大西連のレビュー一覧
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積読解消プロジェクト遂行中。
本書の中に出てくる湯浅誠さんのお話を伺う機会があり、確かそれをきっかけに手に取った本だったと記憶してます。ずいぶんと積読してしまいました。
貧困は、日本に、しかもかなり身近に存在しています。それは間違いありません。
それを直視できるかどうか。身近な、あるいは我が事として考えられるかどうか。
我が家は、世帯収入だけ見れば貧困にはあたりません。
だからと言って裕福な家庭とは言えないし、収支で見ればかなり厳しいやりくりを強いられています。一時期は心療内科の症状で病休も取り、ますます厳しさも増しました。
そういう状態で読んでいるからか、全く他人事とは思えません。むし -
Posted by ブクログ
経済大国ニッポン!
などと言われつつも実は日本人の6人に1人は「貧困」に陥っているという
その「貧困」の現実はよくわかっていない人が多い
「生活保護をうけるということ」
「なぜホームレスの人は簡易宿泊所を紹介されても行かないのか?」
「働けるのに働かないってなまけものなんじゃない?」
とか…
「貧困」を知らない人はその現実を知らない。
いや、考えていないし、知る必要もないと思っているのかもしれない。
とエラそうに書いている私もその一人なのかもしれない
病気や近親者の暴力、リストラなど…
ふとしたことから人は「貧困」に陥る
そしてその可能性がある
それは誰にでもあり
他人事ではない
こ -
Posted by ブクログ
一気に読んでしまった。本当に身近な貧困問題、考えさせられた。ここ数年貧困を理由に生活保護を受けることなく亡くなるというニュースを聞く度に、なぜ?と心が痛む。生活保護を受ける権利があるのに、ほんの一部悪質な不正受給者の問題から、全てが不正だと言わんばかりの報道や政府の生活保護制度削減などでのしめつけ、制度がただしく説明されてないために生じる誤解、受けることへの抵抗感、世間の偏見などがこの問題をますます複雑にしてる。6人に1人が貧困という現実。一度貧困に陥るとなかなか抜け出せない穴のような、存在。今必要なことはその貧困の現実を知ること、そして自分には、何ができるかを考えたい。
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Posted by ブクログ
生活保護をめぐる問題や子供の貧困。ニュースは日々あれこれと耳にするけど、「貧困」って具体的にどういう状態なのか?
生活困窮者の自立サポートを目的とするNPO法人「もやい」理事長が、支援に携わるまでの自らの道のり、そして実際にサポートした人たちの事例を綴る1冊である。
肩書は理事長だが、1987年生まれ、20代の若者である。しかもどちらかというと、信念に燃えた熱血漢というわけではなく、ごくフツーの青年のように感じられる。
不登校で町をふらふらしていた高校時代、著者はホームレスの人たちに親切にしてもらったことがあり、そのときのことがどこか、心に引っかかっていた。高校卒業後、フリーターとして働く -
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日本には絶対的貧困は少ないといわれる。絶対的貧困とは1日に生きていくためのお金が足りないということ(乱暴な説明だけど)。
相対的貧困とは生きていくことはできるけれども、平均と比べて貧困であるということ。日本はこれが高い。いわゆる格差社会ということか。
内容については、ああ……いろんな人がいるなぁと思うのだけれども。よりキャッチーな命に係わる人を助けてます!とかショッキングな事例は取り扱わず、もやいの日常に焦点を当てているところがポイントで。
生活保護を受けるべき(受けたほうが当人のためになる)ときでも、受けない気持ちが分かるような気がする。弱者であると認めたくない。
生活保護に限ら -
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20代の頃から、生活保護が必要な人を支援するNPO法人で活動している筆者。この世界に身を投じたのは理想や主義からではなく、「他にやりたいことも見つけられず」何となく入り込んだのがきっかけだった。
そんな筆者が、活動に参加し始めた頃から現在に至るまでのエピソードを通じて、日本における生活保護制度の在り方を問いかける。後半では一時期世間を騒がせた「不正受給」により活動が非常にやりにくくなったこともあり、さまざまな事例はあれども「本当に助けが必要な人達のための制度になっているか」と、世の偏見との戦いが綴られている。
本人の努力とは無関係に、貧困に陥ることもある。しかし「ルールや慣習」によって保護 -
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こういう内容の本は、以前から何冊か読んでる。
貧困に陥った人の実態を知っただけでは、その人たちを助ける人たちのことを知っただけでは、ダメな気がする。知らない、知ろうとしないのも悪いけど、知ってて何もしないというのは、もっと悪いような気がする。自分のできることを考えたい。
生活保護の受給者をバカにしたりする人は、自分もいつかそうなるかもしれないという状況を想像できないのだろうか。自分は大丈夫だと信じきっている愚かさ。なんて傲慢なんだろう。
社会は一番弱い立場、苦しい立場にある人が人間らしく生きていけるようなものであってほしい。そうでないと誰も安心して生きられないではないか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ一晩で読んでしまった。
著者は、高校生の頃、現実から逃げるためにカラオケを歌いまくり持ち金を全て使い切り、次の早朝まで持ってる定期券で家に帰るまで、駅で過ごそうとした。そこにやってきたのはホームレスのおじさん。おじさんの親切で、一晩火のそばで暖をとり、食事ができる。「俺たちみたいになっちゃいけないよ」それって、、、。
長く気になって、フリーターとして働く合間に、友人の誘いでホームレスのボランティアを始める。
今では6人に一人が貧困といわれ、小学生の貧困は給食が唯一の食事という子供さえ現れる問題が多くなっている。貧困は貧困を生む。
ホームレスと一言でくくれない貧困の段階。その中で元気でいるうちは -
Posted by ブクログ
ネタバレとても書きあぐねて書かれたという状態が伝わってくる文体です。それは内容の重さもさることながら、著者が本来文章を書くことを生業の一つとされていないことも大きかったのでしょうね。若い人の文章だなぁと感じました。
それが一層内容をリアルに感じさせられます。
タイトルどおり貧困は案外近くにあるものなのだなと思います。誰でも状況が変われば簡単に貧困になってしまう社会なのですね。その社会のあり方はたしかに問題です。
でも著者が「貧困」にどっぷりと関わってゆくことになったのは使命感でしょうか、興味からでしょうか。
私には興味から入っていったと映りました。そういう入り方もあるでしょう。
様々な事情から貧