戦後100年を見据えて70年目の今、丹下健三の業績を読み解き、今後30年の建築・都市・国土を構想する糧にしようという壮大なビジョンを提起するのが本書。
である故に敢えて戦前のキャリアについては言及せず、丹下健三の戦後の実績を分析し、後半では丹下チルドレン(本書では「丹下学派」として《丹下シューレ》と呼んでいる)の実績を読み解く新書としては充実の1冊。
バブル期の海外の仕事とバブル最後期にあたる東京都庁新庁舎設計、そしてその頃はそれぞれ一人立ちしていた丹下シューレの仕事を概観できて大変興味深かった。