藍川慶次郎のレビュー一覧

  • 薬研堀小町事件帖 冬景色

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    気になるおちかの目の病い

    御殿医を務めたことがある漢方医、賀川玄旭の末娘おちかが、門前の小僧・・・ではないが、父の漢方医の仕事を見よう見まねで習い、女医になった。おちかは父玄旭、次男と一緒に江戸の薬研堀に居を構えている。まだ年若く美しい姿から、世間からは小町娘と噂されるが、本人は目の病を持っている。そんな女医おちかは、病人が出ると、診察に患家を訪れて治療を施して病人を治す話しである。
    患者は花街の女郎や江戸の町人、子どもから立派な旗本の母堂までと、様々である。
    江戸時代も終わりに近づく18世紀の末は、幕府の体制にほころびが目立つようになる。反面、江戸の町人達で中には莫大な財産を築き、武士をも凌ぐ勢いの者が現れるそん

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    2020年12月14日