【感想・ネタバレ】P+D BOOKS 長い道・同級会のレビュー

あらすじ

「少年時代」の原点となった疎開文学の傑作。

太平洋戦争末期、東京から富山の漁村に疎開した小学5年生の杉村潔。その潔に対して屈折した感情をいだく地元の少年、竹下進。進は潔に表面上は友好的に接しながらも、裏で陰湿な悪事を繰り返し、潔はそれに戸惑う。

都会からの疎開児への地元っ子の愛憎を中心に、戦争の影にゆれる海辺の村で繰り広げられる人間模様を描いた自伝的作品。

のちに「少年時代」として漫画化、映画化もされた。特別に映画「少年時代」の脚本を手掛けた山田太一氏の解説(1989年執筆)も併録。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

映画『少年時代』の原作の一つであるこの著書を読んでみたいと思いました。映画は見ていないのですが
同名の主題歌(井上陽水作詞作曲)が、内容にリンクしているというので、読んでみたかったのです。
富山の田舎へ疎開した少年の話です。
終戦近く(もちろん、みんな戦争の終わりが分からず、勝って終わりと信じられていた頃).疎開する先の選び方、その先の少年の進路の夢と希望は、戦争に大きく影響したのが感じられるます。
疎開先でいじめに遭う主人公。いじめの中心となる少年が、二人の時は友だちだという級長を務める少年だった。主人公は級長の本当の気持ちが掴めない。
仲間外れにされる苦痛と恐怖から、級長の思いのままに行動する自分自身を軽蔑する・・・
『長い道』とは、片道3キロある通学路。
集団登下校はリーダーとの暗黙の了解だった。
いじめっ子はいつしか、いじめられた子の仕返しを受けて、仲間外れにされ、次のリーダーが生まれる・・・
ストーリーは、子供の世界でのいじめの出来事の連続であるが、それに対する主人公の少年の心理が、こと細かく描写され、私もどうしたものかと一緒に悩みました。私も転校で仲間外れにされた記憶が、心の底に残っています。初めは物珍し気にチヤホヤしておいて、ある日突然、誰も声をかけてこなくなる、そこには、いじめっ子のリーダーがいたのです。

読み進めるうちに、このいじめから解放される日が来ると、期待して読みました。しかし、それは、終戦という形でしか来なかったのです。これがショックでした。田舎だからあったいじめでしょうか。いいえ、戦争というもの(軍事国家)が、いかに影響していたかと思うと切なくなりました。
今の社会とは大きく違う『いじめ』の認識。しかし、そこに関わるいじめを受ける子どもの心の受け止め方に、大きな違いはないでしょう。
仲間外れにされるたり、友だちの言いなりに従い、自分を殺して耐えた登下校。誰もが通過した年代なのに、大人になるとどうして、寄り添えなくなるのでしょう。いじめる子も、根っからの悪い子はいない。
私にも揺れに揺れた『少年時代』が蘇ってきました。

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2026年09月28日

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