パトリック・レドモンドのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ映画でも見てみたいと思える作品だった。
死んだ者も、辛うじて生きながらえた者も誰一人として幸せにならないバッドエンド。
唯一、ハワード校長と妻エリザベスだけはマシとも言える。
バッドエンドなのにそこまで気持ちが落ち込まなかった。何故なのだろうか。
本書はもちろん物語が進むにつれて破滅へとじりじり読者を誘う。
おそらく、悲しさよりも物語自体の展開の面白さが勝っていたのかもしれない。
600Pを超える久しぶりの長編にも関わらず、中だるみせずに読み終えることができたのは作者の凄さだなと。
書評の大矢さんも書かれていたが、
ジョナサンが教科書を忘れてさえいなければ...。
そもそも二人は交わることが -
Posted by ブクログ
1950年代に英国の全寮制パブリック・スクール、
カークストン・アベイ学園を見舞った奇怪な事件について、
真相を知ると称する者との面会が叶ったティム・ウェバー。
長時間のインタビューを録音し、記事にして、
ジャーナリストとして脚光を浴びたいと願うティムだったが……。
――ということで、
枠内の物語=来訪者が語ったこと=が、
三人称のあっちこっち移動しまくる視点で綴られた長編で、
非常に読みにくかった。
中身は20世紀半ばの厳格な規則に縛られた寄宿舎で起きた
悪質ないじめに端を発した、いくつかの異様な出来事について。
純真な被害者と、彼を庇う立場のクールな美少年が
報復のためにウィジャ盤を持ち -
Posted by ブクログ
ネタバレなんか…思ってたよりあっさり終わった感じ。
リチャードが何かしらの異能を使っていたかどうかは定かではないけれど、子供の器に有り余る憎悪と、それにあてられた心優しく弱いジョナサンという心許してもいい(かもしれない)相手、多感な年頃故に言葉に・形にすることで信じてしまう力が相まって、本当は偶然で済むことを、大人達の秘密を巻き込んでの大事になった、という感じかなぁ。
大人たちはまぁ自業自得なんだけど、死んだ少年たちはリチャードの、ジョナサンへ対する力の誇示であっただけのような気がして、美しく賢い少年というのは残虐性を持ち得て絵になるというか、ん~…。
「霊応ゲーム」という子供特有のお遊びを題材にし -
Posted by ブクログ
な…なんだこれ。
某所で話題だったので、にやにやできるかな、と期待して読んでみましたが……こ、これは予想外だ…!
いや、前半のほうはまあ、良いんですよ。閉鎖的な環境、悩みと不安、あからさまなまでに素直で純粋な少年たち、いじめ、友情。ちょっと物足りないような気もしつつ、(いじめっこにはもうちょっと頑張れよ、と思ってしまった)ここからどう展開するか…いや、どこまでいくのか、とハラハラワクワクしながらページを進めていくと……まさかのミステリ展開!確かにプロローグで提示された謎は気になってはいたけれど…!と読んでいったらあろうことかの怪奇ホラー展開!ええーっ!死体多すぎーっ!なんじゃこれーっ!あーそう