加村一馬のレビュー一覧

  • 洞窟オジさん

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    「洞窟ばか」という洞窟探検家の本を探そうとして、何故か洞窟オジさんと検索したのがこの本を知った切欠です。
    似ているようで全く別。洞窟ばかは現代人らしく未知の洞窟の探検に血道を上げていますが、洞窟オジさんと来たら、親の虐待に耐えかねて愛犬シロと家出をした13才の少年が、足尾銅山の洞窟に住み、蛇や虫や猪を食べて生き延びていく話です。
    本当に望んで山奥で自給自足するようになったのかといえば、人並みに生きていける環境になかったので結果的に野人になって生きていくしかなかったので、何とも切なくて切なくて。
    字も読めないし計算も出来ない、白米も殆ど食べていなかったからおにぎりを貰ってもなんだか分からない。現

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    2018年07月10日
  • 洞窟オジさん

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    昔、洞窟だかどこだかで自力で何十年も生活した人の本がある、と何かで見たか読んだかで興味を持ったことはあったんです。

    でもその当時それはハードカバーで、大好きな作家以外の本は文庫派の私には手が出ないもので、いつの間にか忘れてしまってました。

    今日、お気に入りの本屋をウロウロしていたときにこの本が目に入り、「なんか聞いたことある……」と手に取り、買ってきました。

    すごい。
    この人すごい。
    13歳で家出して、犬と共にヘビとかネズミとかカタツムリ、コウモリ、その他たくさんのものを自分でとって食べて生活していたなんて。
    何年も山の中にいたから、字も読めず、お金の使い方もわからなかったなんて。

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    2015年10月30日
  • 洞窟オジさん

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    えっ!こんな人が居たのか!と驚くような物語だった。『洞窟オジさん』という奇妙なタイトルは文字通りだったのか!

    著者は僅か13歳で家出し、以来、足尾銅山の洞窟や新潟県や福島の山中、富士の樹海、小貝川の河原などを転々としながら、43年間もサバイバル生活を送ったというのだから驚く。それも、文明とは一切隔絶した自然に身を置き、殆どを己れの力だけに頼り、生き延びたというのだ。時には他人に助けられるのだが、その際、水洗トイレや携帯電話などの文明の利器と出会った時の描写が面白い。

    サバイバル生活の43年間と、さらには社会復帰を果たすまでの11年も描かれ、一体、人間とは何なんだろうと深く考えさせられる作品

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    2015年09月17日
  • 洞窟オジさん

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    惹き込まれた。童心の趣くままに、すらすら読めました。普段、漫画しか読まない人間が。
    ちょっと、真似できないし、こんにちの日本では考えられない生活。
    面白かったです。

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    2024年06月11日
  • 洞窟オジさん

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    感想
    人を拒絶する。ずっとし続ける。だけど人の温もりが忘れられない。それが人間。社会復帰を果たしたオジさん。洞窟の外の幸せを噛みしめて。

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    2024年04月18日
  • 洞窟オジさん

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    テレビで紹介されていたのですね。
    好きな作家さんがおすすめしていたので読みました。

    虐待から逃れるために中学生の年齢で犬と洞窟で生活。その後も事実は小説より…という怒濤の展開。

    ホームレスに文字を教えてもらうまで読み書きできなかったというあまりにも現代離れした純粋さ。
    恐らくかなり編集やライターの手が入っていますが、その素朴さが表れています。
    話し言葉を書き下ろした様な文章は読みやすく親しみやすいですが、もう少し突っ込んだところを聞きたかったというのが本音。

    余計な知識のなさからくる魅力と、これだけの経験に学力が伴っていたらもっと面白い人生になっていたのではという矛盾した思いを抱えてしま

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    2021年04月28日
  • 洞窟オジさん

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    ネタバレ

    兄弟の中で一人だけ疎まれ虐待を受けて育った理由はもちろん知る由もないが、もしかしたら、我が子ながら恐くなるほどの、他を駆逐してしまうほどの強烈な力を持っていたから、無意識に抑えつけずにはいられなかったのではないかと思った。
    とにかくすごい生命力だ。この人が社会から見捨てられずところどころで世話を焼いてくれる友人ができたり支えようとする人々が出現するのは、犬のシロを思う情愛の濃さがあり実はコミュニケーション力が高いこと、サバイバルスキルが高く憧れを抱かせてくれること、建前がなくても人間どうとでも生きられるという安心感をくれるからなのかもしれない。

    加村氏が途中で一度死のうと思ったことがあるとい

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    2020年11月16日
  • 洞窟オジさん

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    体験者が語る本には、時々凄いものがあって、これもそうだと思う。思う、というのは、凄いんだけど、多分ライターが書いたせいもあり、本人の性格もあり、どこかひょうひょうとして、あっけらかんとしたところがあるせい。
    もし小説家が書いたらもっと劇的に書いただろうが、これはこれで良い。
    著者(本人は学校もほとんど行かず、読み書きもあまりできないので、もちろん書いてはいないだろうが、書いた人の名前があるわけではないので、とりあえず「著者」にする)は兄弟の中でも自分だけ親から虐待を受け続けることが我慢ならず、13歳の時に家を出て、追いかけてきた犬のシロとともに足尾銅山の洞窟で数年暮らす。シロが死んだあと、山中

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    2020年02月26日
  • 洞窟オジさん

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    ネタバレ

    いざとなったら人間なんとかなるだろうという安心感と、それにしても壮絶な人生だったんだなぁと楽しく読めた。

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    2019年11月23日
  • 洞窟オジさん

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    “洞窟おじさん”と言いながら、実際の洞窟生活は最初の数年だけだったようだ。

     家と学校。小学生の世界って、基本はこの2つ。両方からはじかれた主人公が向かった先は、小学校に入る前の世界。それは山と川。主人公はそこで飼い犬シロとともに自由を手にする。でもその自由も、シロの死で価値がなくなり、手放す。

     その後はあちこちの山や川を行ったり来たりして、いろいろな人と出会う。徐々に人間社会に入って行き、成長を遂げる。自殺を図ったこともあったが、貨幣経済との出会い、そして商売を始めたり、読み書きを覚えたり、酒やタバコ。釣りを通じて友人もでき、シロの死以降感じたことのなかった寂しさも感じるようになる。

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    2019年08月30日