柏原兵三のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ映画『少年時代』の原作の一つであるこの著書を読んでみたいと思いました。映画は見ていないのですが
同名の主題歌(井上陽水作詞作曲)が、内容にリンクしているというので、読んでみたかったのです。
富山の田舎へ疎開した少年の話です。
終戦近く(もちろん、みんな戦争の終わりが分からず、勝って終わりと信じられていた頃).疎開する先の選び方、その先の少年の進路の夢と希望は、戦争に大きく影響したのが感じられるます。
疎開先でいじめに遭う主人公。いじめの中心となる少年が、二人の時は友だちだという級長を務める少年だった。主人公は級長の本当の気持ちが掴めない。
仲間外れにされる苦痛と恐怖から、級長の思いのままに行動する自分自身を軽蔑する・・・
『長い道』とは、片道3キロある通学路。
集団登下校はリーダーとの暗黙の了解だった。
いじめっ子はいつしか、いじめられた子の仕返しを受けて、仲間外れにされ、次のリーダーが生まれる・・・
ストーリーは、子供の世界でのいじめの出来事の連続であるが、それに対する主人公の少年の心理が、こと細かく描写され、私もどうしたものかと一緒に悩みました。私も転校で仲間外れにされた記憶が、心の底に残っています。初めは物珍し気にチヤホヤしておいて、ある日突然、誰も声をかけてこなくなる、そこには、いじめっ子のリーダーがいたのです。
読み進めるうちに、このいじめから解放される日が来ると、期待して読みました。しかし、それは、終戦という形でしか来なかったのです。これがショックでした。田舎だからあったいじめでしょうか。いいえ、戦争というもの(軍事国家)が、いかに影響していたかと思うと切なくなりました。
今の社会とは大きく違う『いじめ』の認識。しかし、そこに関わるいじめを受ける子どもの心の受け止め方に、大きな違いはないでしょう。
仲間外れにされるたり、友だちの言いなりに従い、自分を殺して耐えた登下校。誰もが通過した年代なのに、大人になるとどうして、寄り添えなくなるのでしょう。いじめる子も、根っからの悪い子はいない。
私にも揺れに揺れた『少年時代』が蘇ってきました。