松沢成文のレビュー一覧
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教養として知っておきたい二宮尊徳 日本的成功哲学の本質は何か
著:松沢 成文
二宮尊徳は、自らの実践を通じて「至誠」「勤労」「分度」「推譲」「積小為大」「一円融合」などの改革理念や思想哲学を生み出し、人びとを導いてきた。これらの教えは、日本人の社会規範や道徳としての精神的価値の基盤になっているといっても過言ではない。尊徳ほど、独創的な考え方や創造的な生き方を通じて社会を変革した人はいない。
尊徳の生き様や思想を学ぶことは、混迷を続ける世相のなか、私たちが日常の家庭や職場、地域社会で生きていくうえで、あるいは日本や国際社会にとっても、有益な指針を得ることになるはずである。
本書の構成は以 -
Posted by ブクログ
二宮尊徳といえば、名前だけはよく知られている人物ながら、「銅像の人」「勤勉・苦学の人」くらいのイメージしかなかった。
報徳思想が多くの人に影響を与えたり、財政再建で実績を残したりといった部分は確かに凄い。しかし、個人的に感銘を受けたのは、実務家として民衆を動かす手腕に優れていた点だ。
人々を動かすには、人的魅力(か恐怖)に頼るケースも多いが、尊徳の場合は人望に加えて、やる気を引き出す技術に優れていたようだ。いま風にいう「ナッジ」の要素も入っていたりして。
「経済を伴わない道徳は戯言であり、道徳を伴わない経済は罪悪である」という「道徳経済一元論」は今でも通用するというか、今こそ大事にしたい