林克明のレビュー一覧

  • ロシア・チェチェン戦争の628日

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    日本人の筆者が実際にチェチェンに訪れ、見て、感じ、経験したことが赤裸々に書かれており他の書籍よりもロシア軍の蛮行が身近に感じられた。また、戦闘の経過や戦術、戦略を隅に置き、チェチェン人の人となり、精神の寛容さ、独特の男女観、文化がよく描かれており、現在の日本にない文化に憧憬した。写真は少ないが、文章には鬼気迫るものがあり誰にでも読んでほしい一冊。現在のロシアを掘り下げる入門書。

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    2025年03月03日
  • ロシア・チェチェン戦争の628日

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     1997年に小学館から『カフカスの小さな王国 チェチェン独立運動始末』として刊行された書籍に、プーチン首相就任後の第2次チェチェン紛争、2022年のロシアによるウクライナ全面侵攻後の取材と文章を追補したもの。1995年、エリツィン政権時代の第1次チェチェン紛争の現場に入り、自由とロシア支配からの解放を目指して抵抗を続けたチェチェン人たちの飾らない素顔が文字に定着されている。
     本書の記述を追いかけていると、プーチンの権力基盤とそれを支える人々の思考がより鮮明に見えてくるように思う。わずか人口80万人の小国の独立さえ抑えることができないロシアの状況を「悲しむべきこと」と捉え、「強国」「大国」と

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    2024年03月25日
  • 秘密保護法――社会はどう変わるのか

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    ジャーナリストや法律の専門家たち4人による論集。かつての治安維持法のようになるといった主張がちょっと飛び過ぎじゃないかなと思うところがなきにしもあらずだけど、特定秘密保護法でどういった人権侵害が起き得るのか等のマイナス面をよく学べる。憲法があまりにもないがしろにされている安倍政治、どうなのよと思う。
    立法事実がない、米の基準に合わせるためのもの、独立教唆、裁判で被告は何が原因で訴えられてるかすらわからなくなるといった諸々の問題。

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    2016年02月29日
  • 秘密保護法――社会はどう変わるのか

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    本書は、2014年12月10日に施行された、秘密保護法に関する検証を綴った一冊である。
    何故、今秘密保護法なのか?
    著者のひとりである堀敏明は、立法事実がないことに疑問を呈している。
    立法事実とは、「その法律が必要とされる事実が社会に存在している」ということ。
    例えば窃盗による被害が大勢いれば、それを取り締まる法律が必要となるような社会的問題が、立法事実である。
    国家秘密漏洩事件が多数起こっているのであれば、秘密保護法が制定される必要とされる立法事実が存在するのであるが、そのような事実は現在確認されるだけでも僅かであるらしい。
    ちなみに現在起きている主要な情報漏洩問題に関してはほぼ既存の法律で

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    2014年12月11日
  • 秘密保護法――社会はどう変わるのか

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    秘密保護法が憲法と矛盾しているというのは知っていたけれど、ほかにも様々な面で普通でない法律だということが分かった。

    たとえば
    ・立法事実がない
    ・処罰の対象となる犯罪を明確にしていない
    ・実際に犯罪が発生していなくても処罰できる
    など。

    これまでにも制定された法律が後に違憲とされることもあったということで、立法の場では憲法は重視されていないのかなーと思ってしまった。

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    2015年08月09日
  • 秘密保護法――社会はどう変わるのか

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     宇都宮健児弁護士やジャーナリスト、大学教授など法律の専門家ら4人の、秘密保護法に関する主張が収録されている。150頁程度で、内容としてもすぐに読めてしまう。秘密保護法に関する入門書としては最適だろう。
     2014年に施行された法律として、2014年のうちに一度考えてみたかった。
     筆者らは主張する。秘密保護法は戦争を可能にする法律であると。生命や生存という基本的人権が脅かされるのが戦争である。
     秘密保護法が、かつての治安維持法を彷彿とさせるような、自由な言論の芽を摘むんでしまうような法律となりうることは理解できた。
     秘密保護法を、違憲として廃止に持ち込むことが可能であると、宇都宮氏は唱え

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    2015年01月01日