武田葉月のレビュー一覧
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清國から正代、御嶽海まで、歴代23人の大関へのインタビューをまとめた本である。大関、それは大相撲の看板であると同時に、最高位の横綱に一歩及ばない地位。そのせいか、それぞれの話に満足感と同時に悔しさがにじみ、それがインタビューに深みを与えている。異口同音に語るのは、大関昇進の喜びよりもその位置を守る辛さ、勝って当たり前の立場は相当のプレッシャーに違いない。また、霧島などが入門の動機として語る「母ちゃんに楽をさせてやりたかった」という言葉には、今どきという意外性とともに、胸を衝かれる。琴欧州な外国人力士も同じことを口にしており、母への思いは万国共通のようだ。
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大好きな大相撲。横綱朝青龍(ドルジ)の生い立ちから今に至るまでが書かれている。今でこそ幕内にもかなりのモンゴル人力士がいて、大活躍しているが、朝青龍が日本に来たころは、少数のモンゴル人がいるだけだった。モンゴル相撲が強い父をもつ朝青龍は、子供のころから兄弟と相撲をして過ごし、母親の言うことをよく聞く子供だった。横綱になる前、なった後も、いろいろなバッシングがあり、テレビを見ているだけの私は、「気にしてない」ように見えた朝青龍だが、その分稽古をし、強さを見せることが自分の仕事、と進んできた。「横綱としての品格」をよく問われているが、非常にステキな精神の持ち主だ。改めてファンになった。
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昭和30年代に横綱に昇進した第45代(初代)若乃花から、平成26年昇進の第71代鶴竜に至るまで(何故か第65代貴乃花、第66代若乃花が抜けている)の横綱へのインタビュー集。北の湖や千代の富士といった大横綱だけへのインタビュー集ではありません。怪我や病気に悩まされて横綱となってから活躍できなかった大乃国や旭富士、不本意な事情で大相撲界から身を引いた双羽黒や朝青龍、貴乃花・若乃花の兄弟横綱と同時代に横綱であったがために、どうしてもヒール的な位置づけとみられがちであった曙、武蔵丸などへのインタビューは、当時はマスコミにも語る事の無かった真相、本音が引き出されていて非常に興味深いです。
横綱経験のある -
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つい、買ってしまいました。本名ドルゴルスレン・ダグワドルジ、朝青龍を描いた本。お相撲ファンとして、朝青龍ファンとして、スルーできませんでした。ファンと言いつつ、千代の富士、北天佑、益荒男、霧島、寺尾あたりが引退してからはそれほど熱心に見なくなり、そうこうするうちにテレビ朝日の大相撲ダイジェストも打ち切りになってしまってしばらく見てない時期があるので、朝青龍は猛スピードで出世して三役か横綱になった頃あたりからしか覚えていない。なので明徳義塾高校時代の話や、モンゴルの話、幕下に上がる前の時代とかは全然知らなくて、どんなにすごい人でもいきなりすごくなったわけではなく、みんな努力しているんだなぁ、とい