此本臣吾のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレデジタル革命による資本主義の常識の変化について描いた一冊。デジタルを技術面ではなく、経済社会歴史の側面から分析し、将来について論じている。
シンクタンクの本だけあり、データ豊富で示唆も豊富である。
構造的な分析もありおもしろい。
メモ
・シェアエコ は投資抑制、雇用抑制的な部分がある。
・日本、直近は人口減だが一人当たりGDPは増えている。
・海外と比較し、日本のみ労働生産性上昇に対して賃金が上昇していない。非正規雇用などの雇用シフトや自動化投資への偏重などが原因か。
・デジタルによって引き起こされた経済のピンボケ。
・資本主義とは差異の発見活用創出を通じて利潤を獲得し、資本の永続的な蓄積を追求するシステム。
・デジタルにおいても、時間、こだわり、信頼のようなものはコピーできず希少性を持ち続けるはず。
・生産者余剰はGDPに換算されるが、消費者余剰は換算されないのがGDPが伸びない大きな理由。
・従来のイノベーションは需要が伸びることで限界費用が小さくなっていたが、デジタルディスラプションでは限界費用のみが劇的に下がり、消費者余剰のみが増大する構造になっている。
・シェアエコ と相性がいいのは資産の価値が高い✖️使用頻度低いもの。
・シェアエコ の価値算定にあたっては、プラットフォーマーの生産者余剰と利用企業の生産者余剰とユーザーの消費者余剰の三要素から構成される。
・デジタル時代にコピーできないもの人々がお金を払うもの
即時性、パーソナライズ、解釈、信頼性、アクセス可能性、実体化(ライブコンサート)、支援者(投げ銭、お布施)、発見可能性(Netflix)
突き詰めると時間、こだわり、信頼となる。
・信頼を構築する基盤が変わる。多対応多の個人間の関係性から信頼構築されるのでは。
・一律ではない価格設定により生産者余剰を拡大する。
・デジタル資本主義ではネットワーク効果、数が多いことが重要になる。大企業による規模の経済とは異なるエコノミクスが働く。かずも多様性も価値となる。 -
Posted by ブクログ
センター試験にの評論問題に採用されるような,非常に読みやすい文章。
現代において,人は「モノ」に執着するのではなく,「コト」に価値を置き始めている。
本書でも取り上げているが,例えば音楽業界では,CDなどの媒体からiTunesから直接ダウンロードする形にニーズがシフトしていった。これは単純に物理的な領域排除と,特定の曲のみを購入したい場合に重宝する事が考えられる。そして今,iTunesから,スポティファイなどのサブスクリプション型で視聴する割合が増えてきた。これは正に「コト」体験のニーズを明らかに示しているが,実は曲のデータを「仮想的物理領域」と人々が捉え始め,最早デジタルデータに関しても仮想的に,物理的な「モノ」として扱い始めてしまっているのではないかと考えてしまった。
確かに今,iPhoneのデータ容量を常に気にしている。
デジタル革新が飽和した後次は一体何が来るのか非常に興味深い。
学ぶことは怠らないようにしたい。
本書も繰り返し読み,書評についても随時更新していく。 -
Posted by ブクログ
シンクタンクであるNRIの整理・分析・考察だからか、とてもスムーズに論旨が沁み込みました。先ずは、商業資本主義→産業資本主義→デジタル資本主義という超大雑把な時代区分がめちゃくちゃわかりやすいこと、「消費者余剰」を生み出す各種サービスのデジタルトランスフォーメーションが「生産者余剰」の指標であるGDPじゃ捉えきれなくなってきていること(お恥ずかしながら「消費者余剰」という言葉、本書で初めて知りました…)、ハンナ・アレント「人間の条件」の「労働」「仕事」「活動」という概念から援用した「労働社会から活動社会へ」という移行が行われること、その時「労働生産性から知識生産性へ」というキーワードによって情報の付加価値転換率がビッグデータ時代の競争優位性になるということ、そして、その「知識生産性」とは消費者と生産者の恊働活動なのであるということ…「フムフム、なんかわかる気がする…」の連続でした。あまりに「わかる気になる」感じが凄すぎて一日で読んじゃったので、もう一度落ち着いてページ捲り直します。ハンナ・アレントのみならずジャン=ジャック・ルソーの一般意志も登場し、我が同胞からも岩井克人、柄谷公人も大活躍の論なので繋がり読書もがんばらねば…
