一見、おばあちゃんと飼い猫3匹の幸せな暮らしを描いたほのぼの漫画。
表紙絵はとても暖かい。また、あらすじの「(猫が)ついに掟を破る!」の文言から、ネコの秘密を目の当たりにしたヒトがビックリ仰天するコメディー展開かな、なんて楽しく予想もした。
だから、読む前の自分の頭ん中には不穏の「ふ」の字も
...続きを読む無かったよ…(泣)
無料試し読み増量版だから冒頭のたった数十ページしか載ってないのに、もう既に不穏。
表紙から順に見て行って約9割の所までは普通に楽しく読んでた。
それが突然、最後の1割、ほんの数ページ。
それまで一切何の予兆も無かったのに、ほんといきなり唐突に、読者をゾッとさせるコマを著者が差し込んできた。
幽霊とかスプラッターとか残虐事件が起きたとか、そっち系ではない。
ネタバレ無しで例えるなら、少女漫画『NANA』で、モノローグが常に過去形なもんだから、読者は嫌でも「この後、事態は悪くなるんだ。一体何が起きるん…?ゾワァ(怖)」と、まだ未読にも関わらず不穏な展開であることを知ってしまう感じ。
著者の他作品を読んだことが無いので、冒頭で強烈に読者を脅しておいて最終話で超ハッピー!地球上の皆幸せ!宇宙人も漏れなく幸せ!って感じの最高の読後感を味わわせてくれる作風なのか、もしくは、世間一般的に「愛らしい」「優しくしたい」的な気持ちにさせる存在(この本なら猫と、その飼い主のほんわかおばあちゃん)を不幸な目に遭わせて読者をネガティブな読後感に陥らせる作風なのか、その他なのか、まるで分からずこの本を買うのが怖い…。