・今日は昨日よりも美味しくつくろう、明日は今日よりももっと美味しくつくろうと、常に高みを目指して挑戦し続けるーそれが職人です。
・後継者にも従業員にも、それぞれに夢を描けるような店であることが大切です。夢とは「こんな職人になりたい」「こういう仕事ができるようになりたい」「いつか自分でも店を持ちたい」
...続きを読むといったことです。今にも潰れそうな店では、誰だって後をつぎたくはありませんし、雇われる方としても不安なので、日々の仕事に身が入りません。その反対に安心して仕事に励める環境であれば、それだけ技術が向上し、職人として成長できます。人材育成という意味でも、経営の安定化は重要なことだと思います。
・父は私によく「人より早く出なさい」と言っていました。遅い時間に仕入れに行ったら、良いうなぎが手に入らなくなるからです。
・お客様はゼロでした。ただの一枚も売れなかったのです。この時の気持ちは筆舌に尽くしがたいものがあります。お客様は来て当たり前ではないのだと、つくづく感じました。
・従業員に、訪問先の店の内装でも料理でもサービスでも、私の目線をなぞって善し悪しを判断させる。それまで気付かなかったことにも思いが及ぶようになります。
従業員だけで行く時は「あのレストランはこれが評判だから、しっかり見ておいで」と助言をして送り出します。そして帰ってきたら「どうだった?」と感想を尋ねます。そうやって話をすると、店をしっかり見て来なければという意識で食事をしてきますから、従業員の店を見る目が育つのです。