小野幸惠のレビュー一覧

  • 週刊誌記者 近松門左衛門 最新現代語訳で読む「曽根崎心中」「女殺油地獄」

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    近松門左衛門といえば、「日本のシェイクスピア」とも称される江戸期の戯作者である。
    浄瑠璃・歌舞伎の作品を数多く書き上げ、現在でも上演されるものも数多い。
    本書はその近松の代表作「曽根崎心中」と「女殺油地獄」の現代語訳を主軸とし、謎多き近松の人物像や、演者から見た近松作品解釈も添える。
    訳はフリー編集者として古典芸能を中心に舞台芸術関連書籍の編集や執筆に携わる小野幸惠。監修は近世演劇が専門の鳥越文蔵。
    帯の「近松の全貌と魅力がこの一冊でわかる」は少し威勢がよすぎる印象だが、「近松を現代人にも読んでもらいたい」とする著者の意図は十分伝わる、良質の入門書だと思う。

    個人的に心中物にはあまり興味が持

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    2017年05月17日
  • 週刊誌記者 近松門左衛門 最新現代語訳で読む「曽根崎心中」「女殺油地獄」

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    近松門左衛門は作家というよりも現代の週刊誌記者のような存在だったという説で始まる新書。
    メディアが限られていた江戸時代において浄瑠璃は、いち早く話題の事件を舞台化し知らしめる週刊誌(と言うより再現フィルム)の様な役割を果たしていた。ネットもテレビもないんだから、話題の事件が舞台化されればそりゃ見たくなるよね。そんな中近松は、週刊誌の敏腕記者よろしく殺人事件や心中事件を聞きつけると早駕籠で現場に駆けつけて取材したと言う。
    詳細な設定、名調子で語られる近松作の浄瑠璃は大ヒットし、世間では模倣した心中事件が流行、時の将軍吉宗は心中物の上演や出版を禁じた。

    本作は近松本人の取材姿勢や思想などを取り上

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    2025年03月29日
  • 週刊誌記者 近松門左衛門 最新現代語訳で読む「曽根崎心中」「女殺油地獄」

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    内容(「BOOK」データベースより)
    「日本のシェイクスピア」「作者の氏神」と讃えられる近松門左衛門。その実像は、事件と聞けば現場に駕籠で駆けつける、今でいえば週刊誌のエース記者のような存在だった。なぜ近松はいつも新しいのか?日本人なら押さえておきたい人気の二作品で俗の極致に酔う。

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    2023年04月15日