山野浩一のレビュー一覧

  • 鳥はいまどこを飛ぶか

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    「鳥はいまどこを飛ぶか」
    「消えた街」
    「赤い貨物列車」
    「X電車で行こう」
    「マインド・ウインド」
    「城」
    「カルブ爆撃隊」
    「首狩り」
    「虹の彼女」
    「霧の中の人々」

    大当たり。
    山野浩一の作品は「X電車で行こう」しか読んでいなかったけれど、この短編集を読んで既刊を探そうと思った。
    端的に作風の特徴を言えばカフカ、なのだろうけど、作者独自の思想と筆致が生み出すこの雰囲気は極上。
    現実と非現実、日常と非日常で継ぎ目がないかのごとく移っていく一方で、途中から意外なところに物語が飛んでいく楽しさ。矛盾しそうな二つを達成してると思う。

    どれも面白い。なかでも特に「霧の中の人々」は読書をしていて

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    2013年04月02日
  • 殺人者の空

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    山野浩一傑作選のその2。『鳥はいまどこを飛ぶか』と比べると少し時代が後のものが多いのかな。より思弁的で幻想的な内容ヘとシフトしているのが作風の変化として印象的。収録作だけでなく、その掲載順にも配慮が施されているため、二冊併せて作家・山野浩一ヘの入門編として最適。「あとがき」での著者自身による自作への冷静なツッコミも愉しい。

    「メシメリ街道」、「内宇宙の銀河」、「ザ・クライム(The Crime)」がお気に入り。

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    2011年11月19日
  • 鳥はいまどこを飛ぶか

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    ネタバレ

    んー、なんともシュールっていうか、そんな感じの作風の方でした
    海外SFは良く読んだけど日本はほぼ知らないのよね
    作品の時代設定?っていうか舞台は全編通して40年位前?
    なんか、赤軍とか全学連とかそんな感じ
    教科書とかに載ってる安田講堂の立てこもりを思い出しながら読んだw
    映像とかでしか知らないからなんとなーく、新しい?っていうか、新しくはないんだけど…物珍しい感じ?

    「鳥はいまどこを飛ぶのか」
    a~lまでどの順番でも良いと言うので適当に2回位読んだ
    本当に並行世界を渡る鳥に導かれたような印象。

    「消えた街」
    街っていうかマンション群が異空間に放り出され、外の人にはみえないが住人には存在し続

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    2011年12月08日
  • 鳥はいまどこを飛ぶか

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    ’60年〜’70年代に発表された作品群のためか、背景描写等に多少の古さは感じられるものの、その実験的なスタイルやアイデアにはむしろ新鮮さを感じる。全編を通してシュールさの中に虚無感が感じられるのも興味深い。
    お気に入りは、表題作、「X電車で行こう」、「カルブ爆撃隊」、「首狩り」かな。

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    2011年11月17日
  • 鳥はいまどこを飛ぶか

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    おすすめされて読んだはじめましての作家さん。
    おお…と思うお話もあれば、「???」となるお話も多く、あまりピンときませんでした。
    「消えた街」「赤い貨物列車」「X列車で行こう」が面白かった。ドイツ連邦鉄道の特急がくるの良かったな〜見えない団地や電車も好きな世界です。
    「マインド・ウインド」「カルブ爆撃隊」「霧の中の人々」は苦手な方の不条理劇…不憫になります。でも、真性マインド・ウインドが福岡市の大濠公園から西に向かって行進してたのは面白かった。唐突に土地勘バリバリある場所、村上龍「半島へ出よ」エリアです。

    著者による唐がらしマーク、少ないものが好きで多いものが苦手とわかりやすく分かれてました

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    2024年11月07日
  • 鳥はいまどこを飛ぶか

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    内容紹介

    この小説は、最初の二節と最終の二節以外のaからlの配列を任意に変更して読んで下さって結構です──各章の間を自由に飛翔する鳥を追うことで無数の物語展開を体験できる表題作の他、三島由紀夫・寺山修司らに高く評価された「X電車で行こう」、単行本未収録作品「内宇宙の銀河」など全9 編を収める。サンリオSF文庫創刊から先鋭的なSFや前衛文学の紹介に尽力し、創作・評論両面で輝かしい軌跡を残した巨人による幻の傑作群。

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    初期の筒井康隆のようなシュールさとペーソスまみれのユーモアを感じる逸品集。

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    2013年05月05日
  • 鳥はいまどこを飛ぶか

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     SF短編集。表題作の「鳥はいまどこを飛ぶか」が、一番印象が強かった。話を切り分け、時間も空間もバラバラに配置したという、実験作的な趣のつよい作品だが、それが独特な世界を形作っており、四十年も前の作品とは思えない新鮮な気持ちで読む事が出来た。
     現実から一歩だけ離れた世界を描いており、なんだか霧の中を歩くような、煙に巻いたような話が多い。面白い、とははっきり言えないものの、斬新な話が並んでいるように思えた。

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    2012年10月15日