山泰幸のレビュー一覧

  • 江戸の思想闘争

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    本書の冒頭では、デリダの「パルマコン」をめぐる議論や、レヴィ=ストロースの贈与論などが参照されており、そうした現代思想の問題設定にもとづいて日本近世の思想家たちの議論、とりわけ彼らのあいだで戦わされた論争について考察をおこなっている本です。

    伊藤仁斎や荻生徂徠、太宰春台などの儒学者のほか、賀茂真淵、本居宣長、平田篤胤などの国学者がとりあげられ、さらに最終章では、「鬼神論」の現代的な展開のありようを柳田國男と和辻哲郎の議論のなかに見ようとする試みがなされています。

    本書の「あとがき」で著者は、日本近世思想にかんする著者の知識は子安宣邦から学んだものだと述べていますが、日本思想史研究にフランス

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    2020年06月17日
  • だれが幸運をつかむのか ――昔話に描かれた「贈与」の秘密

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    ネタバレ

    学校教育が始まる以前には、ほとんどの人々にとっては、伝説以外の歴史はなかった 人間はその成長のプロセスにしたがって、学校や会社など様々な社会集団に所属しては、やがてそこから離れて、再び別の社会集団に移っていくことを繰り返します 結婚というものが、幸せばかりでなく不幸をもたらす場合があることを昔話を語り伝えてきた人々にはよくわかっていたのではないかと思います

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    2016年02月07日