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Posted by ブクログ
中国の経済動向などを知る上で、重要な本の一冊と言える。
“爆買い”の主役は、富裕層から中間層へ、理由も、「日本のブランド力」から、「値段が安いから」という。
(但し、中国国内の物価高騰や円高/円安などの影響もいろいろ絡むので、一概に言えないところもある)
しかし、中国国内における欧州、アメリカ企業にたいするブランドイメージと、日本に対するブランドイメージが大きくかけはなれている。日本の「特徴の無さ」が目を引く。
日本人が抱く、「中国人の旅行者は、日本企業の技術力、信頼性、ブランドイメージで買っているのだろう」というのも、大きな誤りであることも、データから示されている。
日本企業の対中戦略を知る上で、一つの参考になる本だと思う。
読者対象は、主に、企業の幹部や、経営コンサルタント、市場動向関係者だと思うが、(自分のような)一般の読者が読んでも、多くの知見、発見を得られるので、興味の或る方は読んでもいいと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ消費者余剰=支払い意思額ー価格 =お買い得感 ⇒増加
生産者余剰=コストー価格 =企業利益 ⇒減少
第一次デジタル革命
「活動」「仕事」の領域が増え、「労働」が減っている。
評価 利用 消費
サービス業比率 世界就業者の約半数、日本の7割
SDL サービス ドミナント ロジック
効用+aaS
API 連携
POU point of use サービス改変のスピードアップ
CX カスタマー エクスペリエンス エコシステム
プラットフォームの自律的連携
消費者とつながる →様々な効用が提供可能に
発想転換の壁
店舗は売るより展示料で儲ける
エバゴギクス社 機械学習により脚本から興行収入予測
オープン化の壁
効用を計測、対価分配
アジャイル開発、利用者との共創
Well being =持続的幸福
生活満足度上昇 世界的傾向
GDPは国力や軍事力の指標、それでは質は測れない。
GDP-B B=Beyond、Benefit MIT
デジタルが生み出す消費者余剰を金銭換算
FBの受け入れ意思額42ドル/月*ユーザー数
米国のGDP成長率は0.1%程度上がる
DESI Digital Economy and Society Index EU
生活満足度との相関係数0.82
接続性、人的資本、ネットサービス、公共サービス
GDP+i RSM+NRI 日本
全デジタルサービスの消費者余剰
日本161兆円 2016年
デジタルサービス6~10万円/人・月 相当のお得感
GDP0.7%→3.8%成長になる。
DCI Digital Capability Index NRI 日本
デジタル技術 「機会の均等化」
GDP+i +DESIを参考に生活満足度
Digital Government 国連
日本10位と高いが、労働生産性や幸福度高くない
→活用されていない
エストニア 1991年ソ連から独立 Skypeの開発
市場刺激型
実験的なサービス展開で得られた成果を海外展開
人口減少が2016年から増加に
銀行商取引の99.6%がオンライン
納税の97%
医療書類の98%
起業申請の98%
国会議員投票の24%
確定申告の94%
eIDカード15歳以上に義務付け X-Roadシステム
旧ソ連の軍事宇宙開発IT技術者多数
ロシアからのデータ避難の必要性
人口わずか132万人
紙削減でGDP2%相当経費削減
日本の半数(タリン市307人/職員)で行政サービス -
Posted by ブクログ
世の中を豊かにしているデジタル技術が今の資本主義や民主主義にどんな影響を与えうるのかをまとめている。
GDP推計の限界と他の経済指標の模索。
消費者余剰(お買い得感)の向上と生産者余剰の減衰に関してシェアリングエコノミーを起点として語られている。
今デジタル技術によってどんな変化が起きているのか、また、これから起きようとしているのかがわかりやすく書かれている。
デジタル技術に対する各国の考え方は文化や宗教などにより多様であり、資本主義の奴隷として活用するか、ユートピアチックな共有財の経済を作り上げるか、間を取るかはこれからの私達次第である、 -
Posted by ブクログ
