宮竹貴久のレビュー一覧
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動物行動学者が自らの実験や各種論文を元にして、オスとメスの生殖行為の秘密に迫る。
と書くと、なんだか小難しい内容に聞こえるかも知れませんが、全然そんなことないんです。
・鋭いトゲがたくさん生えたペニスで、大事なメスの生殖器を傷つけてしまうヨツモンマメゾウリムシのオス
・生涯たった一度の交尾の後、空中で爆死してしまうミツバチのオス
・交尾の後、メスへのプレゼント(エサ)を取り上げて次のメスのために使い回してしまうガガンボモドキのオス
『なんでそうなことしちゃうの〜?』っていう行動が次々と紹介されていきます。
でも、これらの生物には感情ってものがありませんので、やはりそこには本能がそうさせ -
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ネタバレ「死んだふり」で生きのびる
~生き物たちの奇妙な戦略
岩波科学ライブラリー314
著者:宮竹貴久
発行:2022年9月13日
岩波書店
死んだふりの研究が盛んになったのは、2004年に著者が死んだふりが生きのびる戦略として有益であることを実証してから。著者は25年間、死んだふり研究をしているが、世界レベルでも著者が残した実績は非常に大きいようだ。逆にいうと、昆虫を中心とした死んだふり研究をする研究者が少ないということでもある。
それが一体なんの役に立つのか?果樹につく害虫除去や、さらには人のパーキンソン病克服への期待も見えてくる。
●死んだふりをする生き物、その目的
<哺乳類(人以 -
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<目次>
はじめに
第1章ドーパミンが生き方と求愛を決める
第2章がんばるオス
第3章オスががんばるとメスはどうなってしまうのか?
第4章そして性的対立が生じる
第5章愛の最終決定権を握っているのはメスである
第6章愛はタイミングで決まる
第7章オスとメスの決別
終章性的対立とは何か
おわりに
p226 生きている虫の個性は、遺伝子をつないできた
進化の勝者である。今、生きていることは、進化生物学
的には。すでに勝者なのだ。だから、臆することなく
個性を際立たせて対立や共存の道を生きている虫に
思いをはせ、明日からの毎日を生きてほしい。
虫のことと描きながら、いつも人に置き換える
イメージ -
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進化生物学の先生がおかきになった本。
進化生物学自体はダーウィン以降に始まった比較的古い学問分野だが、当初は「生物というのは種の保存のために頑張って生きている」という考え方だったものが、1970年代に主では無く遺伝子が生存競争の中心であるという考え方が生まれた。リチャード・ドーキンスが提唱した「利己的な遺伝子」とうものである。こうしたコンセプトの変化をうけて、日本でも進化生物学は、生物の行動や姿かたちを遺伝子レベルで考えていくものとなった。
本書では、「先送り」や「死んだふり」「擬態」「寄生」といった行動、習性が本当に遺伝子の保存、発展に役立っているのかと言う事の研究を紹介している。
たとえば -
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著者は「死んだふり」の研究で有名な進化生態学の学者さん。昆虫の生存戦略に学ぶサラリーマンの処世術!って無理あるやろ。。。そりゃ足はそっちのほうが多いけど、脳味噌はこっちのほうが大きいし(-_-)
専門とされてる生態学の話はホンマ面白いんやけどなあ。例えば、ある種の昆虫はいくつかのDNAスイッチを持っていて、状況に応じて形態を変える(天敵の多い環境ではより攻撃的な身体に成長する)って話などなど。
想像するに「生物の話だけやとヒキ弱いので、ビジネス風味で一気に10万部!」って編集者にいらんこと吹き込まれたんちゃうかな w
とってつけたようなビジネス部分が気にならなければ、普通に楽しく読めます -
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ネタバレ内容情報
[日販MARCより]
生物のオスとメスは、繁殖をめぐって激しく闘争している。21世紀の生物学界を沸かせ続ける「性的対立」について、その驚きに満ちた事例を次々に紹介する、迫真の最新レポート。
[BOOKデータベースより]
動物のオスとメスが出会い、愛し合って子どもを作る―。あなたがそう思っていたら、本書に衝撃を受けるだろう。トゲの生えたペニスで、メスの体を傷つけるマメゾウムシのオス、贈り物の大きさに応じて、交尾の時間を変えるガガンボモドキのメス。生物のオスとメスは、繁殖をめぐって激しく闘争していたのだ!21世紀の生物学界を沸かせ続ける「性的対立」について、その驚きに満ちた事例を次々