九頭竜正志のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
やりたいことも特にない大学生が幼馴染と二人で「探偵同好会」を始めるお話
初っ端の推理から「バカミステリか?」と思ったけど、部分的には当たってるあたりが探偵小説としての解せないところ
普通はそんな展開ないだろ……
全6話の連作ミステリだけれども、4話までは前座で5話が分量の半分くらいを占める
そして最後の6話で探偵の意義の回収
・前向きに
・車は急に
・買ったばかりの弁当を捨てる女
・七夕伝説と、坂本先輩の推理
・流霊島事件
・郵便受け
二人の会話とか坂本先輩による言葉の意味確認とかはとてもラノベチック
なのに、描かれている事件の真相は結構な人間の闇だったりとアンバランスなんだよな
まぁ、 -
Posted by ブクログ
ゆとり世代の下の世代、さとり世代の大学生が織りなす、ゆるーい探偵ごっこ物語。
作者が平成に近い昭和の為なのか、さとり世代の描写が非常に巧い。
世に生まれ落ちた時には、既に不況で格差社会の枠組に組み込まれ、夢も希望も取り立ててなく、かと言って紛争地区のゲットー程貧しくない日本で、多くを望まず現状維持に努めるという、さとり世代の空気感が何とも言えない。
作中、人は死ぬし、政略結婚、諸々の場面がハードボイルドであれば、濃厚な見せ場になる所を、非常にドライに淡々とサラッと表現していて、面白くもあるが、ある種の恐怖も抱く。
タイトル通り、全編を通してはゆるやかな日常ではあるが、最後が...
いや -
Posted by ブクログ
大学生になったばかりというのに、やりたい事が特に…な
無気力主人公。
彼の幼馴染に流されて、探偵同好会、をする事に。
休講になった理由、自動車学校に乗っている女の人
捨てられるお弁当、七夕につるされた白紙の短冊。
という短編ばかり、と思ったら、次が先輩の故郷たる
島の中、での話。
ここまでがキャラを色濃く覚えさせるための準備、と
言われても納得しそうな長さでした。
最後には、事件の真相も吹き飛びそうな、驚きの真実。
確かに思い返せば、そんな表現も何もなかったです。
それが普通、と思っている人と、始めた見た人の態度。
ここで気が付くべきだった、というほど
注意力はないので。
さらなる驚きの -
Posted by ブクログ
物語自体は、『氷菓』のようなテイスト。大事件というよりも、ちょっとした出来事から謎解きしていく。
伏線は結構たくさんあって、
文字メディアでしかできないオチが用意されているのは面白かった。
ところどころで、主人公(大学生)くんの口から、大人が振りかざす「イマドキの若者論」への反抗というか、
自分なりの見解を述べる描写があるのだが、それがとてもリアルに感じられた。
ちなみに作者の人と自分は同世代だった。
現在の大学生が同じ感覚かどうかは、また分からないところだけれど…
でも、ギャンブルに興味が無い、タバコも吸わない、物欲が薄い(ように見える)、反抗期がない、放っておけばずっとインドア、あたりは