昔、洞窟だかどこだかで自力で何十年も生活した人の本がある、と何かで見たか読んだかで興味を持ったことはあったんです。
でもその当時それはハードカバーで、大好きな作家以外の本は文庫派の私には手が出ないもので、いつの間にか忘れてしまってました。
今日、お気に入りの本屋をウロウロしていたときにこの本が目
...続きを読むに入り、「なんか聞いたことある……」と手に取り、買ってきました。
すごい。
この人すごい。
13歳で家出して、犬と共にヘビとかネズミとかカタツムリ、コウモリ、その他たくさんのものを自分でとって食べて生活していたなんて。
何年も山の中にいたから、字も読めず、お金の使い方もわからなかったなんて。
今現在も、お元気でいらっしゃる人の話ですよ?
この人はもう、どこでだって生きていけるなあ、でも信頼できる人たちに出会えてよかったなあとあたたかい気持ちになる反面、切なくもなります。
両親から虐待さえされてなければ、貧しいながらも明るく楽しく暮らせていたかもしれないのに……。
8人兄弟で、なぜ加村さんだけ虐待されていたのか、本当にご両親に聞いてみたい。
その虐待していた父親がいたからこそ、加村さんも山の中で生きる術を身に付けていたんだと思うと、複雑な気持ちになります。
どんなにあたたかい人たちに出会っても、今までで一番の思い出は愛犬シロと暮らした洞窟生活、という加村さん。
きっとそうなんだろうなあ、とジーンとします。