虐待や監禁によって心身ともに傷を負った子供達の話や、なぜ親が虐待に至ったかといった話。取材を元に書かれている。
こういう本を読むと残酷な現状を嘆くだけで何もできない自分の無力さに気づくが、まず今何が起こっているのか「知る」ことはとても大事だと思う。
「消えた子どもたち」の背景にあるのは親だけでなく自
...続きを読む治体、学校、施設などさまざまだ。根本的な原因や絶対的な悪は存在しないし、虐待してしまう親側にも親なりの理由があるのだろうとは思った。(例えば親自身が昔虐待されていた、とか経済的な問題とか精神疾患とか)ただ、彼ら自身の人間性が100%悪ではなかったとしても彼らがした行動は明らかに悪だ。被害者である子供たちからしたらどんな理由があろうとも傷つけられ、その後の人生のトラウマになり続けかねないことは否定できない事実なのだ。親から子への虐待に関する裁判ではなんらかの理由がつけられてかなり罪が軽くなることもあるが、子どもの人生を大きく変えてしまった以上、果たして適切な判決なのだろうかと感じることも多々ある。
そして、親、自治体、学校、施設が単独でいくら努力したからといって一連の悲劇を止めるのは不可能だと再認識した。国の制度や社会全体の向き合い方を変えていく必要があるが、とても難しい問題だ。まずは第一歩としてこうした現状を多くの人が「知る」ことが重要な気がする。