ジョンジョー・マクファデンのレビュー一覧

  • 量子力学で生命の謎を解く

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    生命の謎に量子力学が関わっていると言われると、いかにも胡散臭い。しかし、シュレディンガーが言うには、マクロなものを考える古典物理学の観点から考えると、遺伝子は1000回に1度エラーを起こす程度にはサイズの小さい代物だが、実際にはエラーは十億分の1未満で、ここには量子レベルの厳密さが関わっているはずだ、ということらしい。この理屈は、物凄く分かりやすく、この本の本質を付いていると思う。一方で、生物のような温かくて湿った場所では、粒子の量子的な性質は失われてしまうということも、この本の重要なテーマである。このテーマは現在急速に研究が進んでいるらしいが、現在有力な考え方についても一応書いてあるので、真

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    2023年08月21日
  • 量子力学で生命の謎を解く

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    自分は、生命学は分子レベルで説明できると思っていましたが、量子力学レベルまでいかないと説明しきれない現象が数多くあるとのこと。

    異なる場所に同時に存在できる、トンネル効果で壁をすり抜ける、何千キロも離れた場所にある2つの粒子の片方に影響を与えるともう片方にも瞬時に同じ状態が現れる。

    このような量子の不気味な振る舞いが、遺伝子や光合成などの生命における最重要部分の説明に必要とされている。

    そもそも難解な話を誤魔化すことなく、正面から分かりやすく解説しており、人間や生命の成り立ちに好奇心を持つ人には必読の本です。

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    2021年01月31日
  • 量子力学で生命の謎を解く

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    酵素や体内コンパス、光合成などのミクロな生物の機能で実は量子力学の法則を生物が活用していることの紹介とそれらをさらに発展させ、DNA、RNAなどのミクロな働きやそれらが誕生した際にも量子力学の原理が発揮されてこそ、短期間でそれらの仕組みが出来上がったのかもしれないという仮説を提示する。一般向けの書物で、量子力学の基礎からわかりやすく書いてある。
    量子力学の機能するコヒーレントな状況下では、電子は確率分布でどこにでも存在する。測定によって存在が一義的に決まってしまうが、光合成の効率的なエネルギー化にはこの量子力学の高速探索能力が必要であり、植物の生きる範囲の温度でもでコヒーレンスは起きない状況が

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    2016年10月07日
  • 量子力学で生命の謎を解く

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    量子生物学、とても刺激的です。酵素の働き、光合成の効率、遺伝子のコピー、磁気感覚器官まで、量子力学を使うことで説明できるようになった。いろんな例を素人にも分かる言葉で説明されています。
    生物と無生物との違い、自己複製するだけでなく、熱力学的な無秩序に打ち勝ち、自己持続性を保つ生物。量子力学を用いないと解明できないというシュレディンガーに同意できました。

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    2016年10月02日
  • 量子力学で生命の謎を解く

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    量子力学的な効果が生命現象に関与している、ひいては生命がマクロな量子力学的現象だと信じるに足る証拠をわかりやすく説明しており、非常に面白く、刺激的だ。

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    2016年05月29日
  • 量子力学で生命の謎を解く

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    光合成などの生命の謎を量子力学で説明できる!ということに感動。今まで腑に落ちなかった疑問点が了解できたことにも感動。

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    2016年04月06日
  • 量子力学で生命の謎を解く

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    量子力学から生物学の謎を解くという取り組みは大変に興味深い。
    仮説であると断っている部分も多いが、妥当性は決して低くないと思う。
    学術的な良心に基づいた、この分野の入門書だ。日本人でも量子生物学の研究者はいるのだろうか。
    2014年に原著が出ているが、2013年までの論文が引用されている。引用文献リストも末尾に付されている。

    量子力学と言っても、トンネル効果、波動の重ね合わせ、量子もつれ、スピン、そして、コヒーレント状態など基本的な概念の適用で説明される事象ばかりであり、それらの概念も本書で丁寧に説明されている。渡り鳥などの磁気コンパスや光合成、魚や昆虫などの鋭い嗅覚、遺伝子の忠実な複製、遺

