カレル・ヴァン・ウォルフレンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日本社会の本質をついたとされるベストセラーの加筆された一冊。とはいえ、かなり前の著書のため、現時点での評価はなかなか難しいものです。
民主党への政権交代、東日本大震災、冷戦後の世界情勢といったものを踏まえた内容になっていますので、現在とは異なっている点と、根底に流れているものと見極めることが必要な気がします。
日本は、戦後復興の中で進められ、結果構築された体制からなかなか脱却できておらず、そのため、官僚の独裁、中枢における説明責任の欠如、社会の政治化が進み、改善されていない現状を指摘します。そしてこれを打破するためには、政治化の存在の重要性とそれを選ぶ国民がいかに関心を持つようにするかを提言し -
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ウォルフレン教授が、現在が抱える問題点を述べたもの。歴史的なトレンドから判断しているところが多いが、やや根拠の記載が少なく説得力に欠けていたり、意見に同意できない点がある。欧米人の視点ということで、参考にはなるが。
「日本のバブル経済は、製造業がその事業を継続していけるよな具体的手段を生み出すために、大蔵省と大企業の協力の下に日本の金融機関が繰り広げたゲームだったということだ。銀行のマネージャーや株主たちのふところを肥やした欧米のバブルとはわけが違うのである」p145
「マスコミがはなから好み、また重視したのは、政党内部の派閥争いという、従来となんら変わりばえのしない話題であった。彼らは政策 -
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<目次>
第1部 よき人生をはばむもの
第1章 偽りの現実と社会の檻
第2章 巨大な生産機構
第3章 停滞する社会の犠牲者たち
第4章 民主主義にひそむ官僚独裁主義
第2部 日本に運命づけられた使命
第1章 日本の奇妙な現状
第2章 説明責任を果たそうとしないバブルの張本人
第3部 日本人はみずからを救えるのか?
第1章 さらなる変化に見舞われた世界
第2章 不確かな日本の新時代
第3章 日本民主主義の可能性
<内容>
なかなか衝撃的な1冊。種本は1994年という古さだが、2012年に第3部をほぼ書き下ろしのようにして文庫化したもの。一瞬の風だった民 -
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翻訳ものだからか、少しまどろっこしく感じる部分があった。それゆえか、私の知識不足か、半分ほどしか頭に入ってこなかった。
けれども、いくつか私にも理解できて納得した部分もあった。
ブルジョアジーと言われる中産階級が政治を動かすのが世の常であるにも関わらず、日本ではそれらの人々が企業に取って代わられている。そして、大衆の多くはサラリーマンであり会社や仕事に長時間拘束されているため、政治活動に参加するのが困難な状況にある。
また、政治家はいかに官僚に支配されているか、省庁の縦割り、管轄が結果的に国民にとって不利益になっていることなど、とてもわかりやすくためになった。
「知ることは力なり」まさにその言 -
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Posted by ブクログ
気になった1点のみ。
著者はソーラー発電を推しているが、ソーラー発電では夜間の発電量が下がってしまうことを考慮して言っているのだろうか?
無論夜間の電力量を原子力並みに供給する必要は無いだろうが、原子力の代替としてソーラーを使うのであればその点は考えなければならないのでは?
また、夜間という毎日の問題以外にも日本には梅雨がある。東北地方など冬は雪の日も多い。本当にソーラーで大丈夫なのだろうか?
夜間や悪天候な日の分の電力を蓄電する施設まで作るのであればかなり広大で高コストなソーラー発電施設を作る必要があると思え、こういった点は地熱発電などよりも劣るところだと思うのだが。
※僕は原子力推進派 -