岡部えつのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
タイトルに惹かれ手に取ってみました。
この本は映画化されていたのですね!
大手食品メーカーで課長補佐に昇進した由加利(29)。同棲して5年目になる恋人の桔平(37)が突然倒れた。病院に駆けつけた由加利は、彼の名前、職員証、すべてが嘘だったと知らされて…。
「自分のことをわかってくれる彼が結婚だけは受け入れてくれない」と苛立つ由加利。意識不明になった彼に衝撃を受け「あなたはいったい誰なのか?」「5年間だましていた理由を知りたい」と、彼の正体を追っていく物語です。
岡部えつさんの小説は初めてですが、ストーリー展開、心理描写が上手くほぼ一気読みでした。
新宿の雑踏、夜の渋谷、瀬戸内の島々の景色 -
Posted by ブクログ
有吉佐和子『悪女について』の現代版みたいだ…と思った。自己愛性パーソナリティ障害を深掘りした話。こんな人、確かにいるかもな~と調べたら実際に結構な割合でいるらしい…怖いな。
世の中のモラハラ気質な人、完璧主義な人、自尊心が低いのにプライドが高い人。怖いトモダチ予備軍はたくさんいるかもしれない。
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●はじめに登場人物の紹介ページがあり、
個々のインタビュー形式で話が繋がっていく。
・"中井ルミン"という人物がどんな人なのか?
・心酔している人と、恨んでいる人がいる
・インタビューをしている"わたし"は誰なのか -
Posted by ブクログ
米兵と日本人女性の間に生まれた堤麗子でもあり、アネッタでもあるベルさん。見知らぬ父に大した未練はないけれど、幼い頃のたった数度の短い母との邂逅が心に残っていて70代にして母を探すのに、文筆家でもある著者がつき合う。
ベルさんはもの覚えが悪かったりすぐ怒り出したりするんだけど、それも幼い頃の愛着障害からくるものとの見立て。どれだけ不安定な気持ちを抱えながら独りで長い歳月を生きてきたのだろう。どん底まで堕ちてしまいそうな境遇なのに、それでもストリッパーをやめた後は掃除婦としてほそぼそと生計を立て、50代にして夜間中学に通ったりと、彼女なりに一生懸命に、真っ当に生きてこようとしたことがわかる。でも、 -
Posted by ブクログ
ネタバレP.200“感情のタカリ屋”ってうまい表現だと思った。
さて、私の周りにも自己愛性パーソナリティ障害かな?って人はいる/いた。
子供の頃から社会人になりたては、心かき乱されてメンタル不調になったりもしたけど、周囲の「それおかしいよ」によって気づくことができた。
もうそういう人に当たってしまったら、距離を置くしか方法はない。
こちらの気持ちを理解なんてしてもらえないし、「この人日本語通じてるかしら?」って感じにしかならない。
そのときの気持ちを思い出したりして、読んでぐったりした 笑
本としては、読書した!というよりネット小説な感じかな。
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Posted by ブクログ
中井ルミン、という一人のベストセラー作家に振り回された人々の証言で構成されている。聖女と悪魔。誰に聞くかによって、中井ルミンという女性はまるでちがう人物であるかのような印象を受ける。
が、読者はきっと彼女には騙されないだろう。彼女は自己愛性パーソナリティ障害だ。
自己愛性パーソナリティ障害については元々関心があっていろいろ文献を読んだりしたこともあったので、その特徴や厄介さについてはある程度知識があった。
編集者の倉田理美さんや、文芸教室で小説家を目指す馬場紹子のような、感受性豊かで共感力の高い真面目な人間は彼女に食われて病んでしまうが、堂本江梨のようなミーハーで鈍感で浅はかな人間はきっと手の