あるグループの歌にリルケという詩人の名が出てきて頭の隅にしばらく残っていた。
その矢先、ふと観に行った貴婦人と一角獣のタペストリーの紹介でこの本の引用がなされていた。
こういう同時性で作家に引き寄せられるのもありだと思う。
マルテという作家(実在のモデルあり)を主人公に描かれている話であるが、
...続きを読む貴婦人と一角獣の様に様々な引用がなされており、
そこから感じられる心象風景からリルケ自身の姿が見えてくるメタ的な感覚を受けた。
手記というだけあって、日常の景色が様々に移り変わっていくため、
難解ではあるが、これは印象派の絵画の様に言葉の流れを感じ取っていくものなのだろう。
冒頭で詩人というのは人生の積み重ねという趣旨の内容があった。複雑な人生が深みを生み出していく。