スーザンヒルのレビュー一覧

  • 黒衣の女 ある亡霊の物語〔新装版〕

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    正統派イギリスホラーのお手本のようなストーリー運び。王道のド真ん中を行きすぎて、先が読めてしまうのだが、それでも言葉による雰囲気作りは超一級・・・ストーリーのプロットそのものに新鮮味はないけれど、丁寧な情景描写と心理描写の積み重ねで、ゆっくりと読み手に恐怖を味わわせる。

    訳者は英文学翻訳の世界では大御所の河野一郎先生。あとがきも研究者ならではの考察がなされていて一読すべし。

    ・・・犬のスパイダーが可愛かったです(笑

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    2014年12月11日
  • 黒衣の女 ある亡霊の物語〔新装版〕

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    ゴシック小説。ドラブロウ婦人の住んでいた館に赴く主人公。その館は満ち潮のときに孤立する、湖沼地帯にある。ひいたときに通ることのできる(九死人の土手道)。館に現れる、黒衣の女。霧のイギリスのイメージが良く出ていた。味わい深い作品。最後の驚きもまた怖い。面白かったです。犬のスパイダーがいい味出してます。

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    2012年10月28日
  • 黒衣の女 ある亡霊の物語〔新装版〕

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    構成がうまいなー。
    まず、明るい
    幸せな日常を描くことで
    次にくる闇が余計に
    暗く、深く、濃く感じる。
    コントラストが効いている。
    小さな恐怖の種を散りばめ
    何かありそう
    そうならないで欲しい
    これだけじゃないはず
    とあえて予感させ
    展開を想像させることで
    じわじわと締めつけてくる。
    そして主人公と同様
    恐怖の館の秘密へと
    どんどん引き摺りこまれてしまう。

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    2024年03月13日
  • 黒衣の女 ある亡霊の物語〔新装版〕

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    たいした心境の変化など無いのだが、最近はホラー/幻想小説に以前よりも手を伸ばすようになった。他のジャンルに比べてさほど読んでこなかったこともあるが、ラヴクラフトの箴言「最も起源が古く、 最も強烈な感情である恐怖」を主題とする小説の真髄に、あらためて触れておきたいという気持ちが強い。ただし、作家の技倆が如実に表れるジャンルのため、つまらない作品もひときわ目立つ。結局のところ、プロットよりも、単に文章/描写が駄目なことが多い。恐怖心を煽るためには、イメージを喚起する的確な語彙と優れた表現力が必要だ。
    つまりは、語り口なのである。日本古来の伝承文学ともいえる怪談は、今も夏の風物詩として子どもから大人

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    2019年10月05日
  • 黒衣の女 ある亡霊の物語〔新装版〕

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    好きな俳優さんがこちらが原作のお芝居をすると言う事で購入。結局お芝居は見に行く事は出来ませんでしたがどの様な舞台になるのか想像しながらじっとりとした気持ちで最後まで読みました。

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    2016年04月08日
  • 黒衣の女 ある亡霊の物語〔新装版〕

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    沼地に孤立した館で遺産整理にあたる青年を襲う恐怖を描く、英国ホラーの名作。昔語りの設定は今では目新しくもないけど、いい味ですな。ラドクリフ主演で映画化するそうなので読みなおしてみますた。

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    2014年06月30日
  • 黒衣の女 ある亡霊の物語〔新装版〕

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    上質の英国ゴシックホラー小説。
    描かれる世界は繊細で叙情的で、
    凄惨な美しさが漂う。
    そう、この物語をもとに、
    いくつもの印象的な名画を生み出せそうな…。
    ゴシックホラー好きにはたまらない、
    いかにも、な設定を踏みつつも、
    その「いかにも」の質が良いために、
    かえって斬新な気持ちを抱かせてくれる。
    ひたひたと迫る恐怖、
    少しずつベールが剥がされていく謎、
    主人公の感情の波、
    そのどれを取っても申し分ない。

    秀逸なのは、まずは、明と暗のコントラストの書き分け。
    これ以上ないくらいに安心できるシチュエーションを用意しておきながら、
    次の瞬間にどん底に叩き落とす手腕はたいしたもの。
    全体に対してだ

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    2014年01月06日
  • 黒衣の女 ある亡霊の物語〔新装版〕

    ネタバレ 購入済み

    後味 わる!

    館物のホラー小説 ホラー小説やホラー映画のお決まり 最後 解決したかと思わせといての ラストビビりもあり ただし 後味悪!

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    2022年01月15日
  • 黒衣の女 ある亡霊の物語〔新装版〕

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    ネタバレ

    日本のホラーとは根本的に「恐怖」の質が違う。風土や風習、信仰が違うせいなのか、描写そのものにはまったく怖さを感じなかった。映像で観た方が怖さを感じるかもしれない。ラストシーンは怖いというより「厭」な後味だった。このラストシーンに至るまでが物足りない分、最後の衝撃は大きい。

    堂々と教会に出入りしたり別のエリアに出没したりと既存の幽霊枠に収まらない負のパワーは、教会も勝てずに未来永劫残りそう。あの後も続いたのだろうか?
    「げに深きは母の愛」か「凄まじき女の執念」か…。

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    2015年07月25日
  • 黒衣の女 ある亡霊の物語〔新装版〕

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    外国のホラーというと、超常現象的な、因果のハッキリしないものが多いイメージだけれど、こちらは幽霊の身元(?)がはっきりしています。

    ゾクゾクするような恐怖はないが、イギリス片田舎の陰鬱な雰囲気とともに、忍び寄るような怖さがある。

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    2013年01月10日
  • 黒衣の女 ある亡霊の物語〔新装版〕

    Posted by ブクログ

    書類整理の仕事で古い館にやってきた若手弁護士の体験する恐怖を描くホラー。

    雰囲気といい舞台設定といい周りの自然描写といいまさに正統派のホラーという感じがします。いい意味で古臭い感じがします。

    たぶん雰囲気を格段に盛り上げてラストの章につなげたかったのだと思うのですが、オチが読めてしまったためあまり恐怖はなかったかなあ。もちろん先が読めていても「うわあ!やっぱり……」となる作品もあるのですが、読む前にハードルを上げすぎたためか、途中までの盛り上がりの場面でもあまり怖さを感じられず、それを最後まで引きずってしまった感じがありました。

    でもやはり雰囲気作りは抜群だったので、フラットな目で見れば

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    2012年12月05日