ヘッケンバーグ部長刑事シリーズ第1作。
カバーデザインとタイトルから正直に言えばもっとグロさを期待していましたが、グロさという意味では☆2つかな。
まぁ、それなりに痛いシーンは出てくるんですが、もしかすると訳し方の問題かもしれません。
ただし、訳者である対馬さんを批判する訳ではなく、主人公であ
...続きを読むるヘッケンバーグ部長刑事(ヘック)の人物像はいい味が出ていたと思います。
そんな本作ですが、著者の作品も初読み、もちろん本書がシリーズ化(本国イギリスではシリーズ第6作まで既刊だそうです)されていることも知らず、ジャケットとタイトルに惹かれ購入、結果的には満足のいく作品でした。
出だしはワクワクしたんですよ、タイトスカートにハイヒール、体にぴったりした襟ぐりの深いブラウスを着た上級秘書、いかにもって感じの美女が拉致され、監禁され、辱めを受け、レイプされたうえに殺害される。
しかもイギリス全土で同様に若い女性の不可解な失踪が38件...
いやいや、暗黒好きにはこの後の展開、期待しちゃいますよねー
そんな事件を追うのが本作の主人公ヘック。
たった1人で捜査を続けてきたが、上司から3ヶ月もの長期休暇取得を言い渡される。
その後も事件を追うヘックの前に現れたのが本作の助演女優・ローレン。
軍隊あがりのローレンは実の姉が突如失踪しており、ヘックと真相を暴く為に行動を共にします。
最初はギスギスした関係なんですが、徐々に互いの距離と犯人との距離を詰めていくヘックとローレン。
結果的にローレンは命を落としてしまうのですが、彼女の存在無しに本作はここまで盛り上がることは無かったでしょう。
そして、何よりヘックがちょっと薄めではあるもののいい味を出しているんです。
かっこいいヒーロー!ではなく、どこかどんくさいというか、人間味があるというか...
まさに命をかけた邪悪な組織との戦い。
最後まで読み切った読者にはラストの終わり方が気になりますよねぇ~
でも、シリーズ続編は日本ではまだ発売されていない感じで...
困ったもんです。
拉致して監禁して男好みの女に変貌させる。「いい女」にならなければ女の運命は……
内容(「BOOK」データベースより)
タイトスカートにハイヒール、体にぴったりした襟ぐりの深いブラウスを着た上級秘書―彼女はそれが男性を惹きつけ、同時に会社で高い地位に引きあげてもらえることも確信していた。が、それが破滅を招く―拉致され、監禁され、言葉につくせぬ行為を強要されるとは…イギリス全土で起きた若す女性の不可解な失踪。その数は38件にものぼっていた。国家犯罪局のヘックは果敢に捜査を行い、淫らで下劣な悪と対峙する。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
フィンチ,ポール
イングランドのランカシャー州ウィガン生まれ。警官、ジャーナリストを経て作家になる
対馬/妙
1960年生、日本獣医畜産大学卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)