらそこで終わる通話。けれど千優の場合はヨッシーが桜と知っている為にクラスにおいても彼女を助け始めるね
けど、そこで邪魔になるのが「無口くん」というクラスのポジション。当初はクラスに迎合する為に受忍した役割を彼は少しずつ打ち破ろうともし始めるわけだ
こういった展開は学生時代にクラスでのポジションを思うように掴めなかった人ほど応援したくなる描写じゃなかろうか
せめて桜の前だけでも無口を辞めようとし始めた千優の在り方はクラスでの桜を助け、そして彼女にとって安らぎと成っていくのは見ていて心地の良い展開。特に遠足のしおりを見ながらの気の抜けた会話は微笑ましいものだったよ
千優と桜はクラスでは全く喋らないまでも、頻繁に通話をしているから阿吽が通じてくる。すると相手に対してどのような返しをすれば互いが気持ち良いかも判ってくる
これってもはや恋人間の遣り取りだよね。ただ、デジタルではただの匿名アカウント同士だし、クラスではただのクラスメイトに過ぎないから発展が難しいだけで
ここに一石を投じるのは桜の方でもムックの正体が千優であると気付き始める流れか
元々桜は千優が自分を人知れず助けてくれた事から気になり始めるのだけど、ムックとの音声通話を心地よく感じるなら千優との遣り取りに心地よさを覚えるのも当然の話で
だから文化祭の出し物案について議論が発生しそうも無かった時に千優が”普段通りの会話”のノリで出し物案を出して、それをクラス全体へと広げたのは彼女にとってとても嬉しい瞬間だったんじゃないかと思えるね
また千優が助けてくれたというだけに留まらず、通話で自分を応援してると言ってくれたムックが千優の姿で誰にも明かせない心の不安に応えてくれたのはクラスの中で安らげる場所を見付けられた瞬間でも有ったような
ラスト、秘密は秘密としたままで。それでも互いに伝わっていると伝え合うような対話はとても素敵なものに思えましたよ……
そういや、この巻は完全に桜がメインヒロインだった為に桜と同じく通話相手でありながら控えに回った印象のある雫と千歳は今後に期待な感じかな
既に恋人を超えて結婚の意思疎通まで出来ていると勘違いしている雫も、なんか通話だとブラックな面が見え隠れしている千歳も、どちらも音声通話での遣り取りと対面での遣り取りが強く結びついていない為にそれぞれの感情は動き出していないように思える。千優の実生活に影響が生じるレベルとなってきた時に2人がどう暴走していくかが気になるね
また、そうなった時に通話でも対面でも強い絆を築きつつある桜がどう思うかも、それが通話にどう反映されるかも気になってしまうかも -
Posted by ブクログ
お酒に纏わる日常の謎ミステリーですね。
作家さんが日本酒の「ききさけ師」の資格を持たれているとの事。お酒の好きな人だと面白い情報を得られます。
短編連作で4話収録されています。
私はお酒が飲めない体質(アルコールアレルギー)なので、お酒は嗜めませんが、お酒を飲む描写は楽しみながら読めました。飲みたい気持ちに浸れます。
お酒の功罪も描かれていますので、お酒との上手なつきあい方も参考になるかな。
物語は普通のサラリーマンの進藤久登が謎解きの依頼を受けて、幼なじみで年上のやはり普通のサラリーマンだが、お酒が大好きな天沢理香が謎解きをする。
特別変わった手法ではないので、お酒に纏わる蘊蓄を面白く読み進めます。ある意味、のんびりと物語を楽しむ作品ですね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ当方、酒は飲まない飲めないが、出てくるお酒は美味しそうだったし、一緒に供される食事も美味しそうで惹かれた。
お酒に詳しくない人でも伝わるような描かれ方がされていたように思う。
お酒に纏わる日常ミステリということで、宴席での遊びやカクテルが持つメッセージなど、お酒ならではの話題の謎解きが興味深かった。
酒が入れば入るほど推理力が増す理香さんがある意味一番の謎だった気が。
後、あれだけ飲んで太らないところとか、金銭面が気になったり。
彼女は彼女で過去にトラウマがあり、純粋にお酒を楽しめないことも。
そんな彼女が最後の依頼では、依頼人と一緒に過去を乗り越えていくような展開だったのが印象的だった。
これからはもっと美味しくお酒飲めるようになるといいなと。
そして、推理力も上がっていくのだろう。
現状が助手な久登くんの出番もますます増えそうだ。