清永聡のレビュー一覧
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ネタバレとてもたくさんのことを考えさせられる作品だった。例えば、翼賛選挙に協力した人たちが口にした「戦争に勝つために挙国一致体制を推進することの何がいけないのか」という言葉が印象的だった。戦時中には戦争に勝つという絶対的な目的がある中で、強引で非人道的な手段がとられることも多々ある。そして、そういった行為は「お国のために」という言葉で正当化され、美化される。しかし、当事者の人々、特に一般の国民はそれが良いことであると信じて行っており、一方的に悪いことだと決めつけることもできないため、私の中で考えがまとまらずにいた。そんな中で終盤に吉田久が述べた「世が混乱している時にこそ毅然と法律を示すのが法律家の仕事
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Posted by ブクログ
[ 内容 ]
吉田久、命がけで東條英機と闘った裁判官-。
政府に非協力的な国会議員を排除する意図があったとされる「翼賛選挙」では、聖戦遂行の美名の下、国民の投票の自由を実質的に奪う露骨な選挙妨害が行われた。
他の選挙無効の訴えが退けられる中、吉田は特高の監視や政府からの圧力に負けず、戦時中に唯一の「選挙無効」判決を下す。
これまでほとんど知られることのなかった気骨ある判決と孤高の裁判官の生涯を追う。
[ 目次 ]
第1章 「こんな選挙が、許せるか!」(シャンデリアの「伝説」 反対の声の出ない議会 妨害と干渉の翼賛選挙 怒りの提訴 異例の裁判官会議 たたきあげの裁判官)
第2章 「わたしは、死 -
Posted by ブクログ
政府に非協力的な国会議員を排除するために行われたのが、国の方針に全員一致で賛成する議会を構成するための「翼賛選挙」であった。 行政・立法が一体となってアメリカとの戦争準備を進め、司法府にも圧力がかかる。 その中で、旧憲法が保証した選挙権と司法の独立のために戦った判事・吉田久の話。
「猫の目のように移り変わっていく政治」に、司法は追随してはならない。政治が国民の人気や熱狂に裏づけられる以上、状況を静観するバランサーは必要不可欠になる。その役目を果たすのが、司法府であったり官僚であったりする。「世論」「政権支持率」が頻繁に取り上げられるようになったが、時局、世論が必ずしも最重要視されるべきでは