京井良彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレあらすじ
「斬新なアイデアが浮かばない」「プレゼンで一生懸命説明しても相手に響かない」と悩むビジネスパーソンに向けて、企画の本質と人を動かすプレゼンテーションの技術を基礎から実践レベルまで解き明かした入門書。企画とは突飛なひらめきではなく、「相手の課題や困りごとを発見し、その解決策を具体化すること」であると定義する。アイデアを論理的な骨子に落とし込むフレームワーク、1枚で伝わるスライド・資料構成のルール、聞き手の心理を動かすストーリー設計や話し方のツボを網羅。組織や上司を納得させ、自分の提案を実行に移すための「通る企画の作り方」を指南する。
所感・深掘り
「企画やプレゼンは、センスや話術に優れた特別な人がやるもの」という誤解を払拭し、相手の立場に立った極めて論理的で思いやりのあるコミュニケーション技術だと教えてくれる、非常に実直な一冊だった。
特に深く腑に落ちたのは、「企画のスタート地点は、自分の言いたいことではなく『相手の課題(ペイン)』にある」という点だ。熱意がある人ほど、「このアイデアは素晴らしい」「ここを変えたい」という自分の思いばかりを前面に出し、結果として聞き手から「それで、何の役に立つのか」「現場の負担はどうなるのか」と反発を受けてしまいがちになる。本書が説くように、「相手が今どこで困っているのか」「この提案を採用すると相手にどんなメリットがあるのか」を徹底的に言語化し、相手の視線に立って構成を組むことこそが、合意を得るための最も確実な近道なのだと再確認した。
また、プレゼンを「一方的な演説」ではなく「相手と合意を形成するための対話」として捉えている点も心強い。文字で埋め尽くされた資料を読み上げるのではなく、骨子をシンプルに絞り、聞き手が「それならやってみよう」と一歩を踏み出せる仕掛けを用意する。会議や研修、組織改革の場において、周囲を巻き込んで物事を前進させるための確かな共通言語になると感じる。
自己満足の主張を手放し、相手の課題解決のために言葉と構成を尽くすこと。
組織の中で新しい試みを通したいときや、人を巻き込んで変革を起こしたいすべてのリーダーにとって、足元を固めて背中を押してくれる頼もしい実用書だ -
Posted by ブクログ
本書の装丁に書かれている文言を抜粋。
"もう「シゲキ的!」では人は買わない!"
"なぜあの人は同じ会社のものばかり買い続けるのか"
これは、マーケターとして感じる真の部分でもあり偽の部分でもある。
たしかに同じ場所で買い続けるが、一方衝動買いということも往々にして起こっている。
現在のようなインフォメーション・カオス・ジャングルの中でもマーケターはミチシルベをさし続けなければならない。
そのヒントを見つけるため、本書を手に取った。
やはり顧客とのロングエンゲージメントを考慮しなければならないのは実際に現場でも上がっている問題だ。
本書は広告部分、すなわちアテンションにフォーカスしている内容ではあるが、LTVのようなKPIも存在する現代では、集客後のロングエンゲージメントが大きな問題であるように思う。
これから、もっとその傾向は顕著になってくるだろう。
次世代○○という括りの1つとしてこれも考慮すべき問題だろう。
ぜひとも一読したい内容。☆4つ
■目次
プロローグ
カンヌ国際広告祭で受け取ったメッセージ
第1章 広告のアテンション獲得競争はもはや限界を迎えている
第2章 ソーシャルメディアは生活者の何を変えるのか
第3章 「共感」コミュニケーションの時代へ
第4章 ロングエンゲージメント・コミュニケーションが新しい関係を作り出す 第5章 広告はハピネスを与えるもの
『ロングエンゲージメント』刊行に寄せて
「声が大きな人」の時代が終わる -
Posted by ブクログ
初めてマーケティング関連、かつTwitter/Facebook関係の本を読みました。広告を生業としている人が書いているので、理解しやすかったです。
SNSを企業が使うのはいいのですが、企業内における論理と顧客など、不特定多数が見ている場所での論理が異なる場合にはどこかでボロがでて破綻し、信頼を失う気がします。「お天道様はお見通し」のような言葉でも現れている通りだからです。複数の論理が企業内に存在する場合、統一することが必要だと思います。本では、企業は企業理念に基づいて行動せよと書いてあります。私もそのとおりだと思います。ですが、日本企業で理念を重視した経営を行なっている企業がどれだけあるのか??本で例示されているサウスウエスト航空、アップル、ベストバイとかのほうが経営理念重視な気はします。(実際どうかはわかりませんが・・・)外国人は物事を俯瞰する能力が日本人より高いと思うので、仕組みやコンセプトを打ち出したりすることに関しては素晴らしいと思います。
