東京新聞原発事故取材班のレビュー一覧
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福島第一原発事故の新聞連載記事をまとめた作品は数冊読んだが、
本書が一番まとまりがいいかも。
第一部は「福島原発の一週間」とし、事故発生からの第一原発の現場、
東電本店、周辺自治体、官邸の動きをドキュメントで追っている。
第二部は「汚染水との闘い」。原発から溢れ出る汚染された水。それを
いかに止めるか。そして、いかに浄化するかの試行錯誤。
第一部・第二部共に、東電のテレビ会議システムでの現場とのやり取り、
作業員の証言を絡めて迫真のドキュメントとなっている。
第三部は「想定外への分岐点」。これは各種メディアでも取り上げられ
ているが、大津波の想定がいかされなかった経緯を追っている。
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学生時代に読んだ宮部みゆきさんの同名の小説では、『レベル7まで進めば、もう戻れない』という言葉が書かれていたように記憶している。福島原発事故のルポルタージュである、本書を読んでいる途中に、何度この言葉が脳裏に浮かんでは消えたことか。
第1章の『福島原発の1週間』は比類ないほどの緊迫感がみなぎる。淡々としたドキュメントは日本の存続がかかった激しい現場だった。
同じ時間を三重県で過ごしていた私にも強く伝わってくる。
風向きと逆の方向に逃げるしかないとラジオがアナウンスを繰り返す。
絶望的な状況の中でアンパンマンのマーチが流される。その時、進行する事態と向かい合っていた人々の様子が伝わってくる。
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この本はかねてから気になっており、ずっと読みたいとは思って おりましたが時間ばかりが過ぎてしまい、読むのがすっかり遅れてしまいましたが、こうして読み終えております。東京新聞の取材にかける執念を感じます。
この本はかねてから気になっており、ずっと読みたいとは思っておりましたが時間ばかりが過ぎてしまい、読むのがすっかり遅れてしまいましたが、こうして読み終えております。前回、ここで挙げた朝日新聞の取材班の書いた「プロメテウスの罠」も読み応えがありましたが、東京新聞の総力を結集して書かれた本書は「重み」が違うなと読み終えた後の印象でございました。
「3・11」―あの惨禍である2011年3月11日に -
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ネタバレ淡々と、地震から津波、メルトダウン、汚染水、に至る経緯が
時系列で書かれています。
「3号機爆発後も、3,4号機の中央制御室では、
運転員が懸命の作業を続けていた。
放射線量が高いため、全面マスクで防護している。だが
当初使われいたマスクの一部は。揮発性の放射性ヨウ素を
除去できないタイプのものだった。
中略
こうして六人の運転員らが308~678ミリシーベルトの被ばくをする
今回の事故に限って特別に引き上げられた被曝限度の250ミリシーベルトを
はるかに超える数値である。
うち二人は、外部被曝よりさらに危険だとされる内部被曝が
500ミリシーベルト超に達していた。
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本書は、東京新聞取材班による福島原発事故の本であるが、その迫真性は凄い。
昔タワーリングインフェルノというパニック映画があったが、本書の「福島原発の一週間」は、それをはるかに超える迫力満点のパニックドキュメンタリーだと感じた。
その詳細のなかでSBO(ステーション・ブラックアウト.全電源喪失)という事態を多くの専門家の誰もが想像もしていなかったことが明らかにされてる。
また、非常用バッテリーがつきる中で弁を開けることすらできずに、車のバッテリーを集めるシーンや、想定されていない事象の連続にマニュアルがまったく役に立たないシーンの描写には、愕然とする思いがした。
中央制御室での6人の -
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ドラマで見た。
ずーっと何なの?って感じが続いて楽しい。ほんとにあり得ることかもーと思うと怖いけど、最後は期待を裏切らない感じで終わってる。
ある記憶喪失の男女が知らない部屋で目覚める。手元には大量の札束と拳銃と血のついたタオル。近くで起きた拳銃による強盗殺人事件。そして腕にあるlevel7の刺青。
とりあえず逃げ回る二人はある男性に助けてもらい、記憶を取り戻す助けをしてもらう。
しかしそれはすべて男性の筋書き通りで復讐であった。たどり着いた黒幕の病院の院長はある薬を開発し、故意的にアルツハイマーを起こし、老衰という形で合法的な殺人を行っていた。その最終段階がlevel7であった。二人はその -
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大震災・原発事故関連の本だが、これは東京新聞原発事故取材班がまとめたもの。
内容的には一般的な構成で、事故発生と政府・東電の対応、原発安全政策、原子力政策の歴史、原子力船むつの失敗、最終処分場を巡る動き、と云う章立てで原発事故を契機に随所で指摘されている話題を一通り網羅したものとなっている。が、一方では東京新聞だからという独自の視点や目新しさは特に無い。強いて言えば記憶の彼方に去っていた原子力船「むつ」の話題くらいだろうか。
それにしても事故から一年が経つこの時期に各新聞社の取材陣から原発事故関連の出版が相次いでいるようだが、何れも自社媒体以外の出版社から出ているのは何故だろう?「メルトダ