長縄光男のレビュー一覧

  • ロシアの革命思想 その歴史的展開

    Posted by ブクログ

    19世紀のロシアの思想家・ゲルツェンの著書で執筆年は1852年。
    1848年のフランス二月革命で民衆が鎮圧されたことを受け、ロシアからの真の革命の可能性を、その歴史から語る。

    本著での要点は以下の2つに挙げられる。

    1)革命への希望は、ロシアの民衆、特に農村共同体の中に見られる。
    2) 現在、スラブ主義のモスクワとヨーロッパ主義のペテルブルクに分裂した人々が手を差し伸べ合い、社会主義を目指すことが革命である。


    また、ここに至るまでの歴史については、とても良くまとめられておりわかりやすい。
    ロシアの歴史的転換点と、その影響は以下のとおり。


    ■タタールの軛(13~15世紀) ...モン

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    2024年09月30日
  • ロシアの革命思想 その歴史的展開

    Posted by ブクログ

    ロシア文学を読もうと思う→ロシアの精神性について知りたい→井筒俊彦「ロシア的人間」で本書の時代が下敷きとなっている→これ読む
    なかなか頭に入らずだがいつか折に触れて読み返したいと思えるくらい網羅的

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    2025年06月13日
  • ロシアの革命思想 その歴史的展開

    Posted by ブクログ

     ニコライ一世治下の強権的な専制政治を逃れて、ロシアから亡命することを選んだゲルツェン。本書では現在(=執筆当時の1850年ころ)のロシアが批判的に描かれるが、自らの祖国、ロシアが現在のような状況にあるのはどうしてなのか、その政治、思想、文化等の歴史を辿りながら考えていく。

     大きなメルクマールとして著者がとらえているのは、著者が「帝冠を戴いた革命家」と呼ぶピョートル一世。そして、1825年12月14日(ロシア暦)のデカブリストの反乱。ナポレオン戦争を通して、貴族知識人は共に戦った強い愛国心と道徳心に富んだ「ロシアの民衆」を発見した、それが社会思想の変化を産み、遂には乱に発展する。しかし鎮圧

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    2024年03月21日