消費者余剰、生産者余剰、懐かしい。中小企業診断士受験の際にも再度とらえ直した事を思い出した。GDPの指標の理屈は知っていたが、最後に足し合わせることに疑問を感じていたが納得した。消費者余剰がデジタル化により増加したことは、人類にとって喜ばしいことである。生産者余剰の減少が回り回って消費者の所得に反映されるのはその通りだが、デジタル化により眠っていた資産が有効活用されるシェアリングやP2Pサービスが確立されたいま、老後も案外安価に楽しめるのかもしれない。しかしそれは資本財においてのこと。人間の本質的欲求はそれでは満足出来ないはずであり、その点は別の書籍に譲るべきだろう。なかなかの示唆に富んだ書籍である。
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Posted by ブクログ
OECDのレポートによると、日本の賃金水準は1995年以降の20年間全くがあがっていない。それどころか下がっている。フランスは約1.3倍、米国も約1.2倍、ドイツでも約1.1倍にはなっているなかこれは非常に稀な国だ。
ところが、NRIの1万人アンケートによると、人々の生活レベルの満足度は2006年以降、年々高まりを見せているらしい。賃金が据え置きなのに生活の満足度レベルが高まっている?これってどういうことなのだろう。
我々の生活は常にデジタル化の恩恵を受けている。無料のネットサーチで冷蔵庫の最低価格を知れるし、好みの音楽だって、映画だって月1,000円で楽しみ放題だ。電話もメッセージも無料。いらないものがあればフリマアプリで売って、お小遣いも稼げる。シェアードサービスのお陰で、部屋だってシェアできる。これって、うまくやればお金をかけなくても生活を楽しめる手段が増えてきたってことなのだろう。
でも新しい疑問がある。今後、僕たちはいったい何にお金を払うのだろうか?
今後、僕たちがお金を払うのは1.時間 2.こだわり 3.信頼だって言われてる。(どこかで読んだ本によると、時間を買うことにお金を払うのは最も満足度が高いらしい。)通信やエネルギー、物流にお金を払っていた時代は終わってしまった。限界費用ゼロの時代万歳!
だったら、今後の新しいビジネスは、顧客の主観に焦点をあてるべきだ。そのためには、顧客がどのような製品を望んでいるか正確に知る必要がある??そんなのやめて、顧客自らが製品を設計・開発できるツールを顧客に与えるのはどうだろうか。
自分で配合を調節して作る香水、自分だけのオリジナルのスマホ、数あるなかから金融商品を組み合わせて自分だけのオリジナルの投資商品を作る。
顧客をイノベータにしてしまうことで、顧客体験の向上とコストの低減を同時に実現できるのだ。すばらしい!
でも、このスペシャルなアイデアは簡単には実現しないだろう。だって商品開発はどの会社だって花形。そんな機能を簡単に手放したりしないはずだからだ。
でも今後は間違いなく、個人の主観がより主人公になる。個人の主観を掘り起こすことこそが、次のデジタルビジネスの鍵になるに違いないって話。
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デジタル時代における企業のビジネスモデルは
1)エコシステムの駆動者・・プラットフォーマ
2)モジュールの製造者・・プラットフォーマ上で特定機能を提供
3)オムニチャネルビジネス
4)サプライヤー -
Posted by ブクログ
会社から貰ったので読んでみた。「日本の GDP が伸び悩む一方で、我々は(インターネットを中心とした様々なサービスの発展によって)ますます豊かになっているようにしか感じられない」という素朴な疑問から出発し、現代社会の経済発展を計るには GDP は不適切な指標であると説く。
どちらかと言うと、GDP の成長 = 経済発展と定義した上で、我々の豊かさや幸せは "経済発展" では計れない何かに変貌していると言われた方が納得がいくが、いずれにしても Google Map 一つとってみても、Google が生み出している価値が広告だけではないことは明らかで、それを消費者余剰と生産者余剰として説明した部分は非常に良く書けている。
未来予想の部分は、さすがに水晶玉の域を出ないので、可もなく不可もなく。個人的には、ユートピア的世界だろうがディストピア的世界だろうが、縮小均衡していくことは間違いないと思うけれど。