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    2016年02月08日
  • 量子力学で生命の謎を解く

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    非常に分かりやすい比喩を用いて量子生命学について書かれている。とは言っても内容を理解するのは結構大変で、集中して読みながら、不明なところは他の本やネットで調べていかないとついていけない。もっともそれは私が文系だからかもしれない。 これからさき、何度か読み直すとより理解が進んでいくような気がする。

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    2016年01月09日
  • 量子力学で生命の謎を解く

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    量子力学を使って生命現象の謎を解き明かす量子生物学という
    新しい研究分野に無知な私でも、ある一線を超える、
    より深いところへ連れて行ってもらえた。
    古典的なニュートン力学から熱力学、量子力学、さらに生物学との融合。
    未知なる真理の大海原の果てにある生命の本質に、
    人類はいつの日かたどり着けると思わせてくれる素晴らしい一冊。

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    2015年12月24日
  • 世界はシンプルなほど正しい~「オッカムの剃刀」はいかに今日の科学をつくったか~

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    中世から現代まで科学を中心に「オッカムの剃刀」がいかに振るわれたかを辿る。全20章。

    はしがきで「宇宙マイクロ波背景放射」なるものが淡々と語られる。その書き振りは「ほら、みんなの好きそうなおもろい導入部でしょ?これからもっとおもろくなるで!」という作者のワクワク感と飴玉ここに置いといたからみたいなのを感じるんだけど私としてはこりゃしまったな、思ってたのよりだいぶレベルが高くて読み切れないのではという感じだった。ページ見たら460とかあるし。むむむ。

    ただ読んでみるとおもろい。最初はオッカムのウィリアムの逃亡劇。しばらくしてコペルニクスにガリレオ、ロバートボイル、ウォレス、ベイツ、ダーウィン

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    2024年01月30日
  • 量子力学で生命の謎を解く

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    わかったこととわかってないことが誠実に書いてあるように思う。古典的な生物学で解明できていないことを量子力学で説明しようとするのは当たり前のことで、その環境も整ってきているということなんだろう。この先ますます進んでいく分野だろうし、勉強していればおもしろい話がきける気がした。

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    2023年01月03日
  • 量子力学で生命の謎を解く

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    ネタバレ

    量子力学と生物・化学・物理とのつながりを垣間見ることができた。高校物理の二重スリット実験から、ここまで議論が広がるのかと感心してしまった。正直内容は難しく、特に後半部分はよくわからなかったところがいくつかあったが、純粋にサイエンスというものを楽しむことができた。理科の4科目は全てつながっているということを再認識することができたし、高校理科の内容にこのようなトピックを織り込んでくれたらどんなに良かったかと感じた。

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    2020年02月26日
  • 量子力学で生命の謎を解く

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    難しくて一気に読めない
    一気に読まないから内容がいまいち入ってこない。

    テーマは面白かったし、この本を読んでいる間にいろいろ関連しているニュースにアクセスできて
    「おお、このニュースってこの事じゃん」などあり、楽しい数ヶ月間でした。

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    2019年02月23日
  • 量子力学で生命の謎を解く

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    ミクロの世界の量子力学を使って生命現象の不思議を解く。量子ゆらぎ、トンネル効果、などなど。量子コヒーレント状態を維持すると量子の働きが現れる。生物の体内では分子の衝突によってデコヒーレント状態になると思われていたが、短い時間間隔でもコヒーレント状態を保たせる仕組みがあるようだ。不思議な世界。

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    2018年10月20日
  • 量子力学で生命の謎を解く

