ネアンデルタール人が、ネアンデル峡谷(タール)で発見されたということぐらいしか知識がなかので、発見地が石灰岩の採掘場で跡かたもなく破壊されていたこと等は本書で初めて知りました。以前、たまたま石灰岩の採掘抗を見学する機会があったため、現地の地形などの説明がよく理解できました。19世紀に発掘されたネアンデルタール人の骨に接合する部分が、発見地が破壊され場所の特定ができなくなったにもかかわらず、20世紀末に再発見される経緯には、まさに題名のとおりの奇跡を感じました。関連する情報や知識も多く、図版も豊富に掲載されており、楽しく読めました。