元少年Aのレビュー一覧

  • 絶歌
    この本に評価を付けるというのは大変難しい。


    文章として、とても美しく心打たれた部分が何箇所かあった。

    p.118「『自分の息子だから』と、ただそれだけの理由で、僕を愛さなくてはならないのだと自分自身に言い聞かせるように、僕の写真を肌身離さず持ち歩く、罪なほど生真面目な父親が、悲しかった」

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  • 絶歌
    両親が書いた「少年A」に続き、少年Aの手記。読む前は一定数いる産まれながらのサイコパスかと思っていたが、キラーになる迄が書かれていてイメージが変わった。祖母の死を経て悪魔の作られていく様。多少の美化を差し引いて読もうとするが、読ませる内容。少年Aの心の叫びが胸に刺さる。表現者なのだなと感じる。
    出所...続きを読む
  • 絶歌
    日本で大きな影響を及ぼした事件の犯人が本を書くなんてなかなか聞いたことなかったので当時学校帰って発売日に書店に行った思い出。
    本人の人間性と芸事は関係ないと考えてるのでいるので文章力すごいなあと純粋に思った。
    厨二的思考と精神異常が混在してて不気味だった。
  • 絶歌
    これほどまでに読み手の感情の置き場所を迷わせる本があるだろうか。
    純粋に本の感想を書くと、とにかく文章が美しい。
    この文を本当に本人が書いたのなら相当読書家だし、頭も良い。
    ライターが代わりに書いたのかと思ったけど、文章の随所随所に独特の自己陶酔感が滲み出てるから、ご本人が書いたんだなと思ってる。
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  • 絶歌

    普通の顔

    少なからずショックだったのは、彼に人を思いやる心があり、殺人鬼のモンスターの顔は一側面に過ぎないということ。寮母さんの誘いを、断っては悪いからと了承するシーン。ペアを組んだバイト少年のフォローを感謝するシーン。里親さんの信頼に驚くシーン。部分的に切り取れば、真面目すぎるだけの不器用なただの青年に思え...続きを読む
  • 絶歌
    少年Aがしたこと、遺族に許可も取らずに出版したこと、反省の色があまり見えないこと、つらつらと事実だけを書き連ねて、自分のはっきりとした心情描写が感じられないこと、色々問題に挙がることは多い。けれど、平成の時代を揺るがした凶悪な未成年犯罪の事実は、決して忘れ去られてはいけない過去だし、この事件のことを...続きを読む
  • 絶歌

    寂しさと悲しさが人を狂わせる

    内向的で繊細で、親と相性がよくなくて
    居場所や心のよりどころ、安らぎやほっとすること
    自分でもどうにもならない、抱えきれない気持ちが
    溢れ出して狂気が生まれる

    やったことは、世紀のサイコキラーだけど
    だれもが共感する部分もある
  • 絶歌

    絶歌を読んで

     元少年Aさん あの当時あなたも何かの被害者だったのですか。性的サディズムに関して私は分かりませんが。同じ人間が数年でこんな感情がもてるはずはない、生まれ持った何かではなく、Aさん自身がその時代何かの影響を受けてしまった被害者だと。
    そして凡人では描けない文章力を持ち、、
    取り返しのつかないことをし...続きを読む
  • 絶歌
    殺傷中の描写があれだけ生々しく書かれていながら、最後の方は罪の意識に駆られ胸を痛めているのが、同じ人間だと思えない。彼が自身で書いていたように、私達は彼のことを【人間的な感情のかけらもない、不気味でおどろおどろしいモンスター】だと思っている。だからこそ、こんな事件が起こせるんだ。自分には到底理解ので...続きを読む
  • 絶歌
    出版されてすぐ購入しました。
    文才がある。頭が良い。
    まず、憲法が存在する限り、本著は賛否両論。

    切なくなった苦しくなった。
    正直、本著を読んで、少年法の意義を見出してしまった。これが少年法が存在する意味なのかも知れない、と。今まで自分は何も知らなかったのだな、と。

    少年法廃止を望む人の中には、...続きを読む
  • 絶歌

    良かったです。

    とてもよかったです。
    あの悲惨な事件を起こした元少年Aが更生するなど思ってもみなかったです。
  • 絶歌
    文章は思っていたよりも読みやすく、一晩で読み終えてしまった一冊。
    加害被害のどちらでも無い自分はあくまでも フィンクションの様なノンフィクションを咀嚼するイチ読者でしかないと改めて感じた。
    高尚な学びが得られるわけでもないが、悪影響と呼ぶほどの影響力も無いとも思う。
    越えられない境界線が筆者と自分に...続きを読む
  • 絶歌
    すごく評価が低い。

    本を評価するこの媒体で、読む価値がないと言われて2.88。

    書いてる人が世間を震撼させた『元少年A』だから?

    私はそれが一番悲しいなと思ってしまった。

    断っておくが、少年Aがやったことを肯定するつもりは一切ないしどんな理由であれ人を殺すのはよくない。喧嘩とか怨恨とか痴情の...続きを読む
  • 絶歌

    人を殺した時の思いや心境が生々しく感じられて良かった
    人を殺った側の意見はあまり聞かないからこそ新鮮で面白かった

    ただ猫好きや殺人者が少しでも嫌いな場合読むのは進めない

    ついでに
    元少年Aの母の手記
    〜少年Aこの子を産んで〜や被害者土師淳くんの父守さんが書いた 淳 を一緒に読んでみても面白...続きを読む
  • 絶歌

    興味深かった

    文章力がとても高く、読みやすかった
  • 絶歌
    生々しかった、恐ろしかった、言葉や行動すべてが。人を殺めてしまう人の心理ってこんな感じなのか。出会えてよかった、読めてよかった、とは決して思えないけど、読んでおく必要があったのかなと思う。


    p.49 僕は強いストレスを感じるとよく熱を出したり、肌が荒れたりする。普段から表に感情を表さないせい...続きを読む
  • 絶歌
    感想を書くと批難がありそうだから
    悩んだけど伝えたいと思ったので書きます

    第三者だから読めたのですが
    正直私はこんなにも当事者の言葉で伝えられる日が来るとはおもってなかったので生々しい言葉がすごく刺さりました。

    心の感じとり方って制御出来ないししょうがないし
    する必要性はあまりないと思う私にとっ...続きを読む
  • 絶歌
    この本がフィクションなら良かったのに。

    本を通して、作者は他者への共感力思いやりがなく、ナルシズムが強いことがわかるけど、その責任が本人にあるのかと問われたら、わからない。
    人を殺すことで快感を得るのも、本人がいけないのか、わからない。
    いろいろ考えさせられる。
  • 絶歌
    酸素のないニュータウン、息苦しさがありありと伝わる文章。
    特に前半の漢字の多さに、この人がどれだけの言葉を持てば自分の世界を表現できるのか悶えながら語彙を獲得した過程がみれる。そうした「小難しい熟語」の羅列は、主に風景描写のみだ。対して彼の内面は、分かりやすいほど純真な語句で完結している。

    事件に...続きを読む
  • 絶歌
    絶対に読まないであろう本を敢えて読むと脳が活性化されると聞いたので砂を食べるような心持ちでこの本を読んだ。
    結論から言うと面白かった、と言うよりすごく印象に残った。印象に残ったと言う意味では今年読んだ本の中では一番かも知れない。
    少年Aの家庭がとても暖かだったのは意外。
    うちの両親や兄弟よりよっぽど...続きを読む