五来重のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
原始信仰、神道、仏教、その他派生した信仰を詳しく解説しながら、仏教がいかに日本に広まり、なぜ定着したのか、なぜ日本人に受け入れられたのかを解説する。仏教の布教の特徴(既存の信仰や習俗に合わせる)やベースとなる土壌(古くからある習俗、信仰、儀礼)を予備知識のない人にもわかりやすく説明している。
文章は読みやすく、量も文庫でちょうど良い。しかし内容がしっかり盛り沢山なので、一度読んだ後他の本や資料で知識をつけた後で再読するとさらに吸収できるかもしれない。
霊魂観
古代あるいは庶民は死というものは「集団のなかのひとりのの死」と捉えられる。現代の個人の死のように寂しさ懐かしさの対象だけではなく、恐ろ -
Posted by ブクログ
山岳信仰についてチョット興味があり、非常に軽い気持ちで購入してみた。が、わりと難しい語句が並んでおり、宗教や歴史の予備知識に乏しい自分にとっては、少し難しい読書となった。
古来日本では山に登ってはいけないという、暗黙のルールがあったそうだ。それは大昔の日本人が、亡くなった人を山の中の洞窟などに置いて、風葬をしていた事に由来するらしい。
そのうち仏教や神道が普及し始め、元々その地に残っていた風習などと重なり、山岳信仰として発展していった。
たしかそんな内容だったと思う・・・
写経の墨に使う水は山の池から汲んでいたとか、曼荼羅は宣伝に使われていたなど興味深い考察もあり、少し勉強してからもう一 -
Posted by ブクログ
予備知識も何もない状態でとりあえず読み終えた今の理解、
⑴ 熊野は古くから葬送において独特で、天皇家が火葬を採用してひろまるまでは墳墓がほとんどなく、風葬・鳥葬がとりわけ発達していた。
⑵ 人の死骸を啄み、空高く舞い上がる烏を、おそらく古代の人は天の使いのようにみた。熊野ではこれがとりわけ発達していた為に、烏と熊野の印象的な結びつきがうまれた。
⑶ 熊野では、自らの両足を縄でしばり、崖淵に結びつけて跳び下り、宙吊りで果てるという変わった自殺方法をとる信仰が古くからあり、現世で苦しめば苦しむだけ来世では安楽が得られるという信仰もあって、聖が同様の自殺、もとい、捨身をすることもしばしばあった。
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Posted by ブクログ
その国の文化や価値観を知りたいと思った時に、死生観や、それに基づく葬儀の方法などは、とても興味深い指標になる。日本で火葬が普及する以前は、風葬(特定の場所に置いて風化させる方法)や水葬(船や桶のようなものに入れて川や海に流す)やり方が一般的だったらしい。死者は穢れたものとされ、死亡して間も無くは祟るものとして避けられていた。安置された遺体が白骨化することで穢れがなくなったと解釈されるが、そのための必要な期間が約2年でこれは仏教の3回忌にあたる。それまでは遺体の周りに枝を払った木を植えたり、草で覆い隠したらしいが、これを青山というらしい。なるほど。死を語ることは多くはないが、文化の理解としては非
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Posted by ブクログ
複数の論考や講義録を併せて『日本人の死生観』と題したもの。著者の研究が仏教研究から出発していることに留意すると分かりやすい。
以下要点を箇条書きで。ネタバレ注意(?)
・死後の世界=他界 現世の延長・投影 死者の国
山/海・島(常世、理想郷でそこでは歳を取らない)がのちの浄土観念や聖地・霊場形成の基底にある 例: 水葬、風葬、→恐山、熊野、補陀落渡海
正者の国と水平的に観念される場合が多い
・怨霊→和魂/荒神など→神・仏
罪・肉体そのものの穢れが清まらないうちは、死者の霊は荒魂であり、怨霊であるので封じ込めることが葬制・墓制の根本となる 例: 結界、両墓制、トーバ、サンマイ
祭らな