グスタボ・マラホビッチのレビュー一覧

  • ブエノスアイレスに消えた

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    ネタバレ

    原題は「ブロンズの庭」。この意味は後半になると分かる。邦題の方がミステリーらしい。
    長い小説だが、先が読めず、少しずつ手掛かりが明らかになっていくので、まったく飽きることがない。最後の200ページはほとんど一気読みした。
    ブエノスアイレスの中心部から、密林の奥地へと辿り着く地理的、場面的なコントラストや、事件発生から解決まで10年近くかかるという時間的なコントラストが物語に広がりを与えている。
    主要な登場人物にも容赦なく悲惨な結末を辿らせる。妻のリラ。探偵のドベルディ。ドベルディはよいキャラクターだっただけにとても惜しく感じるが、その死も無駄にならず、事件の解決への重要な手掛かりを与えることに

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    2018年11月04日
  • ブエノスアイレスに消えた

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     今はなきパソコン通信<NIFTY Serve>で冒険小説フォーラムを活発に運営していた頃、冒険小説は長ければ長いほど面白い、というような見方を持つ練達の読者が沢山いた。長いのがいい、分厚いのがいい、量は質を凌駕する、なんていう見方は、冒険小説を語る上で決して珍しくない意見だった。スリルやサスペンスに溢れる描写は、微細に描き、リアリティを持った描写で自然の脅威や戦闘の過酷さを露にしたものはやはり喜ばれた。あっさり読みやすい冒険小説なんてないんだ、というくらいの勢いで。

     されその意味では当時求められていた類の冒険小説に近い味わいの大長編ミステリがここに出てきたなというのが、本書に関する第一の

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    2015年12月25日
  • ブエノスアイレスに消えた

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    アルゼンチンに行く飛行機の中で読んだ。ブエノスアイレスの地名や電車の駅等は全く頭に入って来なかったが、アルゼンチンという地球の裏側にある国のイメージが全く湧かなかった中、人間はどこでも同じだなと読んで思った。物語は普通に面白く、あっという間に読めた。たまには小説もいいな

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    2019年03月27日
  • ブエノスアイレスに消えた

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    アルゼンチンの作家による、アルゼンチンを舞台にしたミステリ小説。
    というだけで新鮮味があるが、衰えたるかつての世界先進国の首都であるブエノスアイレスの空気感が、小説に重厚な味わいを加えている。
    そして、アルゼンチンって自然豊かな農業国でもあるんだよね。
    その側面も、終盤に小説に広がりをもたらしている。

    ミステリとしての出来も上々。
    何より、時間の経過の描き方が巧い。

    主人公の娘が失踪し、直後の混乱と喧騒が、まずひと塊りとして展開される。
    その後の10年近い時の流れがあり、事件を取り巻く人々は変わっていく。
    時間の経過に翻弄される、主人公自身の感情。
    そしてそこに、別の一家の暗黒の歴史が覆い

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    2019年01月06日
  • ブエノスアイレスに消えた

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    どこぞの出版社のキャッチコピーで、面白い作品は国境を越える。みたいなんがあったけど、まさしくそれかも。
    シリーズなるなら退場してほしくないキャラもいたけど。

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    2016年01月28日
  • ブエノスアイレスに消えた

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    犯人が自らの痕跡を巧妙に隠すやり方は、『死のドレスを花婿に』を思い起こさせる。アルゼンチンはアメリカに比べて異常者や変質者は統計的に少ないという刑事の主張にはちょっと笑い。さりげない伏線が後からよく効いた。。

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    2015年10月02日
  • ブエノスアイレスに消えた

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    アルゼンチンミステリ?おやまあ珍しい、明るいラテンものかしら?という予想は見事にはずれ、ちょっとダークな、そして繊細な物語だった。この分厚さをものともしないリーダビリティで、中盤以降はまさに一気読み。おもしろいじゃないか!

    四歳の娘がシッターと共に失踪するという出だしだが、誘拐もののパターン通りには進まない。長い年月をかけて、都市から密林への空間的拡がりをもって物語は進む。主人公の心情は共感たっぷりに描かれ、脇役も個性豊かだ。実につらい話ではあるけれど、きっと痛みや苦しみに打ち負かされることはないだろうと思わせる力強さがある。ミステリとしての仕掛けもよくできていると思う。

    これはシリーズ一

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    2015年07月02日