永井陽右のレビュー一覧
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共感、は自分と同じ側の人にしか抱かないもの。という危険性。
それでも、共感は社会に必要だから、共感の負の側面を理解して自覚する必要がある。
"私たちは同じ"という理解が根底にあるから、同じでない人への差別や対立が生まれていく。
「多様性を作っていかなければならない!だから多様性を認めない人はありえないし認めない!」というように
メモ
共感(sympathy)と同情(empathy)
共感は相手の考えを憶測し共に思うことで、同情は相手の痛みを同じように感じること
ex)攻撃されているAがいるとして、攻撃相手への憎悪をAと共に思うことは共感。シンプルにAと同じように痛い, -
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ネタバレこれを読もうと思ったのは、
数か月前から起こっていた性加害のニュースを見て。
私はKinKiKidsのファンなのですが、
とても心が痛くて辛い数か月でした。苦笑
SNSを開けば罵詈雑言の嵐で、
人を傷つけるだけの鋭い言葉や
それぞれの立場からの
憎悪、悪意が見えるような数十文字の言葉たちが。
見てるだけで苦しくなって
落ち込むのはわかっているけれど、
見るのをやめられなかったり、目を逸らせなかったり。
そこで積読の中から本書を手に取りました。
タイトル通り、
誰かの言葉や空気が
人を煽動する力について
永井さんの考えを聞きたくなりました。
結果、付箋だらけの一冊に。苦笑
(私は本に直接 -
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国同士の争いだけではなく、
とても海がきれいな国の中で、
自爆テロがあり、内戦がある。
比類なき悲劇と言われるソマリア。
帯にある、
「武装解除プログラムが通用しない、
現代的なテロ組織に真正面から挑む。」
という言葉が残ります。
私自身は内向的で、犬を飼っていることもあり、
世界を飛び回っている人が見たもの感じたことを教えてくれる旅行記や本が大好きです。
そんななか、戦争のことを考えたり、
他国のことを知りたいと思ったときに
著者を知りました。
大学生時代に団体を設立、
現在はテロ組織戦闘員の投稿兵の受け入れと、
脱過激化と社会復帰を目指すリハビリテーション施設を開設、支援を行っ -
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共感とは『認知的共感』と『情動的共感』に分かれる。
認知的共感…相手の思考や感情を理性的に正確に理解しようとするもの。意識的にある程度はオンオフの切り替えができる。
情動的共感…相手の思考や感情を自分の感覚として感じること。無意識に出てしまうものであり、オンオフの切り替えが難しい。
この2つの機能がお互いに補完し合っており、私たち人間は他者や社会と共存している。
SNSの世界では、フォロワーやいいねといったある種の共感ボタンが数字化される事により、他者と自分との比較を無意識に強いらる。
承認要求を高める仕様が満載な世界となっており、多くの人がそこで苦しみ悩んでいる。
共感されたい、共感した -
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関テレの特番で著者が出演されていて、活動のことを知り、本を読んでみました。
支援活動の経験がない上に英語力もない大学1年生。世界最悪の紛争地のひとつであるソマリアの人々を助けたいという気持ちだけで、NGOを立ち上げ活動を始めます。
著者たちのの日本のNGO、ナイロビのソマリア系NGO、ナイロビのソマリア難民ギャングたち若い世代が協力し、ナイロビのソマリア難民ギャングの積極的社会復帰のプラグラムを実施するまでの過程が書かれています。
動機が純粋であるからこそ、それが原動力になるのかな、と思います。役割分担がきちんとしているところに、組織を運営していく強い意志を感じました。
ソマリアの情勢は -
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アクセプト・インターナショナル代表
投降兵の社会復帰プログラム カウンセリング 基礎教育 職業訓練 施設運営
解決への対話できない現代テロ組織 解決方法がない
紛争の最前線に出向く 若者を生まれ変わらせ、社会の主体者へ導く
読み書きからの基礎とイスラム再教育
中央政府と政府軍とも連携
アル・シャバーブ ソマリアを拠点とするアルカイダ系列テロ組織
2011年9月 大学一年で日本ソマリア青年機構 立上げ
ソマリアを知る、戦争孤児受入れ、サッカー用品送付
同年代のソマリアギャングとの交流 ギャング組織を解散に
2015年 イギリスの大学院へ 紛争解決や和平構築
干ばつか -
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現代の共感を題材に、ということだったのでてっきりSNSなどをもとに若者のいきすぎた共感を考察するような内容かと早とちり。
読み終わってみると、紛争解決に携わる方が書いていることもあり、共感は共感されない弱者を生んでしまうので、そんな人たちを救うには?という内容が全体を通して書かれている、ように個人的には感じた。
共感という病、というよりは共感の落とし穴、共感からあぶれてしまうもの、に焦点を当てたような印象。
個人的には読みたかった内容とは違ったけれど、対談は結構興味深かった。
デブでハゲで金のないおっさん、という共感されない人像は非常にわかりやすいが、そういう押し方をするとデブでハゲで金のない -
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ソマリアの紛争遺児が同じ大学にいる、という情報だけを頼りに、彼らを教室で待ち伏せして、いきなり「一緒にソマリアを救おう!」と持ち掛けたところまで読んで、なんという破天荒なお調子者!!と、思わずプププと笑ってしまった。
そのお調子者な印象は読み終わった今も変わらないけれど、でも、心から尊敬した。
「ソマリアを助けなきゃ―!」という思いは、最初は「なんと単純な・・・」と半ばあきれたけれど、誰がなんと言おうとそのシンプルな思いをそのままをずっと持ち続けているところは本当に稀有な人だと思った。世の常として、問題が複雑であればあるほど、当初のシンプルな思いというのは、忘れられがちになるものなんだけれ