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    生命は量子力学に頼っていると考える2人の研究者が最新の量子生物学について素人向けに解説しています。
    前半の150ページほどを費やして、量子力学の不思議な世界観を初心者向けに丁寧に説明しており、特に二重スリットのくだりが秀逸で分かりやすい。
    以前から個人的にとても興味をそそられている量子もつれの説明も面白かった。
    何度か登場する「作ることができないものは理解したことにならない」というファインマンさんの言葉が印象的です。
    現時点でも我々の技術では未だに生命を作りだせていない。酵素すら作れていない。
    従ってどんな説も推論の域を出ないのだが、呼吸、光合成、嗅覚、渡り鳥の地磁気感知などに量子の振る舞いを

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    2018年09月04日
  • 量子力学で生命の謎を解く

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    (途中メモ、雑記。)
    ↓超勝手な感想。なんの根拠もなーし。オカルトのつもりもなし。

    修復するDNAやボディの話やら読んでるうちに、あるべき姿のバックアップのような、たい焼きの金型のようなものが置いてある次元が思い浮かぶ。
    すると、ペンローズでもでてきたイデア論がしっくりくる。
    Googleの人工ニューラルネットワークが見た夢が悪夢のようだったのは、計算処理上でイデアに接続する量子のもつれやらが介在していないことによるんじゃないか、と。イデアを背景にもたない機械処理は、あのGoogle"Deep Dream"やギーガの絵のような世界をもたらし、ホーキングやらが警告する人工知

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    2018年04月02日
  • 量子力学で生命の謎を解く

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    最初のところすごいいんだよね。引き込まれる。定義として、生命と非生命を分けるのって何?量子力学的な見地を取り入れられているのかどうか?ってことなんだよ。ってところ。「福岡伸一、西田哲学を読む」と同時に読むと、ああ、動的平衡で話していることってつまり、量子的な効果の見えるコヒーレントな状況を作り出すということが先回りなんだろうなとか合点できて、読書の楽しみを満喫しているところ。読者は検証しなくて想像だけしてればいいからね。

    ニック・レーンの生命、エネルギー、進化のほうが深みがあるし、しかも検証の程度も進んでいる。こちらは比較的量子力学と生命に関していろいろな話があるんですよということをまとめて

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    2018年03月04日
  • 量子力学で生命の謎を解く

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    書いてあること全て理解できる人というのは多いとは思えない。けっこう難しいというか、そもそも量子論なので直観的に理解できないので、そういうものか、と思える人向けか。

    チョウやコマドリの渡りから、嗅覚、遺伝子、人間の意識から生命の誕生まで、初めて触れる量子生物学の世界は奥深く「これから」感が半端ない。

    ほぼ事実として、

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    2018年01月28日
  • 量子力学で生命の謎を解く

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    目次に生命の起源がありました。学生当時、原始地球環境をシミュレーションするため、地球惑星物理学を専攻してました。分子生物学(DNAの螺旋構造など)の言葉はあったけど、この本は量子(電子、陽子、中性子、光子など)生物学?!目次をみるだけで興奮しました。

    肝心要の箇所が理解できない。細胞内(荒れた海)で量子の性質(コヒーレンス〈同調性〉)を維持するメカニズムを船長の航海術に例えている。工夫が無いと荒れた海の波に飲まれてしまうが、優秀な船長は荒れた海を逆手に取って、より早く航海できるんだそうです。

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    2017年12月08日
  • 量子力学で生命の謎を解く

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    量子力学は何度解説書を読んでも実感をもって理解した気にならないが、半導体を始め、現代の生活は量子力学抜きには成り立たない。

    そもそも太陽光の元となる核融合自体が量子力学だし、光合成や嗅覚、神経、細胞内のエネルギー消費など、生命活動にも量子力学が大きく関わっているらしいことが近年わかってきたとのことだ。逆にいえば、それ以前の古典力学や熱力学では説明できないということだ。

    生命の発生との量子力学の関わりだが、これだけ生命活動の根幹に関係しているのだから、関係ないわけがない、というのが著者の主張であり、確かにそうに違いないと思わせられる。

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    2017年03月20日