中村保男のレビュー一覧
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ネタバレ青い十字架
実は最初に読んだのは小学生の頃だ。この話だつまたかどうかは忘れたが、実は僕はブラウン神父と15年も前に出会っている。その時どう思ったのかは忘れたから、実質的には今回が初めてと言えよう。ブラウン神父の話でありながら名刑事ヴァランタン目線で話が始まり、おかしな2人の神父の謎を追うことになる。ブラウン神父が主人公とわかっていながらも、神父の活躍と奇怪なイタズラの数々とがどう繋がるのかわからないのがこの話の面白さ。格言めいてこの話をまとめるなら「後ろぐらい奴は事を荒立てない」といったところか。
あの台詞はここに出てくるのか!しかも言ったのはヴァランタンかい!しかもあれは刑事から見た愚痴 -
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シリーズ第5短編集にして最終作。風采の上がらなかった神父も世に知られる人物になったしフラウボーも前作で分かるよう過去の人物になった。
実は本書収録の『村の吸血鬼』は本短編集の後に発表されたものだが作者の死去に伴いここに掲載されるようになった模様。たぶんフラウボーが出てきた話が本当のラストで次作は新シリーズの構想があったのだろう。
今まで動揺に神父の逆説と文章で幻惑させてくる様な構成。映像化したら早々にバレそうなトリックもあるがそれ故に文章で楽しむ作品なのかもしれない(時代を変えてドラマ化され、そちらもシリーズ化はされている)。
これまでの探偵小説とは異なり相棒が記述するスタイルでないのもあるが -
Posted by ブクログ
冴えない風采ながらも鮮やかな知性を光らせる名探偵ブラウン神父シリーズ3作目。前作とはだいぶ期間が空いているためかシャーロック・ホームズを意識した『復活』が冒頭に収録。解説によると第4作目とは時期的に重なっており意図的に振り分けた模様。そのためか本作では不可能犯罪系というかトリッキーなのが多い。個人的にブラウン神父モノはトリックの宝庫と言われているけど『ムーンクレサントの奇跡』みたいに冒頭の美談めいた話が真相に繋がるみたいな人生の妙味を説いたところに味わいがある気もする。
読んでいて気になるのはブラウン神父は飄々としているのでやはりフラウボーのような相棒をレギュラーで固定して欲しかった。 -
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ネタバレ古典、往年の名作を知ると読みの視野が広がる。
純文学系の古典、名作にも手を伸ばしたいところだが、主なテリトリーであるミステリで手一杯である事情はさておき。
ということで、ブラウン神父シリーズ第一作目、『ブラウン神父の童心』。
ぼんやりとした丸顔で小男のブラウン神父と、犯罪界に名を馳せていたがブラウン神父との幾度かの邂逅を経て改心し相棒となったフランボウのコンビが各地で巡り合う事件を解決していく。
チェスタトンは初読。なるほどこういう作風ね。
う~ん、何か入り込めない。
あくまでも個人的な感覚だが、文化的地理的違いによりあまり思い浮かべられない細かな情景描写が多いなと思うのと、3人称語りとい -
Posted by ブクログ
ネタバレ円顔の小柄な老神父、ブラウン神父。
亡くなった人に寄り添うため、教会関係者に呼ばれて、事件現場の端に居ると思ったら、あっという間に事実を暴く13篇。
なんて書くと、殺伐とした印象だけれど、ブラウン神父はどこまでも穏やかに真実を指摘する。
稀代の怪盗、フランボウをいつの間にか改心させて相棒にしてるし。
何事も力押しなフランボウとそれを諌めつつ淡々と謎を解くブラウン神父のコンビも楽しい。
それにブラウン神父が赴く館、屋敷が素敵だった。
精美を誇る古庭を見晴らすベランダ、怪奇とさえいえる美しさの熱帯植物がところせましと繁茂しているガラスの温室、竹か強い熱帯産の籐で出来た河面の細長い家、陽ざしをいっぱ