林克明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1997年に小学館から『カフカスの小さな王国 チェチェン独立運動始末』として刊行された書籍に、プーチン首相就任後の第2次チェチェン紛争、2022年のロシアによるウクライナ全面侵攻後の取材と文章を追補したもの。1995年、エリツィン政権時代の第1次チェチェン紛争の現場に入り、自由とロシア支配からの解放を目指して抵抗を続けたチェチェン人たちの飾らない素顔が文字に定着されている。
本書の記述を追いかけていると、プーチンの権力基盤とそれを支える人々の思考がより鮮明に見えてくるように思う。わずか人口80万人の小国の独立さえ抑えることができないロシアの状況を「悲しむべきこと」と捉え、「強国」「大国」と -
Posted by ブクログ
本書は、2014年12月10日に施行された、秘密保護法に関する検証を綴った一冊である。
何故、今秘密保護法なのか?
著者のひとりである堀敏明は、立法事実がないことに疑問を呈している。
立法事実とは、「その法律が必要とされる事実が社会に存在している」ということ。
例えば窃盗による被害が大勢いれば、それを取り締まる法律が必要となるような社会的問題が、立法事実である。
国家秘密漏洩事件が多数起こっているのであれば、秘密保護法が制定される必要とされる立法事実が存在するのであるが、そのような事実は現在確認されるだけでも僅かであるらしい。
ちなみに現在起きている主要な情報漏洩問題に関してはほぼ既存の法律で -
Posted by ブクログ
宇都宮健児弁護士やジャーナリスト、大学教授など法律の専門家ら4人の、秘密保護法に関する主張が収録されている。150頁程度で、内容としてもすぐに読めてしまう。秘密保護法に関する入門書としては最適だろう。
2014年に施行された法律として、2014年のうちに一度考えてみたかった。
筆者らは主張する。秘密保護法は戦争を可能にする法律であると。生命や生存という基本的人権が脅かされるのが戦争である。
秘密保護法が、かつての治安維持法を彷彿とさせるような、自由な言論の芽を摘むんでしまうような法律となりうることは理解できた。
秘密保護法を、違憲として廃止に持ち込むことが可能であると、宇都宮氏は唱え