いいね!とかRTとか、「共感」をみんなは求めていると書いてありました。広告とは関係ないのですが、やっぱり人間はみんなさびしがりなんだなぁ、と改めて思いました。また、この本を読んでみて、人間心理とか、行動心理学も必要なのだなと感じました。 -
Posted by ブクログ
選択可能情報量は、2001年に比べて500倍になっている
アテンションエコノミー アテンションにこそ経済価値がある「アテンション!」
広告はアートになる by アル・ライズ
人間の歴史を振り返ると、人類を支えてきたあらゆるコミュニケーション手段は、その機能的な目的を失うとアート、つまり芸術になる ex. 絵画が写真の発明でアートになる
ブログ、Twitter、Facebookは、ソーシャル化することが目的のソーシャル化→社会的動物としての人間の本性に直接根ざすソーシャル化
ソーシャルメディアの浸透は、人間が本来のソーシャルアニマルとして行動しやすい環境を整えた
生活者が発信する情報にこそ一次情報が含まれる
情報が価値を持つ時代が終わり、「コンセプト」が価値を持つ時代が来ている。今日の生活者が直面している、現代社会における悩みや問題点、そしてチャンスなどを取り上げて、僕たち生活者はこれまでと違った新しい時代を生きていること、また、これからの時代は、ハイタッチ(感性)やハイコンセプト(創意)が優先される、これからの未来をリードするのは、デザイナー、発明家、教師、作家などのこれまでとは違ったタイプの人間であり、クリエイティブで共感的な右脳型人間の能力こそ示談をリードする(ダニエル・ピンク「ハイコンセプト」)
成熟市場では、論理的・合理的思考だけでは選択できないことが増えてくる。それゆえ、新しい時代には、この左脳主導の考え方を「6つの感性」、つまり6つの右脳的資質を身につけることによって補っていく必要がある
6つの感性
機能だけでなくデザイン
議論よりは物語
個別よりも全体の調和
論理ではなく共感
まじめだけでなく遊び心
モノよりも生きがい
ソーシャルメディアは「共感」によって形成されていく
ex. いいね RT
情報は届けられるものから、価値観に合わせて選ぶものへ
①コンセプト(全体像)
単体の事実情報であれば、グーグルの検索で誰でも瞬時にアクセス可能になっている。集めた一つ一つの情報を共通の背景や文脈といったものでつなぎ合わせて、新しい全体像、つまり「コンセプト」を描かなければ次は見えてこない
コンセプトによって、単体の情報やコンテンツが集合体としてつながり、新たな価値が生まれる
②ストーリー
「語りによるイメージ作り(認知科学者マーク・ターナー)」、人間の主要な思考手段。人間の脳は、ストーリーを聞いたり語ったりすることで、情報やデータより深く理解するようにできている
商品やサービスの機能や価格や品質の差は、生活者にとって微差になってきている。その微差であるスペックを、情報やデータを並べ立てて説明しようとしても、なかなか共感を獲得するのは難しい。生活者は、微差のスペックの情報やデータを意識するのではなく、その商品やサービスにまつわるストーリーを知ることで共感を抱く ex. モレスキン
③デザイン
マズローの欲求段階説
生理的欲求<安全の欲求<親和の欲求<自我の欲求<自己実現の欲求
「自分がコミュニティの一員であるため、その繁栄に貢献したい」「個人の成長」→自己実現の欲求
金銭を求めずに無償で奉仕を続けると、その人は金銭の代わりに評判や信用といった価値を受け取ることになる=ウッフィー
もはや生活者は、消費者と呼ばれるマーケティング上のターゲットではなく、企業哲学に対する価値観を共有し、一緒にブランドを作り、企業の成長を担っていくパートナーとして付き合っていくべき
企業と生活者が、共感という価値観によってつながるきっかけは、価格や品質、機能といった物理的な要素ではなく、コンセプト、ストーリー、デザインという感情的なもの
ロングエンゲージメントの要素
①企業哲学の共有
②生活者の参加
③生活者との対話
ザッポス コールセンター→ブランディングの場
人々のハピネスは、物質的な豊かさを求めるものから社会をより良くしていこうというマインドにシフトしつつある ex. PEPSI refreshment project -
Posted by ブクログ
広告の境界線がなくなり、見えない広告へと変化している現状について、カンヌ国際広告際の受賞作の話から内容は始まります。
共感という点では、さとなおさんの著作「明日のコミュニケーション」で述べられていなかった、企業の活動の在り方について述べられていました。
共感を生む広告のために取り組むべきこと…
この問題に広告担当者だけがぶつかるのではなく、企業にかかわる人すべてが協力し合い、長期的な視野で考えていく必要があるのだということを学びました。
