松沢成文のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
教養として知っておきたい二宮尊徳 日本的成功哲学の本質は何か
著:松沢 成文
二宮尊徳は、自らの実践を通じて「至誠」「勤労」「分度」「推譲」「積小為大」「一円融合」などの改革理念や思想哲学を生み出し、人びとを導いてきた。これらの教えは、日本人の社会規範や道徳としての精神的価値の基盤になっているといっても過言ではない。尊徳ほど、独創的な考え方や創造的な生き方を通じて社会を変革した人はいない。
尊徳の生き様や思想を学ぶことは、混迷を続ける世相のなか、私たちが日常の家庭や職場、地域社会で生きていくうえで、あるいは日本や国際社会にとっても、有益な指針を得ることになるはずである。
本書の構成は以下の8章から構成されている。
①困苦のなかからつかんだ成功哲学の萌芽
②「心」の荒廃を変えねば再建はならない
③各地に広がり受け継がれてゆく報徳仕法
④報徳思想 二宮尊徳の成功哲学の神髄
⑤実践で培い、発揮した七つの力
⑥思想の系譜 尊徳の思想はいかに継承されたか
⑦尊徳を師と仰いだ日本資本主義の立役者たち
⑧現代に受け継がれ、世界に広がる報徳思想
日本人が昔から大切にすべき倫理感や道徳の本質を濃縮した日本人の魂について尊徳は人に伝え、そして実践している。現場主義を大切にし、大きなことを成し遂げるために、地道に目の前の今にもしっかりと注目し、現場に即した実践を長い視点、広い視点から先頭に立ち行動している。
現代のような不安定な世の中だからこそ、大切にすべき大和魂のような忘れてはいけない思いが詰まっている。
その中においても2章に紹介されている「心」の荒廃を変えねば再建はならないについては「努力→成功→幸せ」と言った古い考えではなく「幸せ→努力→成功」といった科学的な根拠で成り立つ考えが取り入れてあったり、どこか今注目されている「purposeマネジメント」の要素を感じたりもする。
古いようで新しい、時代が変わってもマネジメントの本質は変わっていないことを立証されている。
「遠くをはかる者は富み、近くをはかる者は貧す」
座右の銘のひとつとして胸に刻み込み行動していきたい。 -
Posted by ブクログ
二宮尊徳といえば、名前だけはよく知られている人物ながら、「銅像の人」「勤勉・苦学の人」くらいのイメージしかなかった。
報徳思想が多くの人に影響を与えたり、財政再建で実績を残したりといった部分は確かに凄い。しかし、個人的に感銘を受けたのは、実務家として民衆を動かす手腕に優れていた点だ。
人々を動かすには、人的魅力(か恐怖)に頼るケースも多いが、尊徳の場合は人望に加えて、やる気を引き出す技術に優れていたようだ。いま風にいう「ナッジ」の要素も入っていたりして。
「経済を伴わない道徳は戯言であり、道徳を伴わない経済は罪悪である」という「道徳経済一元論」は今でも通用するというか、今こそ大事にしたい考え方だ。
「立派な墓なんて残すんじゃない」みたいなことを遺言として残したのに、あちこちに墓ができたり、日本中に銅像ができたのは本人にも想定外だったのかも。私にとっての想定外は著者だったけど 笑。