NHKスペシャル「消えた子どもたち」取材班のレビュー一覧
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ネタバレ虐待や監禁によって心身ともに傷を負った子供達の話や、なぜ親が虐待に至ったかといった話。取材を元に書かれている。
こういう本を読むと残酷な現状を嘆くだけで何もできない自分の無力さに気づくが、まず今何が起こっているのか「知る」ことはとても大事だと思う。
「消えた子どもたち」の背景にあるのは親だけでなく自治体、学校、施設などさまざまだ。根本的な原因や絶対的な悪は存在しないし、虐待してしまう親側にも親なりの理由があるのだろうとは思った。(例えば親自身が昔虐待されていた、とか経済的な問題とか精神疾患とか)ただ、彼ら自身の人間性が100%悪ではなかったとしても彼らがした行動は明らかに悪だ。被害者である子供 -
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■虐待の心理の三つの特徴(山梨県立大学 西澤哲教授)
①体罰肯定感
・自分自身が身体的虐待を受けて育ったという親は「子育てには体罰が必要」という養育観を持つことがある。そうした養育観に基づいて自分の子供にも暴力をふるう。
②子供からの被害の認知
・虐待やネグレクト的な養育環境で育つと自己否定感情を持ちやすく「幼児期初期の子供なのに自分のことを馬鹿にした目で見た」,乳児の泣き声が「自分を責める声に聞こえる」など,子供からの非現実的な被害を感じて虐待する。
・親に奪われた有能感を取り戻そうとして虐待することもある。
③自己の欲求の優先傾向
・子供の頃虐待やネグレクトにさらされてきたために愛情が十分 -
Posted by ブクログ
学校がある昼間に、公園で一人遊んでいる子どもを見かけた。
年齢は、小学生高学年だろうか。
もし、様子がおかしいようなら声をかけるかもしれない。
でも、たとえ痣があるように見えたとしても近くから怖い父親が出てくるかもしれない、と思ったら声をかけることもできないかもしれない。
あなたは、声をかけられますか?
そこで踏み出す一歩が、もしかしたらその子の明暗をわけるかもしれないのです。
義務教育が完備されたこの日本で、教育を受けられない子どもがいる。
社会から孤立してしまった子どもがいる。
厚木児相の例のように、白骨化されて発見された子どものニュースは、どうやら氷山の一角のようです。
行政を、親を -
Posted by ブクログ
18歳で保護されるまで一度も家から出られなかった少女、貧困により車で各地を転々として小学校に通えなかった期間がある少年、精神疾患の母親を支えるために学校へ通うことができなかった少女……存在しているにも関わらず学校や社会から認知されず、暴力や貧困の中で苦しんできた子どもたちを追ったドキュメントのルポ。著者はNHKスペシャルの取材班。全国の施設等から、衣食住の「普通」さえ奪われた子ども達自身の声を聞く。
本人から聞く話はどれも壮絶だ。虐待の話は、それが大人である我が身であればとても耐えきれるものではない。なにも知らないままに理不尽な暴力を振るわれ、そして解放された今もフラッシュバックに苦しんでいる -
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居所不明児童。
昨今話題にされる言葉だが、学校、教育委員会、児童相談書、役所、警察といった公的機関の連携が取れていないことばかりがことさらに強調され、当事者である子供達の姿が見えていなかった。
その見えていなかった当事者である子供達に焦点を合わせたのが本書。
中身は絶句するような、そして想像以上の文言が並ぶ。
家庭内監禁から始まり、小学生なのにオムツをずっとしている、ミイラ化していた子ども......。
ネグレクトなど親の虐待、無理解、疾患、DVなどからの逃避、避難。
理由は様々だが、子どもの尊厳や人権を最も守らなくてはならないものがそれを怠っており、行政がそれを掴みきれていないということに -
Posted by ブクログ
ネタバレショックでした。貧困や虐待、保護者の精神疾患等により、社会から“消えたこども”たち。彼らは自分ではどうすることも出来ません。何とかしてあげることは出来なかったのか。学校の先生がもっとふみこんで救えなかったのか、地域で不審に思わなかったのか、誰も気付かなかったのか。と、どこかに責任を持っていくことは簡単かもしれません。ですが、彼らを漏らさず救うことは難しいかもしれません。子どもが安心して育つ、そんな普通に思える家庭が思ったより少ないのかな、とショックでした。被害を受けている子どもを保護するだけでは解決しないでしょうね。まずは親となる世代の生活がキチンと営まれていないと、不幸な子どもは減らないと思