最新のテクノロジーや情報ツールをこねくり回すことだけがすべてではない、という、まとめ部分の主張には納得。
Facebookも、そのほかのツールも、便利であればあるほど、本質が見えにくくなると思っています。
頼りすぎず、本当に必要な時の心強い味方として、選択肢に入れておく程度がよいのかもしれません。 -
Posted by ブクログ
AIDMAのアテンションよりも、共感が大切。
生活者は膨大な情報の中から、「何が自分にとっての情報なのか」を選択する必要がでてきた。つまり「情報」は、届けられるものから、それぞれが価値観に併せて選ぶものになったのです。
共通するのは「共感」というキーワードです。TWにおける「RT(リツイート)」も、FBにおける「いいね!」も、共感の表現と言えます!ソーシャルメディアは、「共感」によって形成されていくものといっても過言ではない。
データを計算すると、「選択可能情報量」のうち、人間が処理できる「消費可能情報量は」わずか1%程度。要は世の中にある情報の99%が消費不可能な情報、言わば「ゴミ同然」ということになります。見たはずなのに覚えていない広告は、ゴミとして葬り去られているのかもしれません。
6つの完成とは、「機能だけでなくデザイン」「議論より物語」「個別よりも全体調和」「論理でなく共感」「まじめだけでなく遊び心」「モノよりいきがい」
生活者は、自分も製造し関与し工程に巻き込まれることによって商品への愛着心が増し、ブランドとの関係性が不kまあります。こういったものがエンゲージメント・マーケティングと呼ばれるものです。
ザッポスのコールセンターには、マニュアルがありません。顧客への対応は、電話にでるコールセンターの社員、一人ひとりの判断に任されています。そうすることで、担当者は必然的にお客様一人ひとりに向き合うことになり、生活者の「一人の人間として扱ってほしい」という感情的な欲求にこたえるようになります。
多くの企業は、新規顧客の獲得にエネルギーとリソースのほとんどを投じてしまい、釣った魚にエサはやらないことが少なくありません。 -
Posted by ブクログ
2010年に書かれた書籍のため、前半のソーシャルメディアのくだりはおさらいという印象。後半の次世代の広告のあり方は、SNSの考え方の延長線上にあることから、腹落ちしやすい提言になっています。
SNSの普及、それは共感での結びつきの浸透を意味していて、広告が溢れかえった現代では、コンセプト、デザイン、ストーリーが差別化させるための重要な要素となると。
納得できます。ここに共感が加わると、もはや広告はクリエイターのものではなく、生活者のものになるのではないかな。発信することよりも、いかに生活者に育ててもらえるかに重きをおく広告。生活者の中に入り込む日常的な広告。心地よい、社会貢献の要素をもつ愛すべき広告。そういう意味で、生活者はターゲットではなくパートナーだと。
広告の概念の幅が改めて広がりました。 -
Posted by ブクログ
今までのマーケティングは生活者が経済合理性に基づいて行動するように構築されていたが、豊かな世の中においては、『社会をより良くする』という新しいモチベーションが生まれている!
スペックで差別化出来ないとなると、重要になるのが、企業や商品の背景!つまりコンセプトということになる。商品自体の機能だけでなく、企業の哲学、社会貢献や、世の中を盛り上げたり、価値観を再認識させたりなどと、世の中を良くしようという流れを吹き込み、その働きに共感が生まれることで意思決定が生まれるようになってきた。
その一手を担っているのがソーシャルメディアであり、その活用事例なども本書では紹介している。 -
Posted by ブクログ
仕事場の後輩が、作者の知り合いということで、貸してもらった。
今の世の中のキーワードをよく、ちりばめた本である。
客様はなぜ、そのメーカーの商品を買い続けるのだろうか?
それは、企業と生活者が、「企業哲学」を共有して、お互いが
パートナーとして認め合い、よい関係を保ちながら長く付き合うから
だという。
ブランド品も、長い信用があるから、人々は買い続けるのだろう。
オバマの支持者が一般者に電話している様子をリアルタイムで
わかるしくみを用いたことで、熱の入った、サポートができたという。
やはり、他人ががんばって仕事をしているのがわかる、競争状態がわかることで
仕事の成果が目に見えて違うようだ。共創と競争は正しいしくみなのである。
また、人の行動は、’楽しい’によって大きく変わる。
仕事も’楽しい’をキーワードにすると成果が全く変わってくる。
この本に紹介されていた、コリイ・ドクロラの「マジックキングダムで落ちこぼれて」
では、人からよろこばれたり、手助けしたり、尊敬されると、ウイッフィーという通貨
代りのものが増えて行くという。これからの未来のあり方を示唆するような内容だが
おもしろそうなので、今度、読んでみよう。